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松久よしき(芳樹)のブログ

2010年06月27日
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反戦を貫く詩人、匹見太郎
 
反戦を貫いた詩人、匹見太郎の名を知る人はどれだけいるだろうか。

 彼は今年90歳、いま妻とともに老後を静かに過ごしている。

 彼は、「17歳の時に文学に魅せられ 詩を書き 小説らしきものを書き 将来劇作家になることを夢見ていた その時戦争があって ひ弱い文学青年は 筋金入りの軍国青年に変身して 中国大陸を転々とすること六年余 大いなる挫折のうちに 敗戦後の焦土の内地に復員 それから二〇年は四人の子供を育てるという食う為の戦争であった ・・・」(匹見太郎『急ごうよ』より)
彼は五六歳で職を辞して詩通信社を始めた。

 彼は生涯反戦の詩人として生き抜こうとした。しかし彼の生きてきた時代は激動そのもので多くの人たちが人生を狂わされた。残念ながら多くの若者たちが命を落した。そして彼と同じように、多くの者が「筋金入りの軍国青年に変身」した。その激動の時代と自らの歩んできた道のりそのものを彼は問い続けた。彼はそれを「変節の詩人」として自らを見つめ続けた。
その詩通信社が発行する「反戦詩画集」がいま私の手元にある。
 その詩画集には、日本国憲法の前文が表紙裏と裏表紙に大きく掲載され、多くの詩人たちの詩と画がまとめられている。全国から名の知れた詩人から、細々と詩を書く人など、各集40人ほどの様々な人たちの反戦の思いが綴られた詩画集である。
 第一集の副題は「未来の子ども達の為に」とある。戦後の貧しい時代に四人の子どもを育て、働き抜いた、「詩人としての活動のブランク」(匹見太郎)であったが、その子ども達へのメッセージでもあったのだろう。詩画集が発行された時には孫もいた。
 第二集は、「附 日本国憲法」と日本国憲法が全文附されている。「自由を守るために」との副題があり、「戦争は人の心から生じる 人の心の中に平和のとりでを 築かねばならない」とユネスコ憲章が載っている。
 第三集には、「附 昭和56年度防衛白書第3部第1章 国民と防衛」が附されて、「われわれの知らないうちに出来上がったこの既成事実を見つめるために」とある。
 第四集は、「附 皇国史観を糾弾するために」と、東条英機の遺書を掲載し、皇国史観を糾弾している。第四集には「金権ファシズムが体質的同質性によって 天皇制ファシズムと複合されて、より完成されたファシズム体制へと発達しつつある現代 この詩画集は 表現の自由を守るという悲願のもとに 詩を書くもの 絵を描くものが 反ファシズムの立場から参集した 自由の砦である」と「反戦詩画集」を表している。

 彼は、いまこの自分の偉業をまとめる術を持ち得ない90歳の老人となった。今は波乱の人生を笑顔でユッタリと見つめている。

 反戦を貫いた詩人、匹見太郎の名を知る人はどれだけいるだろうか。

確かに言えることは、この反戦のたたかいは、多くの人たちに引き継がれている。彼の名は知らないが、彼と同じ志を持つものたちが新たな運動に挑戦し続けている。

 そして、彼に育てられた息子に、確かにバトンタッチされている。

 お気づきのように、その息子の一人は、私、松久よしきである。







最終更新日  2010年06月27日 22時36分14秒
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