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2015年05月の記事

全41件 (41件中 1-41件目)

1

「リプレイスメント・キラー」

TV映画「リプレイスメント・キラー」アントワン・フークア監督98年米。5月15日深夜放映。粗筋はgooより。殺し屋ジョン・リー（チョウ・ユンファ）は、自分の息子を手にかけた刑事ジーコフ（マイケル・ルーカー）への復讐のため、彼の息子を殺せという、チャイニーズ・マフィアのドン、ミスター・ウェイ（ケネス・ツァン）の命令に背いた。彼は人質にされている家族の身を守るため国外脱出を図り、偽造屋のメグ・コヴァーン（ミラ・ソルヴィーノ）を尋ねるが、組織がそこを急襲。逃れたジョンは脱出の唯一の切り札としてメグをつかまえ、協力を要請。はじめは協力を拒んだメグも、家族の命を守るためだけに生きようとするジョンの一徹な生きざまにひかれた。そうこうするうちにもウェイは右腕のコーガン（ユルゲン・プロホノフ）に命じて、手段を選ばぬ新手のふたり組の殺し屋リカー（チル・シュエイガー）とコリンズ（ダニー・トレオ）を繰り出し、ジョンの大切な友人の僧侶までをも惨殺してふたりの抹殺を図る。同時に組織はジーコフの息子を再度殺そうと図っていた。敵とあれば当事者だけでなく家族の命をも冷然と奪う組織と完全に訣別すべく、ジョンはジーコフと息子を救出に向かう。かくして、ジョンは組織の本拠地に乗り込み、死闘の末ウェイを倒すのだった。非情な組織に背いた殺し屋の死闘をスタイリッシュなタッチで描いたアクション。「男たちの挽歌」シリーズなど香港ノワールはじめ、亜州影帝と呼ばれた香港のトップスター、チョウ・ユンファのハリウッド主演第1作。94年の「大陸英雄伝」以来4年をへて、満を持しての銀幕復帰となる。監督はＭＴＶの俊英アントン・フークァ。脚本は新鋭のケン・サンツェル。製作総指揮はチョウ・ユンファの盟友で本作の企画実現の立役者である「フェイス／オフ」のジョン・ウーと、彼のパートナーのテレンス・チャン、クリストファー・ゴシック、マシュー・ベアーの共同。製作はブラッド・グレイとバーニー・ブリルスタイン。撮影は「バッドボーイズ」のピーター・リオンズ・コリスター。音楽はスコアをバリー・グレッグソン・ウィリアムス、音楽総指揮をラルフ・サルがそれぞれ担当。美術は「フィーリング・ミネソタ」のナオミ・ショワーン。編集は「アルビノ・アリゲーター」のジェイ・キャシディ。共演は「ミミック」のミラ・ソルヴィーノ、「シャドウビルダー」のマイケル・ルーカー、チョウ・ユンファとは「男たちの挽歌」シリーズで共演作しているケネス・ツァン、「イングリッシュ・ペイシェント」のユルゲン・プロホノフほか。巷間言われているように、チョウ・ユンファは劇団ひとりにどんどん似てきており、さながら「ゴッドタン」の一コーナー、「キス我慢選手権」のスピンオフ映画のよう。対する相手役のミラ・ソルヴィーノは、見ようによっては瀬戸カトリーヌ。この二人が、とにかくドンパチ。典型的なバカ映画。

2015/05/31

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「TODD RUNDGREN / The Unpredictable Todd Rundgren」

DVD「TODD RUNDGREN / The Unpredictable Todd Rundgren」Recorded at The City Winnery, New York City in 7th March 2012Todd RundgrenJesse GressKasim SultonGregg Bendian最新アルバム「Global」のボーナスDVD。ワイナリーでのアットホームなライブで、演者も客も双方リラックスしている。「魔法使い」の再現ライブはDVD化されていないので、「I don't want to tie you down」の生演奏はここで初めて見た。「全能の人」は原形を止めないほどにアレンジされている。アンコールには二度応えて、「ワン・ワールド」で終了。最前列の日本人らしき女性が気になる。トッド、カシム、ジェシーの3人への、20分ほどのインタビューが付属しているが、字幕がないので9割方何言ってるのかわからない。

2015/05/30

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楳図かずお「影姫」

楳図かずお画業55th記念少女フレンド／少年マガジンオリジナル版作品集 8全8巻の最終巻。表題作外「うろこの顔」所収。ともに初出はフレンド。「うろこの顔」は副題に「魔子の恐怖ノート」とあり、作者の妹という設定の楳図魔子が探偵役となるシリーズの第1話。「影姫」は、影武者が本人に成り代わるまではよくある話だが、その影武者がさらに影武者を立てられることに驚かされる。作者の時代もの少女漫画の集大成であり、ストーリーテリングが冴え渡っている。

2015/05/29

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松本大洋「花男 (1)～(3)」

魚眼レンズを通したような構図や極端なデフォルメ、常にフリーハンドの線等で、パッと見、汚らしい絵柄なのだが、読むうちにじわじわ馴染んで、しまいにはどっぷり浸ることになる。つげ義春の現代版といった趣き。実写化は不可能と思われる。茂雄の母親は、いったいどうやって生活費を得ているのだろう。

2015/05/28

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楳図かずお「赤んぼ少女」

楳図かずお画業55th記念少女フレンド／少年マガジンオリジナル版作品集 7表題作外、次の3篇所収。死者の行進まぼろしの蝶ねむり少女初出は表題作及び「まぼろしの蝶」がフレンド、「死者の行進」がマガジン、「ねむり少女」がなかよし。「へび少女」の山びこ姉妹をも凌ぐ強力キャラ、タマミが猛威を振るう表題作は、作者自身により「のろいの館」と改題され、タマミの断末魔の台詞も改変されたが、もちろんここでは初出のまま。ここまで来ると、現在の画風とほぼ同じ。なのだが、マガジン連載の「死者の行進」はやはり劇画調で、隊長と二等兵が「巨人の星」の一徹、飛雄馬父子に見えてくる。枠外の予告には「来週号からは、水木しげる先生の『ゲゲゲの鬼太郎』が登場！」とあり、時代を感じさせる。

2015/05/27

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大友克洋「さよならにっぽん」

初期傑作集第2弾。表題作は連作短篇で5部構成。外、「East of The Sun, West of The Moon」「聖者が街にやって来る」「A荘殺人事件」所収。単行本上梓は81年だが、表題作が描かれたのは70年代後半。当時の雰囲気が横溢している。漫画が日本SF大賞を受賞したことに衝撃を受け、条件反射のように漫画書房で「童夢」を購入したのは80年代前半。その圧倒的な画力の高さで、それまでの日本の漫画とは明らかに一線を画す「童夢」とその後の「AKIRA」があまりにも有名な大友だが、彼は初期のこの頃から絵は上手かった。絵は…。「童夢」が脚光を浴びている頃、中島梓がいみじくも「だって、あんまりおもしろくないんだもん」と語っていたように、その画力の高さとは裏腹に大友のストーリーテリングの才は薄い。それも初期のこの頃から変っていない。漫画家版アラン・ホールズワースなのである。

