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晴&直 楽しいね♪ part2

晴&直 楽しいね♪ part2

子どもにわかりやすく伝えるために

私なりに色々チャレンジをしてみたのですが、画像を載せることができません。
画像や動画などは想像してくださいね、すみません。

この紹介はこのあとの「幼児期・学齢期の支援」の一部と重なっています。
あらかじめご了承ください。



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「子どもにわかりやすく伝えるために」  ~環境の整理について~
                    2011・H23年・5月19日・小6

→タイトル

今日はこれまで家の中でしてきた支援の紹介をさせていただきます。
色んなタイプのお子さんがいらっしゃるので、見て頂いて「これはちょっとなぁ」とか「これは合いそう」とか色々感じられるかとは思います。
今回は「こんな方法があるんや」とか「こんなやりかたがあるんやなぁ」ということを知っていただき、御家庭に持ち帰って頂いて、子どもさんに合うようにちょこっと工夫をしていただいて実践してもらえたら、とてもうれしく思います。
どうぞ宜しくお願いします。

まずはお手元のレジュメに関してなのですが、スライドにあってもレジュメには含まれていないものがあるのと、子ども達の名前がイニシャルでの表示とさせていただいていますので、あらかじめご了承ください。
では、早速ですが子ども達の紹介からはじめさせていただきます。

→プロフィール
子どもたちは2000年2月16日に生まれました。男の子の双子で長男が晴、二男が直です。
帝王切開手術での出産で、二人とも体重は2500グラム近くあり、身長は45センチくらいでした。
標準よりはやや小さめでしたが保育器等に入ることはなく、その後の発育もとても順調でした。

1歳3カ月の時に子どもたちを連れて地域の児童館へ行った時、子ども達の様子が他の子と比べて、違うなあと感じたことがありました。それは他の子はおかあさんの近くから離れないことと、名前を呼ばれると振り返っていたことでした。このことは、当時スグにどこかへ行こうとする子ども達を必死で抱え込むようにしていた私にはとても衝撃的でした。

そして1歳半検診の時に、保健師さんから「子ども達を見ていて何か感じませんか?!」と強い口調で聞かれたこと、その後に受けた発達検査の時に心理士さんから「生活の中でできるようになることがあり発達しているように思えるかもしれないけど、それはほんの小さなことで、発達はとても遅れていますよ。」と指摘をされ、その時は子どもと私を否定されたようで、とても悲しい気持ちになりました。
また、当時は他の子との違いに気付きながらも個人差があるからと逃げていたこともあり、ますます他の子との違いに敏感になっていきました。

子どもたちは、明らかに言葉が遅く、話していることが通じていないようでした。外出先では気になる物を見つけるとそのものに一直線に向かい、人や物が目に入らないような動き方をして周りにいた人を驚かしたり、実際にぶつかったりすることもあって、外に出るといつもヒヤヒヤし気疲れが絶えませんでした。そして親と周りの人とそう違うようには思っていないようだと悟ったのもこの頃でますます悲しいというか落胆することが多かったです。

3歳になり**児童福祉センターの**園に3人での母子通園が始まりました。
お母さん同士で話しをしたり、本を読む時間などができて、二人は自閉症児なんだと気付きました。
診断名はふたりとも「精神遅滞を伴う自閉症スペクトラム」でした。
その診断の日には診断名を聞きに行ったというよりも、これからどのようにして生きていけばよいのかを相談したくて夫も一緒に受診をしました。
その時に主治医の先生から「おかあさん、ことば以外でもコミュニケーションがとれる方法があるんですよ!」と教えてもらったことが、わらをもつかむ思いだった私たちに一筋の光が差し、私の心にとても大きく深く響きました。

教えてもらったことを「まずはやってみよう」と、物を要求するということをカードで伝える練習を始めました。

言葉が全く出ていなかった直と中心に取り組んできたコミュニケーションの様子を紹介させていただきます。

→コミュニケーション・視覚支援のはじまり

始めは当時から大好きだった「りんごジュース」と「キャラメルコーン」そして苦手だった「お茶」の3枚のカードを用意しました。

直はケースの中のカードを興味深そうに見ていましたが、カードの端をピラピラと指ではじいたり、床に並べたり、ヒラヒラと落としたりして、遊び道具にしていました。

数日経つとまだ意味は理解できていないようでしたが、私にカードを渡してくれるようになりました。
そのカードが苦手な「お茶」の時もあり、違うやろうなぁ~と思いながら、そういうことなんだよ、と理解してほしくてそのままお茶を渡していました。

