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法律なんて怖くない!

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会社法

2007年11月27日
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カテゴリ:会社法


第6章 特別決議

株主総会は普通は過半数の賛成で可決となりますが(これを普通決議と言います)、特別決議というのは3分の2の賛成が無いと可決しない決議であり,逆に言うと3分の1の反対で可決を阻止できます。

ですから,いつもはあんまり株主総会に興味がないとしても,以下の特別決議が必要な議案が記載されていたら,できれば株主総会に出るべきでしょう。

(株主総会の決議)
第三百九条  2  前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。
一  第百四十条第二項及び第五項の株主総会
二  第百五十六条第一項の株主総会(第百六十条第一項の特定の株主を定める場合に限る。)
三  第百七十一条第一項及び第百七十五条第一項の株主総会
四  第百八十条第二項の株主総会
五  第百九十九条第二項、第二百条第一項、第二百二条第三項第四号及び第二百四条第二項の株主総会
六  第二百三十八条第二項、第二百三十九条第一項、第二百四十一条第三項第四号及び第二百四十三条第二項の株主総会
七  第三百三十九条第一項の株主総会(第三百四十二条第三項から第五項までの規定により選任された取締役を解任する場合又は監査役を解任する場合に限る。)
八  第四百二十五条第一項の株主総会
九  第四百四十七条第一項の株主総会(次のいずれにも該当する場合を除く。)
イ 定時株主総会において第四百四十七条第一項各号に掲げる事項を定めること。
ロ 第四百四十七条第一項第一号の額がイの定時株主総会の日(第四百三十九条前段に規定する場合にあっては、第四百三十六条第三項の承認があった日)における欠損の額として法務省令で定める方法により算定される額を超えないこと。
十  第四百五十四条第四項の株主総会(配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して同項第一号に規定する金銭分配請求権を与えないこととする場合に限る。)
十一  第六章から第八章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会
十二  第五編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会

条文番号だけで分かりづらいですね。
代表的な事項だけでも挙げておきます(これら以外でも特別決議が要求される事案はあります)。

株式の併合(180条)
監査役の解任(339条1項)
役員等の責任一部免除(425条1項)
資本金の額の減少(447条1項)
現物配当(454条4項)
定款の変更
事業譲渡
解散
合併
会社分割
株式交換・株式移転

こうやってみると,解散など会社にとって重要なのに,わずか3分の2の賛成で成立してしまう議案もありますね。
ですから,せめて特別決議が要求される議案については注目を向けて欲しいです。

ちなみに、株主総会は普通決議・特別決議だけでなく特殊決議・特別特殊決議・全員一致がありますが、特殊決議・特別特殊決議は譲渡制限が絡む場合に必要となるので、普通に証券会社で株式を買っている場合にはあまり気にしなくて良いでしょう。
また、証券会社で株式を売っている会社において、全員一致の議決が出来ることはまずありませんからこれも気にしなくて良いでしょう。

気になる方は、下記の【参考本】の108ページをご参照ください。

さて,これで株主として最低限知っておきたい条文のご説明は終わります。
次回はからは、倒産法をやってみましょう。

会社法編にお付き合いいただき、ありがとうございました。



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【参考本】

会社法マスター115講座

この本は、会社法で分かりにくい部分を適確に解説してくれる本です。また、会社法の条文を頭から読んでも分かりづらい分野(少数株主権や会社再編や株主総会議決要件)を表にしてくれて分かりやすくまとめてくれています。
会社法の勉強がある程度進んだ方にオススメしたい本です。








最終更新日  2007年11月27日 15時35分24秒


2007年11月26日
カテゴリ:会社法


第5章 計算

2 剰余金配当

おそらく,剰余金配当(利益配当)を目的に株式を買う方も多いでしょう。
そこで,剰余金配当の条文についても少しご覧下さい。

剰余金の配当は,株主総会決議によって決定されます。
ですから,株主総会の招集通知におそらく剰余金配当についての説明が書かれていますので,今度招集通知が届いたらチェックしてみてください。