2015/05/26

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Amazonから

TODD RUNDGREN / GlobalCD+DVDのスペシャル・エディション盤。まだ聴いていないので、どういう内容かはわからない。

2015/05/26

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武論尊・原哲夫「北斗の拳 (10)～(15)」

文庫版全15巻読了。第15巻のみ、原哲夫のあとがきがある。ラオウが死んだ後の筋は、ほとんど覚えていなかった。読み進むにつれ、「ああ、そうだった」と思い出す。ケンシロウは元斗皇拳のファルコと拳を合わせた後、北斗琉拳のカイオウが支配する修羅の国へ。北斗、南斗に加えて元斗が登場して、さらに北斗神拳の源流たる北斗琉拳までもが飛び出す。20世紀の世に修羅の国のような存在はあり得ないだろう。カイオウに次ぐ存在のヒョウはケンシロウの実兄で、カイオウはラオウ、トキの実兄。ラオウ、トキ、ケンシロウが北斗神拳伝承者リュウケンの許へ預けられたのに対し、カイオウとヒョウは修羅の国に置き去りにされた形。北斗神拳四兄弟では末弟だったケンシロウは、実は北斗宗家の嫡流であり、カイオウら兄弟は傍流。ではあるが、北斗神拳が創始された1,800年前まで遡ると、カイオウ、ケンシロウ双方の血筋は双子の兄弟で、前者が兄。主要キャラのほとんどが血の繋がりがあることになるし、一子相伝の北斗神拳を伝承させるため、全国から有能な若者を集めたはずなのに、実は北斗神拳は代々ケンシロウの血筋が伝承していたことになる。もはや、実は兄弟だった、実は兄妹だった、実はユリアだった、実はリンだったのレベルをも超越してしまった。修羅の国篇が終わると、ケンシロウはラオウの忘れ形見、リュウを連れて放浪。サヴァの国でリア王まがいの騒動に絡み、ブランカの国でも騒動を解決。「マッドマックス2」ばりの、核戦争後の荒廃した世界だったはずの設定を、修羅の国あたりになると、作者もすでに忘れてしまっているのではないかと思えるほどにぶれまくっていたが、ここまで来ると完全にヒロイック・ファンタジーの世界。ケンシロウはリュウと別れて一人になった途端、なぜか記憶喪失に。そしてリンまでもが記憶を失い…いやもう、困ったときの記憶喪失。こんな調子で放浪を続けて、ケンシロウはいったい誰に北斗神拳を伝承するのだろうか。せめて修羅の国で連載を終えておくべきだった。

2015/05/25

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武論尊・原哲夫「北斗の拳 (1)～(9)」

文庫版全15巻。第1巻のみ、巻末に佐竹雅昭の解説がある。9巻のはじめの方でラオウが死んで、第1部が終了。本来、ここで連載も終わりにすべきところが、当時あまりにも人気があったために続行せざるを得なかった。当然、第2部に入ってからはボルテージが落ちる。はっきり覚えている部分と、完全に忘れていた部分とが混在。有名な「おまえのようなババアがいるか」の場面もそうだが、中ボス級の敵の大きさが尋常ではない。ケンシロウを鷲掴みにしている場面からすると、手幅が1メートル以上ある。そんな人間はいない。ケンシロウは巨大怪獣と戦っているようなもの。はっきり数字を出している場合もあって、山のフドウは体重が300キロ以上。アンドレ・ザ・ジャイアントが各地にごろごろいる世界だ。実は兄弟だった、実は兄妹だった、実はユリアだったのオンパレードは、往年の大映ドラマもかくやの凄まじさだが、これははじめから構想していたのか、それとも、連載途中の思いつきなのか、どちらなのだろう。

2015/05/24

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「世界侵略：ロサンゼルス決戦」

TV映画「世界侵略：ロサンゼルス決戦」ジョナサン・リーベスマン監督11年米。5月16日放映。粗筋はgooより。1942年2月25日、アメリカ・ロサンゼルス上空。アメリカ軍のレーダーが、発光しながら編隊を組む25機の飛行物体を捕捉する。しかし約1440弾の対空砲火を行うが、1機も撃墜することができなかった。当時、その模様はラジオで中継され、アメリカ西海岸はパニック状態に陥った。現在でも、この騒動の真相は明らかになっていない。その後、1965年にはアルゼンチン・ブエノスアイレスで空飛ぶ円盤が目撃され、1983年には韓国・ソウルに未知の光る物体が出現した。1991年にはイギリス・ロンドンにもそれらが現れた。しかし、彼らの目的はまだわからなかった。そして2011年、これまで世界各地で目撃されてきたUFO事件を通して人間を観察してきたエイリアンたちは、ついに地球侵略を開始する。彼らの侵略の最初の地であり、最後の砦となったロサンゼルスを守るため、マイケル・ナンツ曹長（アーロン・エッカート）率いる海兵隊は、壮絶な市街戦を繰り広げる。ドキュメンタリー風の戦争描写に、世界各地で撮影された未確認飛行物体の実録映像を盛り込んだ、リアリティ抜群のSFアクション。『ダークナイト』のアーロン・エッカートや『アバター』のミシェル・ロドリゲスといった実力派俳優が屈強な海兵隊員に扮し、最後の砦・ロサンゼルスを舞台に、エイリアンたちと壮絶な戦いを繰り広げる。先日見た「バトルシップ」を、さらに戦闘場面に特化したようなもの。その迫力は「バトルシップ」をも上回るが、“ただの戦争映画”度も「バトルシップ」以上。ここでも米軍、それも海兵隊の小隊が、宙航技術を有するエイリアンを通常兵器で撃退する。米国プロパガンダ映画のひとつ。

2015/05/23

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楳図かずお「復讐鬼人」

楳図かずお画業55th記念少女フレンド／少年マガジンオリジナル版作品集 6次の8篇所収。カッコ内初出誌。復讐鬼人（マガジン）雨女（フレンド）ふりそで小町★捕物帳（フレンド）人食い不動（マガジン）のろいのふりそで（なかよし）800年めのミイラ（なかよし）雪女の恐怖（なかよし）首なし人間（マガジン）ともに昭和42年にマガジンに連載された「復讐鬼人」と「人食い不動」は、当時の流行を反映してもろに劇画。同時期に同じマガジンに連載された「首なし人間」は、楳図従来の作風のひとつの手塚風。フレンド連載の2篇は楳図本来の絵柄。それを若年向けにしたのが、なかよし連載の2篇。非常にバラエティーに富んでいる。思っていたよりも楳図は器用なのだということがわかる。表題作「復讐鬼人」の主人公、無双の凄絶な生きざまは、平田弘史の「血だるま剣法」を思わす。

