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2004年09月11日
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テーマ:法律(467)
カテゴリ:刑事訴訟法



民事訴訟の場合、およそあらゆるものが証拠となりえました。
というのは、民事訴訟は財産が争いになりますから、
仮に証拠が偽造したものであってそれにより敗訴したとしても
偽造した人を相手取って損害賠償を求めれば何とかなってしまう
からなのです。
誤解を恐れずに言えば、民事訴訟の場合、証拠に間違いがあっても
財産を失うだけなので、あとで改めて失った財産を
返してもらえば足りるということなのです。

しかし、刑事訴訟の場合、証拠が偽造されたもので
間違った裁判がなされた場合、最悪死刑になってしまいます。
死刑となった後、「後であれは間違いでした」とお金を積まれても
失われた命は返って来ません。
死刑でなくとも1年でも刑務所に入れられたらその時間的
損害は重大です。
なので、刑事訴訟においては証拠はかなり厳重に吟味しなくてはなりません。
そこで、刑事訴訟においては証拠にも裁判に提出する価値のある「証拠能力」という概念を持ち込み、予め裁判に提出してよい証拠と提出してはいけない証拠とを分類します。

具体的には証拠能力とは、
1、自然的関連性があり
2、法律的関連性があり、
3、証拠禁止にあたらない
こといいます。
しかし、言葉が抽象的過ぎてよくわかりませんね。
なので、もう少し詳しくお話します。

1自然的関連性とは、証明しようとする事実に対する必要最小限度の証明力があることを言います。
そして、「証明力」とはその事実に対する証拠の価値を言います。
例えば三島さんの刺殺体が発見された事件において、
清水君の指紋がついてる血の付いたナイフは、清水君が殺人犯であることを強く裏づけますから「証明力が強い」と言います。
しかし、誰の指紋もついておらず、血も付いてない完全に未使用のナイフは清水君が殺人犯であることの裏づけにはほとんどなりませんから、「証明力が弱い」と言います。
この証明力が弱くなって0になることを「自然的関連性が無い」と言います。
例えば、三島さんの刺殺体が発見された事件において、
仮に清水君の家から毒薬が発見されたとしても刺殺事件においては
何の裏づけにもなりませんから毒薬は「自然的関連性が無い」と言います。
つまり、三島さん殺人事件の裁判で清水君の持っていた毒薬を
裁判に提出することはできません。

次に、2法律的関連性とは自然的関連性があってもその証明力の評価を誤らせるような事情があればやはり裁判に提出してはいけないと言うことです。
例えば、三島さん刺殺事件において、清水君の家から「将来は殺し屋になりたい」と書かれた卒業アルバムが発見されました。
この場合、この卒業アルバムは証拠能力があるでしょうか。
仮にも人殺しになりたいという内容の文章である以上、
三島さん殺人事件についても何らかの裏づけにはなると言えてしまい、
自然的関連性はあることになります。
しかし、冷静に考えると、卒業アルバムに書いたからといって
それが必ず実現するわけではありませんし、まして「殺し屋」なんて冗談で書いたとしか思えません。
でも、この卒業アルバムがテレビとかで流されたらどうでしょう「ああ、やっぱりね。殺人犯になるような奴は昔からどこかおかしいもんだ」なんて思う方もおられるのではないでしょうか。
つまり、冷静に考えれば無関係のはずなのに、パッと見ではそれなりの説得力をもってしまう証拠とは意外と多いのです。
刑事裁判ではそのような冷静に考えれば無関係な証拠を排除しなくてはなりません。
そこで、2法律的関連性という条件によって
冷静に考えれば無関係のはずなのに、パッと見ではそれなりの
説得力をもってしまう証拠、つまり証明力の評価を誤らせるような事情をもつ証拠は排除しなくてはなりません。

最後に3です。証拠禁止とは1・2に問題が無くてもその証拠を収集する手続に違法があればやはりその証拠は裁判に提出できないというものです。
例えば、三島さん刺殺事件で、清水君の家から、清水君の指紋つきで三島さんの血液のついたナイフが発見されたとします。
これが、自然的関連性・法律的関連性を有するのはあきらかでしょう。
しかし、その際に令状がなかったらどうなるでしょう。
刑事ドラマでも良く見るとおり、捜索(ガサいれ)には令状が必要です。条文もあります。

第二百十八条
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、犯罪の捜査をするについて必要があるときは、
裁判官の発する令状により、差押、捜索又は検証をすることができる。
(以下略)


つまり、このナイフを収集する手続には違法があったということになり、このナイフは裁判には出せません。
とすると、有力な物証が無いことになりますから、裁判で清水君は
無罪になる可能性が極めて高いことになります。
これはどうでしょう、おそらく真犯人であろう清水君を取り逃がすことになります。
しかし、これはやむを得ません。
正しい手続を採ることは憲法の要請です。

憲法第三十五条
何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、
第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、
且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
○2  捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。


憲法を踏みにじってまで、真犯人を捕まえるべきではないと考えられているのです。
また実質的に考えても無令状で捜索をされては国民は安心して生活できません。
なので真犯人を捕まえるということからすれば少々不合理でも
証拠禁止という条件は必要なのです。

今日は長かったですね。お疲れ様でした。










最終更新日  2004年11月17日 20時41分24秒
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