000000 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

法律なんて怖くない!

PR

全2件 (2件中 1-2件目)

1

商法

2005年02月25日
XML
テーマ:法律(465)
カテゴリ:商法

ライブドア・フジテレビ間の株問題について2

新株予約権の差止めって?


今回の株問題でまた新しい動きが出てきました。
ニッポン放送がフジテレビに対し、新株予約権を割り当てようとしたのに対して、ライブドアがその新株予約権の割り当てを差し止めるよう申請する見込みのようです。
新株予約権というのは商法の範囲ですから、今日もこれについてお話しようと思います。

まず、新株予約権の条文をどうぞ。

第二百八十条ノ十九  
新株予約権トハ之ヲ有スル者(以下新株予約権者ト称ス)ガ会社ニ対シ之ヲ行使シタルトキニ会社ガ新株予約権者ニ対シ新株ヲ発行シ又ハ之ニ代ヘテ会社ノ有スル自己ノ株式ヲ移転スル義務ヲ負フモノヲ謂フ

早い話、新株予約権とは文字通り株の予約権なのです。
今すぐは株を買わないけど、いずれ株を買うから予約だけさせてねというのが新株予約権です。普通の商品の予約と同じですね。

さて、その新株予約権の割り当てを差し止めるというのはどういうことでしょうか。まずは条文をどうぞ。

第二百八十条ノ三十九  
○1 第二百三条第二項及第三項ノ規定ハ新株予約権ガ数人ノ共有ニ属スル場合ニ之ヲ準用ス
○2 第二百八条ノ規定ハ新株予約権ノ消却アリタル場合ニ之ヲ準用ス
○3 第二百二十条ノ七第六項ノ規定ハ新株予約権ノ行使ニ因リテ会社ガ自己ノ株式ヲ移転スル場合ニ之ヲ準用ス
○4 第二百二十二条ノ二第三項、第二百八十条ノ十及第二百八十条ノ十一ノ規定ハ新株予約権ヲ発行スル場合ニ之ヲ準用ス

280条の10を準用するとありますよね。そこで、280条の10をご覧下さい。

第二百八十条ノ十  
会社ガ法令若ハ定款ニ違反シ又ハ著シク不公正ナル方法ニ依リテ株式ヲ発行シ之ニ因リ株主ガ不利益ヲ受クル虞アル場合ニ於テハ其ノ株主ハ会社ニ対シ其ノ発行ヲ止ムベキコトヲ請求スルコトヲ得

「会社ガ法令若ハ定款ニ違反シ又ハ著シク不公正ナル方法」
の場合は差止めできるとありますね。
では、一体どういうことが
「会社ガ法令若ハ定款ニ違反シ又ハ著シク不公正ナル方法」
なのでしょうか。
このような判例があります。
「支配権につき争いがある場合に、従来の株主の持ち株比率に重大な影響を及ぼすような数の新株が発行され、その第三者割り当てが、特定の株主の持ち株比率を低下させ現経営者の支配権を維持することを主要な目的としてされた時はその新株発行は不公正発行にあたり、また、その主要な目的が右のところにあるといえなくても、特定の株主の持ち株比率が著しく低下させるだけの合理的な理由が無い限り、不公正発行に当たる。(忠実屋いなげや事件・東京地判平成元年7月25日)」


つまり、新株を発行しようとする際の主な目的が特定の株主の持ち株比率を下げる目的であってはならないし、そのような目的が無いとしても特定の持ち株比率が下がるような新株発行はよほどの理由が無い限り許されないとされているのです。
と言うことは本件ライブドアの「私の持ち株比率が下がる」と言う主張と、ニッポン放送の「新株発行の必要性がある」という主張のどちらが認められるかと言うことになるでしょう。
これは専門家でも判断が分かれるのでどうなるかわかりません。

ただ、ちょっと良くわからないのは、ライブドアの時間外取引は非難されているのに、特定の相手のみに新株予約権を割り当てるのは非難される筋合いのものではないのでしょうか?
私は時間外取引については完全な素人なので、的外れな疑問かもしれませんが、似たような物だと思うんですよね・・・?






最終更新日  2005年02月25日 11時07分44秒


2005年02月22日
カテゴリ:商法

*社名については以下敬称を省略させていただきます。

ライブドアが、ニッポン放送の株を買ったとかで話題になっています。そして25%を超えたらどうのとか、34%以上買ったらどうのとかありますね。
取得株式が50%を超えてもいないうちから何か問題があるのだろうかとお考えの方も多いと思います。
そこで、今日は商法にちょっとだけ踏み込み、このライブドア・フジテレビ問題を考えるうえでの参考にしていただけたらと思います。

まず、株式についてです。
株と言うと投機の対象であったり、戦国時代で言う領土のように奪い合うもののような生臭いイメージがあったりします。

しかし、商法の大原則としては株と言うのは会社の一部なのです。感覚的には、会社を共同出資して買ったことの証とでも言えばいいでしょう。
例えば、1000万円のマンションを買いたいが、お金が無い時に、10人でその1000万円の物を買えば一人当たりの負担は安く済みます。
株もおなじなのです。株式会社は今のところ最低でも1000万円ないと作れません。一人で1000万円を出して会社を作るのは大変です。そこで、お金は無いが会社を作る意思のある人たちが集まって1000万円を共同出資して負担し、会社を作るのです。
そうして、その共同出資した証として株式を得るのです。