2015/05/22

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ホルスト・ヤンセン「画狂人ホルスト・ヤンセン」

副題は「北斎へのまなざし」。ハンブルクの狂える画家、ホルスト・ヤンセンを、特に北斎に絡めて数人が解説しており、ヤンセン自身が著しているわけではない。人嫌いのヤンセンの数少ない友人のひとりが、今年亡くなったギュンター・グラス。共著もある。絶版となっている「フュリス」を入手したいが、現在ではかなりの高額のようで難しい。

2015/05/21

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楽天ブックスから

JON ANDERSON / Olias of SunhillowSTEVE HOWE / BeginningsSTEVE HOWE / The Steve Howe AlbumALAN WHITE / RamshackledRENAISSANCE / NovellaRENAISSANCE / A Song for All SeasonsRENAISSANCE / Azure d'orBARCLAY JAMES HARVEST / Once AgainProgressive Rock 1300 Collectionとして、HM-CD版がすべて1,300円（税抜）の廉価でリリースされたので、アナログ盤でしか持っていないものをまとめて購入した。廉価盤ということで、ジャケットは表しかない。中ジャケはもちろん、裏ジャケもなし。これでは、「サンヒローのオリアス」の魅力は半減する。ジョン・アンダーソン曰く、レコードは一枚の芸術だからジャケットに至るまでトータルに作るべきである。コスト削減するならライナーをなくせばいいのであって、いかに廉価盤といえどジャケットは完全再現すべきだろう。

2015/05/21

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楳図かずお「悪夢」

楳図かずお画業55th記念少女フレンド／少年マガジンオリジナル版作品集 5次の4篇所収。楳図かずお先生の怪談　第1話　悪夢　第2話　鬼ばば　第3話　とりつかれた男　第4話　人食い雪（前・後編）ミイラ先生木の肌花よめ人こぶ少女鬼婆や雪女に、ミッション系の女子高を舞台とするミイラ・ホラー、瘤とり爺さんを少女に置き換えた人面疽ものと、怪談を和洋取り混ぜて楳図流にアレンジした作品が並ぶ。絵柄が洗練されて古臭さが薄れ、後の作風に近づいている。特に「ミイラ先生」は新境地を開く作品となった。

2015/05/21

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楳図かずお「黒いねこ面」

楳図かずお画業55th記念少女フレンド／少年マガジンオリジナル版作品集 4次の4篇所収。肉面赤い服の少女人魚ものがたり黒いねこ面初出は「肉面」のみマガジン。あとはフレンド。長編の表題作以外は掌編だが、それぞれ味わいがある。鍋島化け猫騒動とポーのアッシャー家をミックスしたような表題作は、数代に亙って繰り広げられる深讐綿々たる世界で、大変な力作。「恐怖の集大成」は伊達ではない。

2015/05/20

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「スペシャルフォース」

TV映画「スペシャルフォース」ステファヌ・リボジャ監督11年仏。5月9日深夜放映。粗筋は映画.comより。武装組織に誘拐されたジャーナリストを救うべく戦うフランス特殊部隊を描いたミリタリーアクション。アフガニスタンの首都カブールで、タリバン系武装組織のリーダーを批判したフランス人女性記者エルサが拉致された。事態を重く見たフランス政府は軍特殊部隊に救出命令を下し、リーダーのコバックスら6人の精鋭が現地へと乗り込む。部隊は敵のアジトを発見しエルサ奪還に成功するが、無線の故障により本部との連絡手段を失い、窮地に追い込まれる。出演はダイアン・クルーガー、ジャイモン・フンスーら。何も知らずに見れば、よくある米国の戦争映画だと思うだろう。それほどフランス色は薄い。一定のレベルを保ってはいるが、これをわざわざフランスが撮る必要はなかろう。

2015/05/20

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楳図かずお「へび少女」

楳図かずお画業55th記念少女フレンド／少年マガジンオリジナル版作品集 3「ひびわれ人間」「４年めがこわい」「へび少女」の3篇所収。初出はそれぞれ、マガジン、フレンド、フレンド。「ひびわれ人間」は人造人間のこと。すなわち、フランケンシュタインの怪物。ここでも少年誌ではマッド・サイエンティストもの。そして、楳図の初期の代表作にして少女ホラー漫画の金字塔、「へび少女」である。惹句の「全国の少年少女を震撼させた」に掛け値なし。本当に、当時の少年少女は恐怖に震えながらこれを読んだ。大人になった今見ると怖くもなんともないし、ほとんどギャグ漫画に近かったりもするが、あの頃は確かに怖かった。サツキとカンナの山びこ姉妹は、このあとも活躍する。

2015/05/19

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楳図かずお「半魚人」

楳図かずお画業55th記念少女フレンド／少年マガジンオリジナル版作品集 2「半魚人」と「紅グモ」の2篇所収。初出は前者がマガジン、後者がフレンド。第1巻は猫と蛇。今巻は魚と蜘蛛。マガジン連載の「半魚人」がマッド・サイエンティスト風味で、フレンド連載の「紅グモ」が吸血鬼風味。このあたりにも、少年誌と少女誌の違いが出ている。絵柄も両者で描き分けていることがわかるが、楳図本来の絵柄はやはり少女誌向けのそれようで、「半魚人」の絵柄はどこか余所行きの感じ。コマ割りも動線の使い方も、今見るともはや古典的な古さ。懐かしい。

2015/05/19

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小川洋子「ホテル・アイリス」

惹句には「少女と老人が共有したのは滑稽で淫靡な暗闇の密室そのものだった…芥川賞作家が描く究極のエロティシズム」とあるが、羊頭狗肉も甚だしい。変態を舐めているとしか思えない。これが本当に「究極のエロティシズム」だと作者が思っているのなら、真正サディスト、真正マゾヒスト、真正ロリコン、その他諸々の変態たちは、この作者を歯牙にもかけない。「滑稽で淫靡」ではなく、「滑稽」なだけ。故河野多恵子でも読んで出直して来い、小川洋子。

2015/05/18

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「トライアングル」

TV映画「トライアングル」クリストファー・スミス監督09年英・豪州。5月16日深夜放映。粗筋はgooより。友人に誘われ、ジェス(メリッサ・ジョージ)はヨットセーリングに行く。しかし、沖に出た途端、嵐に襲われヨットもろとも大海原へ投げ出されてしまう。命からがら助かった5人の前に、突然大型客船が現れ、船内を調べてみると、たった今まで人がいた形跡はあるが、なぜか人の姿が全く見えなかった。手分けして探索していると突然、覆面をした人物が現れ、抵抗する間もなく次々と命を奪われていく。ただ一人生き残り、甲板に逃げ出したジェスが見たものは、転覆したヨットから客船に向かって助けを求める自分たちの姿だった……。豪華客船内で巻き起こるループする世界を描くシチュエーション・スリラー。監督は「0:34 レイジ34フン」のクリストファー・スミス。出演は「30デイズ・ナイト」のメリッサ・ジョージ、「デイブレイカー」のマイケル・ドーマン、『シティ・オン・ファイアー』のレイチェル・カーパニ。遭難したトライアングル号の乗員が乗り込むのがアイオロス号で、ギリシア神話でアイオロスはテッサリアの王。その息子シジフォスは、冥界の女王ペルセポネとの、三日間だけ現世に戻るという約定を反故にして現世に居座ったため、巨岩を山頂まで運んでは落とされ、また運んでは落とされを永遠に繰り返す罰を受けることになった。作中で少しだけ触れられるこのアイオロス号の由来のとおり、主人公ジェスは永遠に同じ人生を繰り返す。エンドレス・リピートであることは序盤ですぐにわかるのだが、リピートのスタート地点が最後までわからない。幕開けでジェスが自閉症の息子を罵倒したり叩いたりする場面は、巧みに落としているので、まんまと騙される。ヒロインがタンクトップとホットパンツなのも、気が利いている。掘り出し物。