(株主に対する剰余金の配当)
第四百五十三条  株式会社は、その株主(当該株式会社を除く。)に対し、剰余金の配当をすることができる。

(剰余金の配当に関する事項の決定)
第四百五十四条  株式会社は、前条の規定による剰余金の配当をしようとするときは、その都度、株主総会の決議によって、次に掲げる事項を定めなければならない。
一  配当財産の種類(当該株式会社の株式等を除く。)及び帳簿価額の総額
二  株主に対する配当財産の割当てに関する事項
三  当該剰余金の配当がその効力を生ずる日


ちなみに,会社法制定前には認められていた日割配当は禁止されました。

では,剰余金の配当額はどうなっているでしょうか。
前回は,会社の資産から資本金の額を引いた額等が剰余金配当額だと申し上げましたが,正確にはいろんな規制があります。


(配当等の制限)
第四百六十一条  次に掲げる行為により株主に対して交付する金銭等(当該株式会社の株式を除く。以下この節において同じ。)の帳簿価額の総額は、当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない。
(中略)
八  剰余金の配当

2  前項に規定する「分配可能額」とは、第一号及び第二号に掲げる額の合計額から第三号から第六号までに掲げる額の合計額を減じて得た額をいう(以下この節において同じ。)。
一  剰余金の額
二  臨時計算書類につき第四百四十一条第四項の承認(同項ただし書に規定する場合にあっては、同条第三項の承認)を受けた場合における次に掲げる額
イ 第四百四十一条第一項第二号の期間の利益の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額
ロ 第四百四十一条第一項第二号の期間内に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額
三  自己株式の帳簿価額
四  最終事業年度の末日後に自己株式を処分した場合における当該自己株式の対価の額
五  第二号に規定する場合における第四百四十一条第一項第二号の期間の損失の額として法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額
六  前三号に掲げるもののほか、法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額


それと,どんなに利益があろうと,資産額が300万円以下の会社は配当できません

(適用除外)
第四百五十八条  第四百五十三条から前条までの規定は、株式会社の純資産額が三百万円を下回る場合には、適用しない。


また,配当可能な額のうち,10%を準備金として積み立てなければなりません。

(資本金の額及び準備金の額)
第四百四十五条  
4  剰余金の配当をする場合には、株式会社は、法務省令で定めるところにより、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に十分の一を乗じて得た額を資本準備金又は利益準備金(以下「準備金」と総称する。)として計上しなければならない。


これらの規制に反した剰余金の配当は違法なので,剰余金を受け取った株主は会社に返還しなければなりません。

(剰余金の配当等に関する責任)
第四百六十二条  前条第一項の規定に違反して株式会社が同項各号に掲げる行為をした場合には、当該行為により金銭等の交付を受けた者…(中略)…は、当該株式会社に対し、連帯して、当該金銭等の交付を受けた者が交付を受けた金銭等の帳簿価額に相当する金銭を支払う義務を負う



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最終更新日  2007年11月26日 17時48分14秒
2007年11月25日
カテゴリ:会社法


第5章 計算

1 資本金

今回から会社の「計算」についてお話します。
計算といっても,財務処理についての話なので日常用語で言えば「会計」とでも言えば良いかも知れません。

さて,今回は資本金のお話です。
株式会社は,株主有限責任の原則が採られていますから,誰も責任を取らない仕組みになっています。
例えば,清水君が設立した(株)清水工業という会社に,草薙銀行が1億円を貸したとします。
さて,このとき,草薙銀行は誰に1億円の返済を求めるのでしょうか。
はじめの方でご説明したとおり,会社は法人であり、清水君とは法律上別人ですから,清水君に返済を求めることは出来ません。
そして,株主有限責任の原則により,(株)清水工業の株主にも返済を求めることは出来ません。
つまり,法人としての(株)清水工業にしか請求できないのです。

そこで,株式会社がいつでも返済できるよう,株式会社に一定のお金が存在する仕組みが必要となります。
それが資本金制度です。

大雑把に言うと,資本金の額を超えた額等の資産が会社に無い限り,剰余金配当(株主に対する利益配当)が出来ないという仕組みを作ることによって,出来るだけ資本金の額の資産だけは会社に資産が残るようにして,会社にお金を貸した人(=会社債権者)が保護されるようにしています。

