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確かに人工知能の分野の「基礎研究」ではあったと思います。 でもそれ目的の研究開発プロジェクトではなかったです。 目指したのは非ノイマン型の並列推論マシンです。 プログラミングの同期問題などを解消する画期的なコンピュータです。 このプロジェクトは実用化・産業化されなかったことで、 世間では「失敗」扱いされています。 だけど最初に言っていた「並列推論マシン」は期限内に完成したし、 ICOT関係者のほとんどが大学教授になっていたりします。 決められた期間と予算のうちで計画当初の目的を達成した点で、 プロジェクトマネジメントの面では質の高い成功を収めたと思います。 また関わった研究者技術者が今も最前線にいる事実は、 それだけ高水準の技術開発だったことを反映していると思います。 不幸だったのは第五世代コンピュータと人工知能がゴッチャにされたことです。 このせいで「失敗」のイメージを多くの人が持つ結果となってしまいまいした。 この背景にはファイゲンバウム(当時MIT教授)氏の著書があります。 氏が自身の人工知能ベンチャーの宣伝に第五の計画を利用したワケです。 一方で「ナイトライダー」のように人工知能の将来に夢を見せるような、 そういった内容の番組の数々が、第五の計画に期待を持たせました。 だから「落差」が大きくて、失敗だ失敗だとみんなが言う、そんな流れです。 でも実用化・産業化はもともと視野に入ってなかったのにね。不幸なお話。 今はグリッドコンピューティングや限界状況ロボットなどの分野で、 当時のICOT戦士&その弟子達が活躍しています。 10年を超える500億円以上のプロジェクトは、 結局は投資に見合うだけのリターンを出しています。 だからボクは「失敗」の立場を取らないし、取りたくないです。 そして今から更に10年後には別の評価も出ていると思います。 確かに外国の類似プロジェクトは「失敗」という評価を下され、 だから日本の第五世代プロジェクトも失敗みたいに言われてます。 とはいえ経済産業省の評価は肯定的なものだし、#当事者だから当然? まともな国内での評価は行われていないといっても過言じゃないです。 そして「第五世代」は国でなければ不可能なチャレンジでした。 今後も技術立国の道を我が国が進むのであれば大事にして欲しいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.07.08 06:34:51
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