2015/05/18

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東野圭吾「麒麟の翼」

加賀恭一郎シリーズ第9弾。加賀は前作に引き続き、日本橋署勤務。従弟の松宮とのコンビは、前々作の「赤い指」以来。すべて三人称で記述されてはいるが、全体を通してこの松宮の視点が感じられ、彼がある意味ワトソン役を果たしている。警視庁捜査一課の刑事の方がワトソン役というのも、変な話だが。前作で父親の担当看護師だった登紀子が、今作でも登場する。キャラを使いまわしできるのはシリーズの強みで、それはマンネリと裏腹の関係にもあるが、このシリーズは安定感に繋がっている。いまだマンネリには至らず。

2015/05/17

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松江城天守、国宝指定へ

文化審議会が15日、松江城天守を新たに国宝に指定するよう文部科学相に答申した。慶事なり。戦前は国宝であったので、指定ではなく復帰とすべきかもしれないが。認められれば、国宝天守は松本城、犬山城、彦根城、姫路城に松江城が加わり、5城となる。残る現存旧国宝天守は弘前城、丸岡城、備中松山城、丸亀城、高知城の5城。現存天守はこれらに伊予松山城、宇和島城を加えて12城。すべて国宝指定して欲しいところだが、実は最優先すべきはそれら現存天守ではなく、熊本城宇土櫓。2011年2月12日撮影の松江城。古武士の風貌の松江城天守だが、角度によってかなり表情が異なることがよくわかる。

2015/05/16

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今野晴貴「ブラック企業 2」

副題は「『虐待型管理』の真相」。世間に衝撃を与えた正篇の上梓から数年、劣悪な労働環境にある会社を指す言葉、「ブラック企業」は人口に膾炙して久しい。この続篇は所謂「残業代ゼロ法案」の審議が進む中、急遽出版された様子も窺える。正篇ではワタミ、ユニクロ、すき家、ウェザニュースが標的となっていた。中でも最大の標的だったワタミは、今回も俎上に上げられてはいるが、悪名が轟いて現在では業績悪化の著しいワタミは、敵役としては存在感がなくなっている。替わりに著者の刃が向かったのは、たかの友梨ビューティークリニック。ワタミ同様、急激な業務拡大には創業者のカリスマ性が大きく寄与している。やはり、ワンマン社長が経営する会社は要注意だ、などと呑気に語っている場合ではない。他人事ではなくなってきた。著者は今回、「ブラック士業」なる新語を携えて、われわれの業界をも槍玉に挙げている。ならば著者に問おう。二重の意味で「ブラック」な全国ユニオンの実態は世に紹介せずとも良いのか。

2015/05/15

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「のんちゃんのり弁」

TV映画「のんちゃんのり弁」緒方明監督09年。5月8日深夜放映。粗筋はgooより。31歳の永井小巻（小西真奈美）は東京下町育ちの専業主婦。ある日、ダメ亭主の範朋（岡田義徳）に愛想を尽かした彼女は、娘の乃里子＝“のんちゃん”（佐々木りお）を連れて、母フミヨ（倍賞美津子）のいる京島の実家に出戻る。のんちゃんを幼稚園に入れ、仕事探しを始めるが、主婦歴が長くキャリアのない小巻に世の中は甘くなかった。受ける面接は不採用続き。やむなく、のんちゃんの幼稚園の先生でもある同級生の玉川麗華（山口紗弥加）の紹介で、水商売のアルバイトを始める。だが、セクハラに遭って喧嘩した末、早々に辞めてしまう。なけなしの貯金も底をつき、焦りだけが空回り。自暴自棄寸前のところへ範朋が現れて、離婚には絶対に応じないと主張。小巻やのんちゃんの周りをうろつく。だがその一方で、初恋の同級生、川口建夫（村上淳）と16年ぶりに再会。互いに惹かれあっていく。そんな中、資格もこれといった職歴もない小巻の唯一の才能が開花する。それはお弁当作り。娘のために作ったのり弁が幼稚園で大評判になり、大人たちにも作るようになったのだ。あまりの美味しさから、タダでは申し訳ないと、お金を集めて持ってくる麗華。これに感激した小巻は、自分で“安くて美味しい最高のお弁当屋を開く”ことを決意。早速、小料理屋“ととや”の主人・戸谷（岸部一徳）に、弟子入りを志願する。困惑する戸谷だったが、熱意に負けて弟子入りを許可。やがて、料理だけではなく、働くことの意味や生きることについて、厳しくも温かい言葉で小巻を支えるようになってゆく。食品衛生責任者免許も取得し、目標に向かって奮闘する小巻だったが、店をオープンするための資金が貯まらない。困った小巻に、戸谷さんがお昼だけ“ととや”を貸してもいいと申し出る。さらには、建夫が“一緒にお弁当屋をやらないか”とプロポーズ。話が急展開する中、のんちゃんがいなくなったと幼稚園から連絡が入り大騒動に発展する……。な～んも考えずに生きてきた３１歳子持ち女子。人生かけた再出発！きっかけは、お弁当！？「いつか読書する日」の緒方明監督が、入江喜和の同名コミックを映画化。これは漫画が原作だが、監督自身の原案だった「いつか読書する日」と雰囲気がよく似ている。どちらの出来が良いかというと、後者に軍配が上がる。それは田中裕子と小西真奈美の差でもある。と同時に、両者のキャラ設定の差でもある。現実を知らずに周囲を振り回す小西に、感情移入は出来ない。連ドラが適当。映画である必然性が感じられない。

2015/05/13

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東野圭吾「白銀ジャック」

どうやら、縮小再生産は確実に始まっているようだ。ありありとデジャヴュ。これが受注過多による、単なる「やっつけ仕事」の結果ならまだしも、才能が枯渇したことによるのなら問題だ。プロット、キャラ設定、トリック等、悉く甘い。物語が終わってしまうことが悲しくて、読み進むことを躊躇する気持ちすら湧いて来た、かつての傑作群の面影はなく、どんどん読み進んで行けた。

2015/05/11

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東野圭吾「プラチナデータ」

「カッコウの卵は誰のもの」に漂っていた「やっつけ仕事」感が、さらに強まった。多重人格もデータ改竄も、東野自身の過去の作品で何度もお目にかかっている。同じテーマを何度も焼きなおして、自ら劣化コピーを続ける縮小再生産が、遂に東野にも始まったのか。SFにミステリーの要素（たとえば、「ブレードランナー」でレプリカントを追う刑事。）を加えるのは問題ないが、逆のパターンでミステリーにSF要素を持ち込むと、たいてい陳腐になる。この作品を読んで、つくづくそう思った。