ここで資本金の「額」という言い方でちょっと引っかかったと思います。実は,「資本金」と言うお金が会社の金庫に保管されているわけではなく,会社の資産のうちの一部を帳簿上「資本金」と呼んでいるだけなのです。

しかも,会社の資産が資本金の額を下回っても罰則があるわけではないし,会社解散理由になるわけでもありません(大昔は解散理由だったそうです)。
例えば,「資本金1円の会社と,資本金1億円の会社,現在どちらが金持ちですか?」と聞かれても,「他の書類を見ないとわからない」としか言えません。資本金1億円の会社であっても,今は無一文かもしれないし,資本金1円の会社でも今では急成長して年間の利益が10億円の会社になっているかもしれないのです。

じゃあ,「資本金制度なんて無意味じゃないの?」とお考えの方もおられるでしょう。実は私もそう思います。
ただ,資本金1億円の会社と言うのは,少なくとも設立時に1億円を集められる信用性があったことを示すので,資本金制度は会社の潜在能力を示す意味があるとおっしゃる先生もおられます。

いずれにせよ,資本金制度は必ずしも会社の現在の体力を示すものではないので,ご注意ください。
例えば,「資本金1億円の会社の未公開株を買わないか?」なんて言われてもすぐに信用してはいけません。他の計算書類も見せてもらって判断してください。



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最終更新日  2007年11月25日 10時47分35秒
2007年11月24日
カテゴリ:会社法


第4章 機関

7 役員の第三者に対する損害賠償責任

また,役員が会社でなく第三者に損害を与えた場合も,もちろん損害賠償責任を負います。

(役員等の第三者に対する損害賠償責任)
第四百二十九条  役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。


ここで注意していただきたいのは,損害賠償の要件が「悪意又は重過失」となっていて,民法709条の要件より厳格化されているように見えます。

(不法行為による損害賠償)
民法第七百九条  故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。


しかし,民法709条は権利侵害について故意又は過失が必要なのに対し,会社法429条は任務懈怠に対する故意又は重過失となります。

例えば,ある食品会社が食中毒を起こしたとします。
このとき,この会社の取締役に民法709条に基づく損害賠償請求をするには,故意に細菌を混ぜたか,過失で細菌を混入させてしまったことを立証する必要があります。
しかし,会社法429条に基づく損害賠償請求をするには,従業員の衛生管理体制とか製品のチェック体制を,故意に設置しなかったり,過失で設置しなかったりしたことを立証するだけで十分な場合もありえることになります。食品会社で衛生管理体制や製品チェック体制を整備することは任務と考えられるからです。
どちらの立証が簡単かといえば,会社法429条の方だと思います。

ですから,会社法429条は損害賠償請求要件を厳格にしたのではなく,緩和したのだと読むべきでしょう。



ところで,昔は取締役が3人いないと会社が作れなかったので,「名目だけでいいから取締役になってくれ」と言われて,ついつい名前だけ貸したという場合もあるそうです。こういう取締役を「名目的取締役」と言います(名目的といっても,選任決議などの手続は行います)。
しかし,外から見れば誰が名目的取締役で,誰が実質的取締役かなんてわかりません。従って,名目的取締役も,当然責任を負う場合があるということになります。
また,ここで仮に名目的取締役を免責させると,働かない取締役ほど免責されることになって不都合だからと言うのも理由の一つです。

あと,取締役を辞任したのに,「登記だけでも残しておいてくれ」なんていわれて登記を残すことに同意してしまうと,やはり,責任を負う場合があります(ちゃんと辞任手続をしているので選任手続は無いという点が,名目的取締役と少し違います)。

ですから、安易に取締役としての名義を貸さない方が安全ですね。


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最終更新日  2007年11月24日 19時12分11秒
2007年11月23日
カテゴリ:会社法


第4章 機関

6 役員の会社に対する損害賠償責任

まず,役員が任務を怠った結果,会社に損害を与えた場合は,役員は会社に損害賠償をしなてくはなりません。

(役員等の株式会社に対する損害賠償責任)
第四百二十三条  取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この節において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。