取り組みはじめて2週間後のことです。
私が一人で夕食を食べていると、直が「りんごジュース」のカードをにこにこしながら持ってきてくれました。
「りんごジュース欲しいの、ちょっとまっててね」と急いで「りんごジュース」を渡しました。
その時はこれをわたせばりんごジュースがもらえるということを知っている、期待している表情をしていたので「りんごジュースが欲しい」と言ってくれているのを強く感じました。
直とはじめてコミュニケーションがとれた、会話ができた瞬間でした。
うれしかったのはもちろんなのですが、それ以上にこの時はこれでなんとかやっていける、生きていけると思えた瞬間でもありました。
このことが我が家の視覚支援の始まりとなりました。

主治医の先生も「うれしかったでしょう」と一緒に喜んでくださり、私もすごくうれしかったことと、要求の練習をする時は一枚のカードから始めるんですよ、とおっしゃったのを今でもよく覚えています。

それからは食べ物だけではなくおもちゃもカードで要求できるようになり、伝えられることがどんどん増えていきました。

スライドはおもちゃの要求に取り組んだ時のものです。
左から紹介します。
おもちゃを子どもたちが取れないよう食器棚の上にあげて、その中に入っているものは何かわかるように写真を貼りました。
この時ははがきの大きさで写真カード一枚を作り、ケースや袋に入れて、おもちゃは食器棚の下、食べ物は冷蔵庫の扉におくなど、必要な時に使いやすくなるよう工夫をしました。

ここからは構造化に取り組んだ様子を紹介させていただきます。
→<構造化>
家の中でもふたりとも超多動で走る回る飛ぶが大好きで、絶えず見守りが必要でした。
そして何をするにも誰かが横についていないとできないという状態でした。
家族みんなが安心して過ごせるよう、また一人でできることを増やしていきたいと考え、視覚支援をしたり部屋作りやリフォームに取り組んだりしました。

ココからはビデオを見て頂きながら紹介をさせていただきます。
これは小学部1年生の時に撮ってもらったもので、リビングの出窓から飛んでいるのは晴です。

→構造化・リビング・危険な窓・ビデオ
こういうことが大好きで注意しても一日に何回もしていました。
その様子をみていて疲労骨折とかしないのかなぁ~と、けがの心配もしていましたが、実はこの頃子どもを病院に連れていくと、ジッと待てないし診察を受けることもとても大変だったこともあり、けがをして痛い思いをさせたらかわいそうと思うより「病院に連れて行くのは絶対に嫌!」という思いの方が先に、頭の中に出てきていました。

→構造化・刺激排除
学校の先生のアドバイスで先程飛んでいた窓につっぱり棒でキルトを飾りました。
こうやってもキルトをひっぱっるやろなぁ~と思ったのですが、あっさりと止めたのでビックリしたのを覚えています
この他にも家の中に危険が多く何度も注意することがありました。
注意するのも嫌でしたが、される側の子どもたちはもっとストレスになっていたと思います。
触って欲しくないものには見えないよう目隠しをするなど工夫をしたことで、注意する回数が激減し、子ども達も私もずいぶんストレスが解消されました。

子どもたちは一人で一つのことをやりきれたり、活動を切りかえることができない状態だったので、
やりきれることを一つずつ増やせていけたらと、自立課題や登下校の準備、後片付け、家の手伝いなど、将来の自立に向けまた子ども達が達成感がえられるように工夫しました。

一年生の時は食事をするところ、勉強をするところ、寝るところ、と部屋を分けて取り組みました。
今日はその中で課題に取り組んでいる様子を紹介させて頂きます。

→小1晴直・自立課題のビデオ
小学部一年生の時に撮ってもらった自立課題をしている時のビデオです。
晴です。リビングから移動しやすいよう一番近い部屋で始めました。
机に積んであるのが量でこれだけできたらおしまいが見てわかるようにしました。
最後の課題の下に戻る合図のカードが置いてあり、それを持ってスケジュールボードまで戻ります。
直です。この前に声をかけたのですが手で払いのけて拒否をしたので、少し時間をおこうとタイマーをセットし直樹にも見せていました。時間の長さはまだ難しいのですが「ピピッとなったら」という合図は理解してるので、スケジュールに戻って課題をはじめています。
取りかかるまでに少し時間はかかってますが、他の人から声を掛けらることなく自分で始め、そして終わることができています。