2015/05/10

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「トータル・リコール」

TV映画「トータル・リコール」レン・ワイズマン監督12年米。5月8日放映。粗筋はgooより。近未来、“記憶”は簡単に売買されるようになっていた。大きな戦争を経て正常な環境を失った世界で、人々はわずかな土地を、裕福なブリテン連邦と貧しいコロニーという2つの地域に分けて暮らしている。退屈な日常に飽き、刺激を欲した人々は、人工記憶センターであるリコール社の人工記憶を買って不満を解消していた。コロニーで暮らす工場労働者のダグラス・クエイド（コリン・ファレル）も、来る日も来る日も工場で働く日々にふと嫌気がさし、リコール社を訪れる。しかし、彼が記憶を植えつけようとしたとき、突然、ブリテン連邦のロボット警官隊が襲撃してくる。クエイドは自分でも知らなかった戦闘能力を発揮して逃げ切るが、帰宅すると今度は彼の妻ローリー（ケイト・ベッキンセール）が襲ってくる。ローリーはクエイドに、記憶を消されて新しい記憶を植え付けられただけで、この世にダグラス・クエイドという人物は存在しない、と告げる。ローリーを振り切ったクエイドは、行く先で数々の謎のメッセージを受け取り、メリーナ（ジェシカ・ビール）と出会う。メリーナは信用できるのか？　自分は誰なのか？　クエイドはその答えを見つけられないまま、ブリテン連邦とコロニーの運命を握る戦いに巻き込まれていく。アーノルド・シュワルツェネッガー主演で映画化されたこともある、SF作家フィリップ・K・ディックの小説を、『ダイ・ハード4.0』のレン・ワイズマンがコリン・ファレルを主演に迎え映画化したSFサスペンス・アクション。記憶が売買できる近未来を舞台に、自らに秘められた謎や巨大な陰謀に立ち向かう男の姿が描かれる。ディックの原作は短篇なので、どちらにしても話を膨らまさなければ映画には出来ないのだが、それにしてもポール・バーホーベン版（というより、シュワルツェネッガー版といった方がいいのかも。）とはまるで違う話になっている。もっとも、バーホーベン版の方は、宙港で太ったおばさんが輪切りになってシュワに変る場面くらいしか覚えてないのだが。その宙港のシーンは、今作では場所をブリテンとコロニーを結ぶ「ザ・フォール」の入管に変更して再現されており、太ったおばさんが出て来たのであれをやってくれるのかと思いきや、コリン・ファレルはおばさんではなく男に化けていていた。「ブレードランナー」をはじめ、過去のSF映画を片っ端からパクっている印象は否めない。

2015/05/09

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ピアノ・レッスン #2-79

このテキストは亡き王女を2週間でマスターすることになっているので、折り返し点まで到達した。この胸突き八丁、左右ともに和音で、しかも左スタカート、右テヌートと、左右で違う動きを要求される。最も苦手なパターン。

2015/05/07

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Amazonから

TODD RUNDGREN, EMIL NIKOLAISEN & HANS-PETER LINDSTROM / Runddansどこの誰だかわからないが、名前からして北欧系と思われる二人とトッドのコラボ。疾走感のある心地良いシンセに、部分的にトッドの声が絡む。全体の2割から3割程度しかフィーチャーされていないドラムスは、ベアズビル時代のあの音に近い。ここ数年のギター・オリエンテッドな音作りより、断然こちらの方が良い。

2015/05/07

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東野圭吾「カッコウの卵は誰のもの」

東野得意の、スポーツ界を舞台とするミステリー。「得意の」とは書いたものの、実は東野がこの分野で残している作品には駄作、とまでは言わないが、他の傑作群に比べると一段落ちるものが多い。この作品もそのひとつで、すべてにおいて緩い。そこはかとなく「やっつけ仕事」感が漂う。文章のリズムもよくない。

2015/05/07

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「ウェイトレス～おいしい人生のつくりかた」

TV映画「ウェイトレス～おいしい人生のつくりかた」エイドリアン・シェリー07年米。4月17日深夜放映。粗筋はgooより。アメリカ南部の田舎町。ジョーズ・ダイナーのウェイトレス、ジェンナ（ケリー・ラッセル）はパイ作りの天才。楽しいことで気分が盛り上がったり、嫌なことで落ち込んだりすると、新しいパイのアイデアがひらめくのだ。そして、そのパイは食べた人全てを幸せな気分にする、と大評判。いつかオシャレなパイ専門店を開くことを夢見ている彼女は、少しずつヘソクリを貯めている。しかし、現実は横暴なダメ亭主アール（ジェレミー・シスト）に縛られて、その夢を諦めかけているところ。ついにアールに愛想を尽かしたジェンナは、自分の夢をかなえようと隣町のパイコンテスト出場のために家出を計画。しかしその矢先、自分の妊娠が判明。アールの子供を望まない気持ちと、中絶することへの抵抗感の板挟みに悩むジェンナ。仲良しのウェイトレス仲間、ドーンとベッキーから励ましを受けても自信をなくしていくばかり。そんな中、挨拶代わりに持参したマシュマロ・パイがきっかけで、ジェンナは産婦人科医のポマター（ネイサン・フィリオン）と恋に落ちてしまう。望まない子供が生まれてくる不安と、母親になることへの自信のなさから逃れるため不倫関係にはまっていくジェンナ。そしてある日、コツコツ貯めていたヘソクリがアールに見つかってしまう。とっさに赤ちゃんのための貯金だったと言い訳をしたために、ジェンナの夢を叶えるはずのお金は出産準備に使われてしまう。いよいよ絶望と将来への不安に追い詰められた彼女は、ポマターとの駆け落ちを決意。しかしそのとき、お腹の中の赤ちゃんがまさに生まれてこようとしていた……。若い女性の結婚、妊娠、自立をテーマにした心温まるコメディ。食欲をそそるカラフルなパイを全編にちりばめ、人生の夢を忘れかけたヒロインの奮闘をつづる。監督のエイドリアン・シェリーは、ドーン（眼鏡のウェイトレス）役として出演もしている。映画完成後に亡くなったそうで、これが遺作となった。彼女は「メグ・ライアンの男と女の取扱説明書」の脚本を書いているが、映画自体はともかく、少なくともあの脚本には非凡な才能が窺えたので、パイが美味しそうに見えるだけで他に取り柄のないこんな凡作が遺作となったのは残念。