そして,競業行為や利益相反取引をした場合には,推定される事項が定められており,立証が容易になっています。

第四百二十三条
2  取締役又は執行役が第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の規定に違反して第三百五十六条第一項第一号の取引をしたときは、当該取引によって取締役、執行役又は第三者が得た利益の額は、前項の損害の額と推定する。
3  第三百五十六条第一項第二号又は第三号(これらの規定を第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取引によって株式会社に損害が生じたときは、次に掲げる取締役又は執行役は、その任務を怠ったものと推定する。
一  第三百五十六条第一項(第四百十九条第二項において準用する場合を含む。)の取締役又は執行役
二  株式会社が当該取引をすることを決定した取締役又は執行役
三  当該取引に関する取締役会の承認の決議に賛成した取締役(委員会設置会社においては、当該取引が委員会設置会社と取締役との間の取引又は委員会設置会社と取締役との利益が相反する取引である場合に限る。)


ただ,会社が取締役に損害賠償請求できるといっても,実際に会社を動かしているのは取締役ですから,会社は損害賠償請求しない恐れがあります。
そこで,会社が損害賠償請求しない場合には,株主は会社に代わって訴訟を起こすことが出来ます。
これが,ニュースでたまに聞く「株主代表訴訟(責任追及の訴え)」です。

(責任追及等の訴え)
第八百四十七条  六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主(第百八十九条第二項の定款の定めによりその権利を行使することができない単元未満株主を除く。)は、株式会社に対し、書面その他の法務省令で定める方法により、発起人、設立時取締役、設立時監査役、役員等(第四百二十三条第一項に規定する役員等をいう。以下この条において同じ。)若しくは清算人の責任を追及する訴え、第百二十条第三項の利益の返還を求める訴え又は第二百十二条第一項若しくは第二百八十五条第一項の規定による支払を求める訴え(以下この節において「責任追及等の訴え」という。)の提起を請求することができる。ただし、責任追及等の訴えが当該株主若しくは第三者の不正な利益を図り又は当該株式会社に損害を加えることを目的とする場合は、この限りでない。

(中略)

3  株式会社が第一項の規定による請求の日から六十日以内に責任追及等の訴えを提起しないときは、当該請求をした株主は、株式会社のために、責任追及等の訴えを提起することができる

(中略)

7  株主が責任追及等の訴えを提起したときは、裁判所は、被告の申立てにより、当該株主に対し、相当の担保を立てるべきことを命ずることができる




条文を見ていただければ,お分かりいただけるように、担保提供など,意外と面倒臭いです。
ですから,代表訴訟を提起する場合は,弁護士の先生に相談した方が良いかも知れませんね。

あと,株主は損害発生後のみに動けると言うわけではなく,事前に差止をすることも出来ます。

(株主による取締役の行為の差止め)
第三百六十条  六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主は、取締役が株式会社の目的の範囲外の行為その他法令若しくは定款に違反する行為をし、又はこれらの行為をするおそれがある場合において、当該行為によって当該株式会社に著しい損害が生ずるおそれがあるときは、当該取締役に対し、当該行為をやめることを請求することができる

2  公開会社でない株式会社における前項の規定の適用については、同項中「六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き株式を有する株主」とあるのは、「株主」とする。

3  監査役設置会社又は委員会設置会社における第一項の規定の適用については、同項中「著しい損害」とあるのは、「回復することができない損害」とする。


株主には,意外と出来ることがありますので,何かあったときには頑張ってみてください。



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最終更新日  2007年11月23日 15時28分33秒
2007年11月22日
カテゴリ:会社法



第4章 機関

5 役員の法的義務

前回は,役員の負う,抽象的な善管注意義務についてお話しました。
ですが,役員の負う義務は善管注意義務だけではありません。
ちゃんと条文に記載された義務もあります。

まず,競業避止義務があります。

競業及び利益相反取引の制限)
第三百五十六条  取締役は、次に掲げる場合には、株主総会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。
一  取締役が自己又は第三者のために株式会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき。