そして出来た会社はその出資者達のものであります。これも1000万円のマンションを共同出資して買った時と同じです。
10人で共同出資して買ったマンションはその10人の好きに出来るように、会社も出資者達がその会社のことを自由に決めてかまいません。しかし複数の出資者の意思は必ずしも統一できません。そこで株主総会を開いて多数決で会社の方針を決めるのです。
そして株主総会では、1人1票と言うわけには行きません。100万円出した人と、200万円出した人が同じ発言力と言うのは何と無く不公平でしょう。そこで、出資額に比例して持てる票数も変わります。例えば、200万円出した人は、100万円出した人の2倍の票数を得られます。

いかがでしょうか。とりあえず株式と会社の関係についてお分かりいただけたと思います。では、今回の問題の解説に行きましょう。

Q1 フジテレビがニッポン放送の株を25%買うと何故ライブドアが困るとされるのか。


これは、議決権の25%以上の株を買われた会社は、仮に買った会社の株を持っていても買った会社の株主総会での議決権がなくなるからです(商法241条3項)。

第二百四十一条  各株主ハ一株ニ付一個ノ議決権ヲ有ス但シ一単元ノ株式ノ数ヲ定メタル場合ニ於テハ一単元ノ株式ニ付一個ノ議決権ヲ有ス
○2 会社ハ其ノ有スル自己ノ株式ニ付テハ議決権ヲ有セズ
○3 会社、親会社及子会社又ハ子会社ガ他ノ株式会社ノ総株主ノ議決権ノ四分ノ一ヲ超ユル議決権又ハ他ノ有限会社ノ総社員ノ議決権ノ四分ノ一ヲ超ユル議決権ヲ有スル場合ニ於テハ其ノ株式会社又ハ有限会社ハ其ノ有スル会社又ハ親会社ノ株式ニ付テハ議決権ヲ有セズ



つまり、A社がB社の株を25%以上買うと、買われたB社がA社の株式を持っていても、B社はA社の株主総会で議決権を行使できません。

これを今回の話に当てはめると、フジテレビがニッポン放送の株を25%以上買うと、ニッポン放送はフジテレビの株主総会で議決権を行使できなくなります。
では、これで何故ライブドアが困ると思われるのでしょうか。
ライブドアはニッポン放送の大株主ですから、ニッポン放送に対してある程度言うことを聞かせることが出来ます。
そうれば、ニッポン放送がフジテレビの株主総会に出る際に、ある程度ライブドアの意向に沿った議決権の行使が出来るのです。
そうなると、ライブドアはニッポン放送を通じてフジテレビと言う巨大マスコミに影響を与えることが出来ます。
しかし、フジテレビがニッポン放送の株を25%以上買ってしまうと、ニッポン放送はフジテレビの株主総会で議決権を行使できません。そうなると、ライブドアはニッポン放送には影響を与えられても、フジテレビには何も出来ません。
だから、フジテレビがニッポン放送の株を25%以上買うとライブドアが困るのではないかと言われているのでしょう。
ただ、堀江社長は当然織り込み済みのこととしてあまり気にされていないようです。

Q2 株を34%以上買うと拒否権が得られるってどういうこと?

株主総会では、原則としては多数決が採られます。原則として過半数の賛成で議事が成立します。
しかし、重要な事項については三分の二以上の賛成がないと出来ないことになっています。これを特別決議といいます。

第三百四十三条  前条第一項ノ決議ハ総株主ノ議決権ノ過半数又ハ定款ニ定ムル議決権ノ数ヲ有スル株主出席シ其ノ議決権ノ三分ノ二以上ニ当ル多数ヲ以テ之ヲ為ス

ここで勘の良い方はお気づきですね。
重要事項において三分の二以上の賛成が必要と言うことは、逆にいうと三分の一持っているだけで重要事項の成立を阻止できると言うことです。
つまり、誰かが株を三分の一以上持っていれば、その人が反対すると特別決議が成立しないことになります。これを拒否権と表現します。
このように、重要度の低い事柄については、三分の一の株式数では成立を阻止できませんが、重要度が高い事柄については三分の一の株式数で成立を阻止できます。
ですから、堀江社長はニッポン放送の株を34%以上手に入れた時点でニッポン放送に対する拒否権を手に入れたことになります。

Q3 もし50%以上の株を手に入れたら役員を送り込めるというのはどういう意味?


まず、株主総会では、取締役という役員を選任できます。
第二百五十四条  取締役ハ株主総会ニ於テ之ヲ選任ス

これも多数決で決められます。
つまり、50%以上の株式を持っていれば理論上は役員全員をライブドア側の人間に出来ます。50%超だから過半数程度がライブドア側の役員になるとお考えの方もおられるかもしれませんが、理論上は役員全員をライブドア側の人間に出来ます。

今回の話で商法のみで解説できるのはこれくらいかと思います。
なお、わかりやすくするために用語の使い方としてはやや不適切なところもあるかと思いますが、どうかご了承ください。



応援してくださる方は、下記のリンクをクリックしてください。
人気blogランキング






最終更新日  2005年02月22日 14時54分22秒
このブログでよく読まれている記事

全2件 (2件中 1-2件目)

1


Copyright (c) 1997-2020 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.