→21、小3晴直・自立課題のビデオ
次に3年生です。場所を勉強机が置いてある2階に変えてするようになりました。
晴です。二人の絵のカードは大人と一緒にする課題で、虫や色のカードはひとりでやりきれる自立課題です。
最後に終わりましたとカードを渡して報告しています。
直です。どれだけの量をするのか自分で見てわかり見通しを持って取り組んでいます。
これは、大人と一緒にする課題なのですが、わかりやすくて間違わない方が覚えやすいので、画面ではちょっとわかりづらいのですがココにひらがなで答えを書いています。
終りましたを報告して、外遊びのスケジュールを外して、どこに出掛けるのかを選んでいます。

次に、小学部5年生のときのビデオを見て頂きますが、他のビデオもそうなのですが、特にこの動画は画面が激しく揺れたり見苦しいところがありますので適度に見てください。
5年生からは、自分の部屋で勉強もするようになりました。
視界に刺激的なものが入らないようにと出入り口近くに陣取っていますが、CDやテレビが付いている状態で部屋に入るとスムーズに勉強へは向かうことはできず不安定な状態になっている場面です。

→22、小5晴・自立課題のビデオ
みなさんも感じておられる通りで、この状況では勉強はしにくいようです。
この折り紙の手順書は同じ学校のママさんより譲り受けたものです。
課題の準備をママさん同士でできるようになり助かっていますし、楽しくもなりました。
少し落ち着いてきたのでCDを止めるとじょじょに集中して課題に取り組むことができるようになりました。

ここからはリフォームをしたのでその紹介をさせていただきます。

→リフォーム・デジュメはなし
このスライドは、みなさんのレジュメにはありませんのでこちらの方を見てください。
この写真は実際のリフォーム前にものではなく、お隣さんの写真でもありません。
ご近所さんでうちと同じタイプの家を撮影させてもらったものなのでイメージとして見てください。
小学部3年生の時に晴が2階の部屋の腰窓から出て、屋根伝いに隣の家のベランダに入ってしまったことがあり、大変な迷惑をかけてしまいました。
幸い晴は無傷だったのですが、足を滑らせて落ちていたらと思うと今でもぞっとします。

ふたりとも危険の認知がないに等しい状態なので、この事件の前から窓は全て閉め切った状態で二重鍵にするなど、工夫をしていたのですが、鍵を壊してしまったり私がかけ忘れたりすることもあって、心配で何度も確かめたりするようになりました。
このままでは子どもたちも私も共倒れになってしまうと、転居することも考えたのですが、リフォームをすることに決めました。
このときに入会している親の会の会長さんに信頼できるリフォームの業者さんを紹介して頂き、安心してお任せることができたのでとても助かり有り難く思いました。

→リフォーム・ベランダ
晴が出て行った窓が左上の写真です。
左下は隣の部屋でベランダに出入りする窓です。事件後スグにカーデニング用のラティスを立てたのですが、上にスペースがあいているのと、このラティスでは登るかもしれないと、とても不安でした。それと、それでなくても狭く感じていたベランダがより一層狭くなりラティスに囲まれている圧迫感もあって、洗濯物を干したり取りこんだりする度に、気持ちが滅入っていました。
そこで、右の様に広くして柵で覆ってもらいました。
落ちる心配がなくなり子どもたちは自由にベランダへ出入りすることができるようになったのですが、柵から腕を出して物を落とすことがあり、写真ではわかりにくいのですが、農園で使う虫除けのネットを内側から付けました。今は一緒にベランダに出て新鮮な空気にあたったり、洗濯物を干したりしています。

→リフォーム・バルコニー
玄関上のバルコニーです。足場になるものが多くココも心配でした。
火事になったり万が一の逃げ場として、外から助けてもらいやすいよう、ゴルフネットで屋根から覆ってもらいました。

→リフォーム・吹き抜け
玄関は吹き抜けになっています。
見た目は格好いいのですが、階段の手すりに登って覗きこんでいることが何回もあり、つっぱり棒をしたり真下にはマットを敷いたりしましたが、あてにはならないので、手すりを外して、板を張ってもらいました。
今は私の趣味を飾ったりして楽しませてもらっています。

左下の写真はこの階段よりはるか上の場所です。
晴が一年生の時にシャンデリア近くの出窓に登ったことがありました。げた箱から飛びついて指で体を持ち上げたようです。
発見したときにはどきもを抜かるという思いをはじめて体験しました。
窓にラミネートしたものを繋げて貼っただけなのですが、指をかけるスペースがなくなったからか?!登らなくなったので今でもこのままになっています。

