「私に似た人」 貫井徳郎
小口テロと呼ばれる小規模なテロが日常的に起こる日本そんな架空の舞台で10名の普通の人達の物語が紡がれていきます。架空なんだよね、と自分に言い聞かせたくなるほど今の若者は世間に絶望しているのだろうか。心配になるとともにそんな世の中にしてしまった責任の一端を背負う世代の人間としては申し訳なく思います。小口テロを扇動した”トベ”なる人物の大元が最後に明かされるのですが、悲しいですよね。どうしてだろう、人は悲しくならないように生きているはずなのに悲しみは連鎖していくのは。それでも人はそう生きるべきなのか、考えさせられる小説です。でもきっと何も変わらずに暮らしていくのでしょう。そこを少しでも良くしていこうと、無理するのも良くないなぁと思ってしまう一冊でもありました。【楽天ブックスならいつでも送料無料】私に似た人 [ 貫井徳郎 ]価格:1,944円(税込、送料込)