2015/05/07

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「アニー」

TV映画「アニー」ジョン・ヒューストン監督82年米。3月7日深夜放映。粗筋はgooより。不景気の1930年代のアメリカ。気のめいるような日々の繰り返しだったが、誰もが、もしかしたら、少しは良くなるかもしれない、明日になれば…と夢みていた。孤児のアニー（アイリーン・クイン）も明日を夢みていた。孤児院を管理しているミス・ハンニガン（キャロル・バーネット）は悪い人ではないが、酔っ払いでむら気で、年中酒くさい息を吹きかけながら少女たちにあたり散らしている。ある日、アニーは脱走に成功。悪ガキたちにいじめられている老犬を助け、サンディと名付けた。だが、アニーは警官につかまり孤児院に逆もどり、サンディもソーセージ工場行きという時、思わぬ訪問者が現われた。億万長者ウォーバックス（アルバート・フィニー）の秘書グレース（アン・ラインキング）で、ウォーバックスは金の亡者という世間のイメージを良くするため、孤児の1人を週末だけ招待しようというのだった。グレースは一目みるなり、アニーが気にいる。かくして、アニーとサンディは五番街にある豪華なウォーバックス邸の客となった。魔法も使える用心棒プンジャブを始め、召使いの大隊が彼女を暖かく迎えてくれた。ところが、ウォーバックス自身は男の子を望んでいたのでむっつりとしている。しかし、その夜遅くサンディが曲者のしかけた爆弾から彼の命を救ったことで、とにかくアニーは滞在できることになった。金儲けしか興味のなかったウォーバックスの心境が少しずつ変化していき、ある時はみんなで、グレタ・ガルボ主演の「椿姫」を見に行ったりした。ウォーバックスはアニーを養女に望んだが、本当の両親と暮らす夢を捨てていないアニーは承知しなかった。そこで、ウォーバックスは5万ドルの賞金をつけ、アニーの両親探しを始めた。邸には両親を自称する人々が押しかけた。その中にはミス・ハンニガンの弟で小悪党のルースターと愛人リリー（バーナデット・ピータース）もいた。2人は姉とグルになり、実は何年も前に死亡しているアニーの両親の残したロケットの片われを持参したので、ウォーバックスもアニーと5万ドルの小切手を渡さざるを得なかった。だが、孤児たちの通報で事実を知ったウォーバックスは、ＦＢＩ、警察に出動を要請し、自分もグレースと車にとび乗った。車に乗せられたアニーはハネ橋のところで、小切手をひったくって逃げ出し、その後をルースターが追いかける。危ういところでアニーは、プンジャブに救い出される。その後、盛大なパーティーが催され、孤児たちもミス・ハンニガンも、ＦＤＲことフランクリン・デラノー・ローズベルト大統領も招かれた。アニーには今やかけがえのないパパとなったウォーバックスと未来のママ、グレースがいた。ウォーバックスにとって、金や権力はすっかり価値を失っていた。明日になれば、もしかしたら、世の中がもっと素敵になるのではと、みんな思っていた。夜空には美しい花火がいくつも光を散らしていた。不況時代のアメリカで元気いっぱいに生きる赤毛の孤児アニーの物語。1924年にハロルド・グレイが創作した漫画「小さな孤児アニー」を基にして、77年にブロードウェイで上演されたヒット・ミュージカルの映画化。製作はレイ・スターク、エグゼクティブ・プロデューサー兼音楽シークェンス創造者はジョー・レイトン。監督はミュージカルは初めてのジョン・ヒューストン。脚本とアソシエイト・プロデューサーをキャロル・ソビエスキーがつとめ、撮影をリチャード・ムーア、作曲をチャールズ・ストラウス、作詞をマーティン・チャーニン、編曲・指揮をラルフ・バーンズ、振付をアーリン・フィリッブスが担当している。出演は8000人のなかから選ばれたアニー役のアイリーン・クインの他に、アルバート・フィニー、キャロル・バーネット、バーナデット・ピータース、アン・ラインキングなど。同時に日本語ダビング版でも公開される。こちらは東北新社とブロダクションＮＯＶＡが製作に当り、木原たけしが翻訳、片桐和子が訳詞を手掛けている。声の出演者は次の通り。上條恒彦（ウォーバックス）、今陽子（グレース）、藤田淑子（ハンニガン）、天地総子（リリー）、尾藤イサオ（ルースター）、内海賢二（プンジャブ）、黒沢良（ＦＤＲ）、そして、アニーの歌を高岡知也、台詞を片岡身江が吹き替えている。監督がジョン・ヒューストンということで、今にもハンフリー・ボガートが出てきそうな雰囲気だが、驚いたことに80年代の作品。60年代の映画と見紛う古さ。自分がミュージカル嫌いであることを差し引いても、これがミュージカル映画として成功しているとは思えない。最後の大活劇も意味不明。歌う必要があるからか、アルバート・フィニーの吹き替えは上條恒彦。

2015/05/07

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ピエール・ルメートル「死のドレスを花婿に」

Pierre Lemaitre "Robe de marie"デビュー作「丁寧な仕事」に続く第二作。「その女アレックス」以前に翻訳されていた唯一の作品で、「その女アレックス」の大ヒットを受けて、今回文庫化された。カミーユ・ヴェルーヴェン警部は登場しない。参考までに、既存のルメートル作品を列挙しておく。Travail soigne（ヴェルーヴェン警部もの）Robe de marieCadres noirsAlex（ヴェルーヴェン警部もの）Les Grands Moyens（ヴェルーヴェン警部もの）Sacrifices（ヴェルーヴェン警部もの）Au revoir la-hautRosy et John（ヴェルーヴェン警部もの）「その女アレックス」のあの衝撃には一歩譲るにしても、今作のどんでん返しも凄まじい。夫婦ともに順調にキャリアを積んで、何不自由なく暮らしていたはずのソフィーの人生は、ある時点から転落の一途を辿る。はじめは物忘れが目立つ程度のことであったが、重大なミスを犯して職を失い、義母の死、夫の事故死と不幸に見舞われ、遂には殺人にまで手を染めることになった。逃亡を続けるソフィーは他人の戸籍を裏取引で入手するが、その戸籍は3ヶ月しか使えない。その間に誰かと結婚して籍を移し、「ソフィー」の痕跡を消す。そのためにソフィーは、結婚紹介所で相手を物色する。以下、ネタバレあり。ソフィーを転落に導いていたのも、ソフィーが殺したと思っていた殺人の犯人も、ストーカーであった。ストーカーのフランツは、ソフィーの家の向かいに部屋を借りて24時間監視できる体制を整え、続いて鍵を入手。自由に出入りできるようになると、隠しマイクを仕掛け、ソフィーのケータイにGPSを組み込み、PCのメールを操作し、薬物を混入してソフィーを鬱状態にし、じわじわと着実にソフィーを追い詰めていった。ここまではまだ想定の範囲内であるが、驚天動地の瞬間はその後にやってくる。結婚紹介所でソフィーが選んだ結婚相手こそがそのストーカー、フランツであると明かされたとき、読者の誰もが腰を抜かす思いをするはず。フランツの母親の精神科の主治医がソフィーの母親で、母親の自殺の原因が主治医にあると逆恨みしたフランツが、ソフィーの母親を殺害する計画を立てたのが事の発端。ソフィーの母親がすでに死亡していることを知ったフランツは、狙いを娘のソフィーに変更したのだった。ソフィーの父親の機転により、フランツは、幼少時の彼が母親から精神的に虐待されていたというでっち上げの報告書を信じてしまう。フランツは精神崩壊。結末には驚かない。白眉は第二章の最終頁。