→リフォーム・リビング裏と勝手口
リビングの裏と勝手口の所を木の枠で囲ってもらい、屋根との間が少しあったので、そこも覆ってもらいました。

リフォームをしたことで、みんなが安心して暮らせるようになったと本当に実感しています。
子ども達に迫っていた危険がなくなり、私は鍵を閉めたかどうかや子ども達が今何をしているのかが絶えず気になるということがなくなり肩の荷がドーンとおりて、すごく楽になりました。
晴と直と私の3人でいるときに万一私が倒れても子ども達は安全だと思えると安心して過ごせるようになりました。

→6年生晴と直の部屋
そして子どもたちをのびのびと育てられるようになり、4年生の時に晴と直に部屋を作りました。
スライドは6年生になってすぐに撮った写真です。
晴はCDとTVをつけながらパソコンで検索したりゲームをしたりして過ごしている事が多く、
直は携帯ゲームをしたり、パソコンの学習ソフトやインターネットの動画をみたりしていることが多いです。

→5年生直部屋の様子・ビデオ
5年生の直です。部屋で過ごしている様子のビデオを見てください。
クラスでしていたポーズをしています。窓ガラスに映っている姿を見ながらやっていました。
直の部屋です。
2年生の時に受けていたSTのセラピーで、直が指タッチでパソコン操作ができることを知り、タッチパネル式のパソコンを購入しました。今はマウスを自由に操り、文字入力はできないのですが読めるので、お気に入りに登録しておくと、自分で操作をしています。
このチェーンは流行りすたりがなく学校に入学した頃からずっと遊んでいます。
こんな感じです。

徐々に自分の部屋で過ごす時間が長くなってきて、6年生の今は勉強や寝るのも自分の部屋です。
食べたり飲んだりする時以外はほとんど自分の部屋に入って過ごしています。
おかげで私は趣味の手芸を復活させることができ、今は熱帯魚の飼育に夢中になっています。
子どもはもちろんなのですが、私も毎日を大切に過ごしていきたいと思っています。

→ご静聴ありがとうございました。
家の中で工夫してきたこと、支援してきたことなどを紹介させてもらいながら子ども達の様子を見て頂きましたがどうだったでしょうか?
子ども達が他の子ども達と少し違うぞと思い始めそれが確信に変わった頃は先が見えない不安で本当に辛かったですが、支援できることを知り「こうすればいいんやぁ~」と実感することができ私自身が少しずつ落ち着いてきて、支援のことも少しずつですが理解できるようになってきたように思います。
そして今では年少の時には想像できなかったくらい、子ども達も私も落ち着いてきました。
とはいえ、数はずいぶん減りましたが、びっくりするようなこと、キャーやめて~と思うようなことをすることがまだまだあります。
慣れてしまったというのか神経が太くなったということもあるのかもしれませんが、子ども達がそういうことをする時は必ず原因があるとわかるようになってからは、「へぇ~そんなことするんやぁ」と妙にサラっとしていたり「なんでそんなことしたんやろぅ」など、原因を考えるようになりました。子ども達は伝えたいことがあるのに伝えられない、伝えてるのに伝わらなかった、とか、私たちの方からは子ども達に上手く伝えられなかったということがあったように思います。
子ども達とコミュニケーションがとれるよう目線を合わせ、子ども達の気持ちを大事にしながらこれからも支援して一緒に成長していけたらいいなぁと思っています。

最後になりましたが、
今日は、子ども達の様子や私の気持ちなどを聞いていただいてありがとうございました。
私たちはとても恵まれていて、周りにはいつもたくさん支援してくださる方がいます。
家族全員を支えてくださるので、私も継続して子ども達を支援することができたのだと実感しています。
私達を理解してくださり、支援してしださる方がドンドン広がっていくと、私達はもっと心強く安心して暮らしていけるようになりますよね。
みんなが生きやすくなることを心から願っています。

→自閉症セミナー
ここで少し宣伝をさせて頂きます。
あさっての21日土曜日の午後1時半から5時まで自閉症のセミナーがスライドの通り行われます。
今日は環境の整理についてというテーマで話をさせてもらいましたが、セミナーの実践紹介では、コミュニケーションやスケジュールの話もさせて頂く予定ですので、もし都合がつきましたら今日の続きと言いましょうか?!全編で聞いていただけたらうれしく思います。
宜しくお願いします。

→ご静聴ありがとうございました。
今日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。


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