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カテゴリ:小説感想
2005年7月、単行本発行。2008年5月、文庫本発行。
同じ角川の『さまよう刃』の購入時に入っていたチラシを見て買いに走りました 手違いで文集を作りすぎてしまったのだ。古典部の知名度を上げて文集の完売を目指すため、 奉太郎たちは学内で起きた連続盗難事件の謎に挑むことに! というわけで、古典部シリーズ第3作目。(一作目感想。二作目感想) 古典部が再結成して氷菓事件で始まり、文化祭映画の女帝事件(事件?)を経て、やっと文化祭本番 奉太郎の活躍がすっかり探偵じみて、ミステリ小説の犯人との対峙の場面に似てきた気がします(笑) いえ、ほろ苦青春ミステリなんで、合ってはいるんですけども♪ 殺人が起こるとか、私が想像する”ミステリ”ではないんですから、”犯人との対峙”の仕方もまた面白く感じる場面ではありました♪ そんな私は、(行く所行く所出没し、ふくちゃんに絡んでくる谷君)が怪しすぎる!!と、読者を騙そうとしている原作者にとって、お得意様な読者であるアテクシは、毎度のこと騙された気分ですv(°∇^*)⌒☆イェィ...あれは米澤せんせが騙していたというのかは定かでないけども ほら、ミスリードなキャラって絶対いるじゃん!! 今回は、奉太郎一人の視点ではない、古典部4人それぞれの視点からの文化祭の奮闘ぶりがめっさ楽しかった~ 特に、えるちゃんのすっとぼけた口調がおかしくって~。 なんとなく抑揚がない、文面からもまさに省エネが浮かばれる奉太郎の気だるそうな口調もキョンみたいで好きなんですけども(笑)、えるちゃんのような天然ののほほん口調もツボってしまいます。スピンオフでやってけれ えるちゃん以外の2人、ふくちゃんと摩耶花が自分の思慮を述べてくれているのが、前2作と違ってもっと楽しめた一つであることは間違いない。 同人誌について〔欲しいなぁ〕と1度思ったことがあるだけで詳しくない私ですから、摩耶花(あと、同人誌に携わってらっしゃる方々)には申し訳ないけども〔高校生の描いたものでなんという低いレベルの争いを...〕とつい思ってしまいました。 名作は誰もが読んでる・観てるもんじゃねーの、と思いながら女のバトルを読んでいると薄っぺらい気がしないでもないのですが、それでも摩耶花の漫画に対する熱意ってものは、私なんかが推し量れるものではないんだなと実感するよ、うん。 ハイ、本編。些細な事件がいくつもありました。 間違われて刷られた『氷菓』200部をできるだけ販売せよ、「十文字」事件の謎を解け。 わらしべ長者は、奉太郎に何をもたらすのか、と考えたところであの方も光臨されて、読み応えがありましてよv(°∇^*)⌒☆ 彼女登場の無理ヤリ感は華麗にスルー致します(笑) 砂子長じて巌となったみたいに、それぞれ小さな事件であったものが、ラストではきちっと集約されているのなんて、テンポよく進んだもんだよ全くとニヤニヤしちゃう そして犯人当てよりも深い意味を成したと思ってしまうのが、河内先輩と田名辺先輩。それぞれの青春の思いがどちらも切なくて。 ”ほろ苦青春”って言われてる本シリーズだけども、切ないものばかりが目立ってしゃーないです。 望んでも得られない実力を(漫画を始めたばかりの人が、そして軽い気持ちでやった人が)盛っていたら...2人の思いは本作以外でも、私達現実の世界においてももちろん言えることだなぁと思います。 米澤氏、「(文庫化に当たって附された英題の方が、内容を表しているように思います)」とのこと。 「十文字事件」から「Welcome to KANYA FESTA!」へ。 確かに、英題の方が〔文化祭だよ、キャッホー!〕な気分で楽しそうです。 古典部がメインキャラでこの呼び方を嫌っているというのに、副題とはいえタイトルにカンヤって入れちゃよくなくね??Σ( ̄ロ ̄lll) ...まぁ、一般名称やしね。 素敵な感想拝読しました~♪ありがとうございまっす!! 苗坊の読書日記さま たこの感想文さま お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年06月29日 08時39分37秒
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