2007/09/26(水)09:31
『新・オリエント急行殺人事件』森村誠一
ロンドン‐ベニス間を走る“夢の列車”オリエント急行。日本からツアーに参加した、大学教授ら十名の男女は、その華やかさに酔いしれた。一年後、参加者の一人が所有する土地から死体が発見される。そして、参加者の間で起きる謎の連続殺人。彼らを結ぶ不思議な因縁。捜査の焦点は、一つの事件へ…。人間心理の深層を鋭く描く、トラベル・ミステリー意欲作。
久々に、2時間サスペンス並の小説でも読むか、と、ちょびっとだけ意気込んだのに、
何だこれは。
全くもって、つまらん。何も面白くなかった。
ブログを始めてからずっと、気になったところに付箋を貼ってますが、もっと厚みがない作品でもベタベタ貼っていたというのに、本作では...ORZ
多分、個性がないんでしょうね、登場人物に。
いつも脳内妄想してますけど、全くできないです。いや、別にせんてもええねんけど...。
誰もかれものセリフ全てが棒読みで、年頃もバラバラのはずなのに同一人物が作文を読んでいる感じ。
2時間サスペンスドラマは(今は観てないけども~)好きですけど、
これをドラマに作りあげても申し訳ないけど、観られない。
一昔前では通用してた、安っぽい内容ですね...あ、1985年単行本か...。
それなら仕方ない( ̄▽ ̄)ノ_彡☆?
それを考えると、20~30歳代の女性陣のザマスっぽい口調も納得いくのでしょうか。
当時のマダムはゴージャス口調が当たり前だったのでしょうか。
ある意味、私の大好きな失笑です(笑)
「人間心理の深層を鋭く描く、トラベルミステリー」
深層心理は、普通なら犯人に共感・同情が持てるとか、逆に反共感でもあっていいんでしょうけど、
描かれてたかぁ?と問いたくなる。
(通りがかった乗用車に乗った人に、ケガをしている妻子を見殺しにされた)犯人ですが、
よくぞうまく(旅行にその人たちを誘い出したもんですよ。執念でしょうね)。
でも、そのうまくいきすぎている点がかえってリアル感を消失させていました。
そして、アガサ・クリスティをフィーチャーしているのは言うまでもありませんが、旅先で起こったもんだと思って購入した人には、一番がっかりさせたんじゃないかと思います。
実際、私がそうですね。
電車のトリックなど、誰もが知っているヨーロッパの高級旅客列車・オリエント急行絡みのものだとは思ったはず。
森村さんは「(旅行を犯人の”確認儀式”として)」と仰ってますが、
それなら別にオリエント急行でなくてよかったんです。
内容にも文句たらたらですけども、タイトルからして失敗だったんじゃないかと思います。
『太陽の塔』を読んだ時ほど、イライラなんてしなかったんです。むしろさくさく読めたほど。
ドラマ『人間の証明』がよかったんで、小説にも触れてみたかったんですけど、『人間~』が在庫切れでこっちを手に取ったんですよね。
...うむむ~、ちょっと今回ははずれでした