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カテゴリ:小説感想
お義母さんが、友人さんの為にドラマの録画をしてるいるのを見つけて、「本持ってる?」って聞いたら「あるよ」って。ラッキー!¥1300浮いちゃった。
上下巻を買おうと思ってたけど、1冊にまとめてあるこの本自体、お得ですな。 あぁ、くやしい。リンク画像がなかった...。 武州多摩の田舎剣士、近藤勇、土方歳三とその仲間が、幕府徴募の浪士組にまじって京へ上ったのが文久三(一八六三)年の二月。 曲折を経て、同じ尊皇攘夷であった志士たちが倒幕へ傾いてゆく時勢のなかで、ひとり近藤、土方の新選組は佐幕の道をつき進み、京都守護の会津藩の先兵となって、池田屋襲撃などを決行し、長州藩、土佐藩ほかの憎悪の的になっていった…。 ―その新選組を創り上げた土方歳三は、最後まではげしく時流に抵抗し、滅びゆく幕府に殉じた。稀代の漢の生涯を巧みな物語展開で描いた傑作長篇小説。 『おーい!竜馬』でしか幕末を知らなかった私。新撰組はもちろん脇役。薩摩・長州・土佐などの尊王攘夷・倒幕側からの目線でしか知ることがなかったので、とっても新鮮だった。 いくら小説とはいえ、史実を元に描かれた本作だから、「幕府の為に働いているのに、幕府から疎まれた」新撰組の立場に同情...したけども!。土方さんの意思が喧嘩=闘うということに向かって、本当に強くまっすぐと迷いなく貫いてるから、同情するという事すら吹き飛ばされて。 この時代の「男の美学」を背負ってる男、土方歳三、にもとれました。 ただただ、近藤さんの進む道に着いて行ったから勤王や左幕なんて、関係ないんですね、彼にとっては。 近藤の処刑を知った時、沖田の死を知った時の心境が描かれていれば、また泣く場面が増えたんだろうな、私。 後半よくポロポロ流したけど、斉藤・永倉との別れ、市村との別れ、やはり別れの場面には弱かった!! 殺伐とした暗い感じの話の中に、全編人を殺すといった重たい雰囲気なのに、お雪さんとの恋物語がパァっと明るく彩りされて、何とも華になりすごくステキ。 幕末の難しい内容かと思っていたら、恋物語のシーンだけに限らず、漫画を小説化したかのように読みやすくて驚いた。 そして、豊玉宗匠としての土方さん。 人斬りだけの男ではない、繊細な一部分も覗かせてくれたことも、話の展開に華が添えられた感じで素敵でした。 ○○(のちの△△。没□□年□歳)などと、登場人物について補足が書かれてあってとても参考に。△△の方が知ってる名前だったりして、「へぇ~」を連発したり。 「余談だが...」というくだりも、先生自ら取材なさったのだろうか、と思われる一文が追記してあったりと、小説という物語だけでなく、歴史としてもちょっと賢くなれた感じ?。 かっこいいところしか描かないなんて、司馬先生ズルイよ!!もちろんいい意味で お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年02月21日 21時03分08秒
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