2015/05/06

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「バトルシップ」

TV映画「バトルシップ」ピーター・バーグ監督12年米。5月3日放映。粗筋はgooより。ハワイ沖。アメリカをはじめとする世界各国の自衛艦が集結して大規模な軍事演習が行われるなか、沖合に正体不明の巨大な物体が出現する。それは、地球からの友好的な呼びかけに応じて飛来したエイリアンの母船だった。しかし、呼びかけを行った科学者たちの意図とは裏腹に、エイリアンは次々と未知の武器を繰り出し、激しい攻撃を仕掛けてくる。その戦いの最前線に立たされたのは、演習に参加していた米海軍の新人将校アレックス・ホッパー(テイラー・キッチュ)と、彼がライバル心を燃やす自衛艦の指揮官ナガタ(浅野忠信)だった。弱点も戦略も読めないエイリアンに対し、知力と体力の限りを尽くして立ち向かう海の精鋭たち。果たしてエイリアンの攻撃の目的は何なのか。アレックスとナガタはそれを阻止することができるのか。そして、彼らは地球を壊滅の危機から救うことができるのだろうか……。ユニバーサル映画100周年を記念して製作されたアクション巨編。超好戦的なエイリアンを相手に、人類の存亡をかけた闘いを迫真の海戦シーン満載で描く。監督は『ハンコック』のピーター・バーグ。『マイティ・ソー』でハリウッド進出を果たした浅野忠信が、自衛艦のカリスマ指揮官という重要な役どころで出演している。別の星系から宙航してきたくせに、いまだ自星の衛星にしか到達していない科学力の地球の武器に、あっさりやられてしまうエイリアンって…。エイリアンのコンセプトやデザインには想像力の欠片も感じられないが、戦闘場面の迫力は凄まじい。このCGで、支か露、あるいはその両者の同盟軍とNATOプラス日本との、核なし第三次世界大戦を描けばよかったのではなかろうか。陳腐なエイリアンは抜きで。浅野忠信は予想に反して主役級の扱い。しかし、いつものように無表情で台詞棒読み。ある意味、まったくぶれていない。AC/DCの音楽は、この内容ならよく合っている。

2015/05/06

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「ワンス・アンド・フォーエバー」

TV映画「ワンス・アンド・フォーエバー」ランド・ウォレス監督02年米。4月11日深夜放映。粗筋はgooより。1964年。ジョージア州フォート・ベニングにあるアメリカ陸軍基地。ベトナムへ赴く兵士たちのリーダーとして選ばれたハロルド・Ｇ・ムーア中佐(メル・ギブソン)には、妻のジュリー(マデリーン・ストゥ)と5人の子供たちがいた。基地では、ベトナム戦争への本格参戦に向けて、プラムリー上級曹長(サム・エリオット)を右腕に、ムーア中佐に率いられた新兵たちの訓練が続いていた。兵士の中には、父親になったばかりの若き少尉ジャック・ゲイガン(クリス・クライン)もいた。そして、ついに出兵の時が来た。ベトナムに向かう前、ムーア中佐は部下とその家族に誓った。「我々が戦いに望んだ時、私は戦場に踏み出す最初の者となり、戦場から退く最後の者となろう。誰ひとり置き去りにしたりはしない。生きていようと死んでいようと、我々は全員そろって家路につく。」そして1965年11月14日、米陸軍中佐ハル・ムーア率いる400名の部隊は、クランドール中佐(グレッグ・キニア)の果敢な操縦によって、南ベトナム中央高地「死の谷」と呼ばれるベトナムのイア・ドランX―レイ地点に辿り着く。しかしアン中佐(ドン・オズン)に率いられる北ベトナム兵2000人に包囲され苦戦をしいられる。ＵＰＩ通信の特派員ジョー・ギャロウェイ(バリー・ペッパー)は撮影に来るが戦闘中と言う事で銃を持ち戦うことになってしまう。また、アメリカにいる妻達は、イア・ドランで命を落とした兵士達の死亡を伝える計報が届きそれがタクシーによって届けられている事を知り、ジュリーを初め自らの手で届けることを決意する。激戦するこの戦いも「ブロークン・アロー」サインで終盤を迎える。ムーア中佐はその言葉通り、誰一人おきざりにせず、イア・ドランの地を最後に退いた。全米ベストセラー・ノンフィクション小説をメル・ギブソン主演で映画化。ベトナム戦争初期、最前線に赴いたヘリ部隊の３日間の戦いと残された家族の姿をリアルに描く。ベトナム戦争映画の金太郎飴。21世紀に入ってもまだこんなのを撮っていた。米軍上層部の現場を無視した理不尽な命令、銃後を守る夫人たち、北ベトナム軍の一兵士の描写などをちりばめて、米軍が自国の領土でもなんでもない、東南アジアの地で戦闘行為を働いていること自体の矛盾を糊塗しつつ、世界の平和を守るために米軍はこんなに苦労していると声高に主張。この欺瞞を、これまでどれだけ見せられてきたことか。技術の進歩で、戦闘場面の迫力だけは過去の作品に比べて増している。いっそのこと、戦闘場面だけの純アクション映画である方が、よほどすっきりする。作中でカスター将軍を英雄扱いしているが、アメリカ原住民、所謂インディアンを虐殺する者こそが英雄である西部劇と今作に、何ら変りはない。

2015/05/06

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宮西計三「エステル」

1990年8月、ペヨトル工房発行。収録されている各作品は、80年代の半ばから後半にかけて発表されたもの。発表誌が何かは不明だが、あるいは亀和田武の「劇画アリス」か。行き過ぎた自主規制で、表現の幅が必要以上に狭くなっている今の漫画界では、おそらくこの作品は出版できないだろう。単に性器を描いているというだけで、その高い芸術性までが全否定されてしまうのだから。山野一「四丁目の夕日」での、口淫が過ぎて男性の股間にその頭部が生える形となってしまった女の図は衝撃的だったが、今作での、頭部が亀頭そのものの男の図には、衝撃とともにどこか爽快感が漂う。

