「サイドカーに犬」
TV映画「サイドカーに犬」根岸吉太郎監督07年。粗筋はgooより。不動産会社に勤める薫は、ある朝ふいに1週間の有給休暇をとった。馴染みの釣堀で釣り糸をたらしながら、ふと、父が会社を辞め、母が家を出て行った数日後のことを思い出した。ヨーコさんという女性が家に来るようになった。たばこをスパスパ吸い、自転車を乗り回し、夕食には、「エサ」と言って麦チョコを食べさせる、破天荒な人だった。しかし、子供と対等に向き合って話をしてくれるヨーコさんを薫は好きになっていく…。長嶋有のデビュー作を『雪に願うこと』の名匠、根岸吉太郎が映画化。主演は、2年ぶりの映画出演となる竹内結子。『いま、会いにゆきます』など、はかなげな役が多かった竹内結子が、ぶっきらぼうだが、おおらかで愛情深いヨーコを颯爽と演じている。今までにない、カッコいい竹内結子を楽しめる。ヨーコを慕う子供時代の薫を演じたのは、『ハリヨの夏』の松本花奈。小学4年生の女の子と言えば、大人の世界に憧れながらも、まだ遠くから覗いている年頃。ヨーコと出会うことで、自分らしさを解き放つ楽しさを知り、成長していく様を自然体で演じている。父親に頭突きをし、「ワンワン!」と吠えるシーンが、本作のテーマを象徴している。出演は竹内結子、松本花奈、古田新太、鈴木砂羽、ミムラ、谷山毅、樹木希林、温水洋一ら。惹句的には、離婚を経験して女優業に開眼、演技の幅を広げた竹内結子に注目、なのだろうが、この手の役は相変わらず板についてないように思う。樹木希林やヌックンの怪演と比較されては、竹内が可哀想というものだが。エンドロールで流れるYUIの歌がよかった。