2008/08/16(土)21:13
『笑わない数学者』 森博嗣 感想
S&Mシリーズ第三弾。
1996年9月単行本ソフトカバー発行。 1999年7月文庫本発行。
偉大な数学者、天王寺翔蔵博士の住む「三ツ星館」。
そこで開かれたパーティの席上、博士は庭にある大きなオリオン像を消してみせた。
一夜あけて、再びオリオン像が現れた時、2つの死体が発見され…。
犀川助教授と西之園萌絵の理系師弟コンビが館の謎と殺人事件の真相を探る。
偉大な数学者って意味がさっぱり分からない程理系オンチのアテクシです。
難しい数式を解くことで崇拝されて、それが偉大ってことなのかっ!?
うむむ、ミステリアスちっくなおっさんでした、天王寺博士。
ま、相変わらずトリックは秀逸であるものの、現実的なところが皆無であります(笑)
二時間ドラマの新聞の配役を見て犯人はこいつだろう!と想像することに飽きた女としては、そんな無理難題を押し付けられたかのような、奇抜なお話が好きです
小説を読むようになるまで、そんな自分に気付かなかったなんて勿体無いったらありゃしないっっ
シリーズ三作目、やはり一作目のインパクトからは劣るものの、数学の問題やら博士の出すオリオン像消失の問題やらが物語を引き立ててくれます。
天王寺博士が語る数学的な話を読んでいると、どうしても『笑わない哲学者』にタイトル変更して下さいよ森さん~~と思ってしまいましたよ。
「ここに真理があるあるとでも思ったんだろう」
定義すれば、存在する」
トリックよりもこの文章の真理を考えること自体が一番の難題だったりしてププ。
めっさ知的で知性溢れる言葉じゃないでッスかΣ( ̄□ ̄;)、しかし、現実では使いにくい文語をさすがさらりと使いこなせるのも森氏の作品ならではだと思えます。
それにしても犀川先生、定番の名探偵ものと同じように、毎回警察に真相を明かさずに犯人を目の前にして種明かしなどしないで頂きたいですよ(爆!!)
例に漏れず犯人に襲われたりしますから
オリオン像は数学アホな私だって何となく〔もしや~〕って最初っから疑ってしもた位の、決して意外ではないトリックであったけど(←あぁ、数学関係ないか、この場合は。)、それでも一つの作品として楽しめる本作でした。
やっぱりキャラのおかげってかv(≧∇≦)v
ということで、本作はトリックよりも何よりもキャラ妄想に突っ走ってしまったアホゥがここに一人おりました。森さんファンごめんなさい、ペコリー
・萌絵ちゃんと犀川先生が、三ツ星館へのお呼ばれにて同室のお泊り!(≧ω≦)!
・萌絵ちゃんと犀川先生が、「いつ結婚するの?」と勝手にクラス中で噂に!(≧ω≦)!
・問題が解けなければキスを求められた犀川先生の悩み方が何となくかわいい件について!!
そんな描写にドッキンドッキンしながらも、犀川先生の萌絵ちゃんへの保護者的態度は相変わらずなのには、シュンとならざるを得ませんでしたがね(涙)
「何も愛さなければ失うものはない、
それが人間の洗練というものだ、と彼は信じたかったのである」
先生って何かトラウマでも抱えてんちゃうの?と疑いたくなる一文...。
素敵な感想拝読しました~ありがとうございまっした♪
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