2015/05/05

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「CMタイム」

TV映画「CMタイム」久保田誠二監督11年。4月18日深夜放映。粗筋はgooより。広告代理店・電報堂の社員・三上（豊原功補）は、スポンサーのタイガードリンクに対してプレゼンテーションを行っている。三上はタイガードリンクの新商品“9”のCMに、演歌歌手の城之内つばめ（黒木瞳）、ヒップホップスターのレオナルド八田（加藤和樹）、時代劇俳優の大菩薩金五郎（中村嘉葎雄）の3人を起用するというプランを提案する。城之内つばめの大ファンである宣伝部部長の高木（モト冬樹）は、そのプランを採用する。高木が城之内つばめのファンであることを、三上はリサーチ済みだったのだ。しかし、城之内つばめと大菩薩金五郎はなにやら過去に因縁があり、犬猿の仲だった。CMの撮影日当日、険悪な雰囲気の城之内つばめと大菩薩金五郎に、三上やその部下の真理（本仮屋ユイカ）はさんざん振り回される。さらに、レオナルド八田が新興宗教の広告塔だったという問題も発生し、撮影スタジオはますます混乱していく。こんな状況で、CMは無事に撮影できるのか……？黒木瞳がわがままな演歌歌手に扮するなど、良くも悪くも個性的な各ジャンルのスターたちが、CM撮影でトラブルを巻き起こす姿を描くコメディ。時代劇俳優を中村嘉葎雄、ヒップホップスターを加藤和樹が演じるなど、ユニークな顔ぶれがそろった。監督の久保田誠二は広告業界出身だけに、業界ならではの裏事情も描かれる。出演は黒木瞳、豊原功補、加藤和樹、本仮屋ユイカ、鈴木蘭々、中村嘉葎雄、モト冬樹ら。黒木瞳は昔NHKで、ママさんバレーのコメディーに主演していたが、これとどちらが先なのか。つまり、彼女が新境地を開いたのは今作でなのか、NHKのドラマでなのか。それによって両者の評価も変ってくる。誇張とデフォルメが激しいとはいえ、CM撮影の手順はこんな感じなのだろう。

2015/05/04

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東野圭吾「新参者」

加賀恭一郎シリーズ第8弾。加賀は前作までの練馬署から日本橋署に異動。なので、「新参者」。第2章くらいまでは、読者は宮部みゆき風に最後に人情でオチをつける連作短篇と思うはず。次章あたりから、時間軸上は第8章までのすべての章が同時進行しており、終章たる第9章で収束する、変則的な長篇であることがわかる。加賀はかつて警視庁の捜査一課にいたとき、ある殺人事件の裁判で弁護側の情状証人として出廷したことがきっかけで、所轄に異動させられたという記述がある。この殺人事件は「眠りの森」なのか「悪意」なのか、どちらだろう。加賀は第2弾の「眠りの森」までは警視庁で、次の「どちらかが彼女を殺した」から練馬署。第4弾の「悪意」では警視庁に戻っているが、次の「私が彼を殺した」では再び練馬署に異動している。

2015/05/03

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「ALWAYS 三丁目の夕日'64」

TV映画「ALWAYS 三丁目の夕日'64」山崎貴監督12年東宝。5月1日放映。粗筋はgooより。昭和39年(1964年)。オリンピック開催を控えた東京は、ビルや高速道路の建築ラッシュとなり、熱気に満ち溢れていた。そんな中、東京下町の夕日町三丁目では、5年前と変わらず、個性豊かな住民たちが元気に暮らしていた。小説家の茶川竜之介(吉岡秀隆)は、ヒロミ(小雪)と結婚し、高校生になった古行淳之介(須賀健太)と3人で仲良く生活している。茶川商店の一角は改装され、ヒロミがおかみを務める居酒屋「新山藤」となった。ヒロミは身重で、もうすぐ家族が一人増える様子。だが茶川は「冒険少年ブック」の看板作家として連載を続けているが、新人小説家の作品に人気を奪われつつあった。編集者の富岡(大森南朋)から「もっと新しい雰囲気で」と言われ、茶川はますますスランプに陥っていく。一方、鈴木則文(堤真一)とその妻・トモエ(薬師丸ひろ子)、一人息子の一平(小清水一揮)、住み込みで働く星野六子(堀北真希)が暮らす鈴木オートは、順調に事業を拡大し、店構えも立派になった。六子にも後輩の従業員ができ、厳しく指導をする姿はすっかり一人前。彼女無しでは鈴木オートの仕事は回らないほどであった。そんな六子は、毎朝おめかしをして家を出て行く。それは、通勤途中の医者・菊池孝太郎(森山未來)とすれ違い、朝の挨拶をかわすためだった。六子のほのかな恋心を温かく見守るのは、大田キン(もたいまさこ)。そして小児科医・宅間史郎(三浦友和)は、今日も町の人のために診療を続けている。そんな折、茶川が隠していた、とある電報をヒロミが見つけてしまう……。西岸良平の漫画を原作とした『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ第3弾。大ヒットした1作目から監督・脚本・VFXを手がける山崎貴が、東京オリンピックに象徴される昭和39年の空気感を最新CGで再現。吉岡秀隆、堤真一、小雪など、おなじみのキャストが集結。森山未來、大森南朋など演技派ゲストを迎え、下町人情ドラマを展開する。悪評にまみれている森山は実は良い人、緑沼の正体は須賀、米倉は誰よりも吉岡のことを気にかけていた、吉岡が一芝居打つよう大森に頼んだ等々、すべて予定調和。それでも泣けてくる、安定の第三作。ただ、CGの質は前作、前々作に比べて落ちているように見える。新幹線のホームのシーンなど、書割に見えた。

2015/05/03

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「バンディダス」

TV映画「バンディダス」ヨアヒム・ローニング＆エスペン・サンドベリ監督06年米・仏・メキシコ。4月10日深夜放映。リュック・ベッソン製作＆脚本！美女たちがお色気たっぷりの無法者に扮したセクシー・ガンアクション。民衆を救うため銀行強盗になった娘たちと科学捜査官らの戦い！1848年のメキシコ。鉄道敷設のため、ニューヨーク銀行は周辺の銀行を買い漁り、借財のある農民たちを次々に追い出していた。そんななか、立ち退きを命じられた農民の娘・マリアは、ニューヨーク銀行に雇われた暗殺者によって父親を奪われてしまう。暗殺者の目的は、新しい銀行の建設。騙されたと知ったニューヨーク銀行の頭取も殺され、娘のサラが取り残される。育ちの違いから初めは反発しあうマリアとサラだが、父親たちの復讐を遂げ、土地を取り上げられた民衆を助けるために、銀行強盗になることを思いつき…。出演はペネロペ・クルス、サルマ・ハエック、スティーヴ・ザーン、ドワイト・ヨーカム、デニス・アーントら。フランス人のリュック・ベッソンが脚本を書いて製作しているとあって、なんとも奇妙な西部劇となっている。昔の日活アクション映画にも、冷静になって見ればかなり変な西部劇があったのと同じか。ペネロペとサルマのエスニック美女二人に、マイケル・J・フォックスそっくりのスティーヴ・ザーンが加わったトリオはいい味を出しているが、敵役に魅力がない。ペネロペ主演でありながら本邦未公開で、よほどひどい出来なのかと思っていたら、そうでもなかった。

2015/05/02

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炬燵撤去

去年は5月3日に撤去している。旅行に行かないと、自然と同じ時期になるようだ。炬燵布団がなくなるとすっきりするが、このLANケーブルの束だけは如何ともし難い。邪魔。こっちは炬燵とは関係なく、一年中電子ピアノが机を殺している。当然、勉強できない。

2015/05/02

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