取締役は会社の業務に精通していますから,もし取締役自身が会社を離れて直接に業務をした場合,会社のノウハウが使え顧客を横取りできますので,会社に損害を与えかねません。ですから,株主総会の承認が無い限り,競業をしてはならないのです。
イメージとしては,ある予備校で取締役に就任している講師が,独立した場合を想像してもらえると良いでしょう。独立した講師は生徒を奪えますし,予備校の経営ノウハウも頭に入っていますので,独立元に損害を与えるのは容易に想像できます。

次に,利益相反取引があります。

第三百五十六条
二  取締役が自己又は第三者のために株式会社と取引をしようとするとき。
三  株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき。


取締役が個人として会社と契約する場合を言います。会社と契約するといっても,実際に会社を動かすのは取締役ですから,自分の都合の良いように契約を締結され,会社に損害を与えるおそれがあるので,利益相反取引も株主総会決議が無いと出来ません。

あと,会社法で明文化され,注目が集まっているのは,大会社における内部統制システム(リスク管理体制)構築義務です。


第三百六十二条
4  取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。
(中略)
六  取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
5  大会社である取締役会設置会社においては、取締役会は、前項第六号に掲げる事項を決定しなければならない。


「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制」と言うのが,内部統制システム(リスク管理体制)です。
大会社で取締役会設置会社では,内部統制システムの構築が義務となっています。
内部統制システムとは,抽象的に言うと損害発生を未然に防ぐ体制です。

例えば,内部通報制度があるといわれています。
昔から,そして、今でも何か不祥事があるとトップは一応謝罪しますが,「知らなかった。下が勝手にやったことだ」と言う態度を取り,法的責任を免れようとすることが多かったですね。事実,本当にトップが知らなければ(あるいは知っていることを立証できなければ),トップに法的責任は無いとされてきました。

しかし,内部統制システムを法的義務にすれば,「内部通報制度のような,下が勝手にやったことが上に伝わるようなシステムを作らないのは法的義務違反だ」と主張でき,たとえ下が勝手にやったことをトップが知らなくても,法的責任を追及できるようになります。
 
ですから,今後は内部統制システムの構築が注目されてくるかも知れませんし,大会社が不祥事を起こしたら,内部統制システム構築義務違反を理由に責任追及が可能になるかも知れません。不祥事が発覚したら,大会社の株主は「トップが不祥事を知っていたかどうかなんて立証できない」と諦めないで,責任追及が出来る法律構成を考えてみてください。


次回は,損害賠償責任についてお話しましょう。


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最終更新日  2007年11月22日 17時32分26秒
2007年11月21日
カテゴリ:会社法


第4章 機関

4 役員の責任

前回は,取締役などの役員の選任解任についてお話しました。
今回は,選任された役員がどのような責任を負うかお話します。
条文は,会社法330条です。

(株式会社と役員等との関係)
会社法第三百三十条  株式会社と役員及び会計監査人との関係は、委任に関する規定に従う。


ここで,「委任に関する規定」と言うのは,民法644条を言います。

(受任者の注意義務)
民法第六百四十四条  受任者は、委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う。


つまり,役員は,「善良な管理者の注意をもって、委任事務を処理する義務を負う」と言うわけです。これを短く「善管注意義務」と言います。役員は,善管注意義務を負うというわけです。
この善管注意義務に違反すると,任務懈怠(にんむけたい)として,役員は会社に対し損害賠償責任を負います。

(役員等の株式会社に対する損害賠償責任)
第四百二十三条  取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この節において「役員等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。


ただ,勘違いしていただきたくないのは,民法の過失とは少し違うと言うことです。
と言うのは,民法上の過失では,損害を予見して,その損害に回避可能性があれば過失が認定されます。
しかし,これを会社に当てはめると,会社に損害が発生すれば直ちに任務懈怠となりかねません。

例えば,ある取締役が進めた融資が焦げ付いて,回収不能になったとしましょう。
この場合,普通の取締役であれば常に融資が焦げ付くことは予見していますし,融資しなければ回収不能にもならなかったという意味で回避可能性があったといえるからです。
別に良いではないかという考えもあるでしょうが,これでは誰も取締役になりたがらず,会社の活動が停滞し,ひいては経済の停滞を招きます。

そこで,会社法では,通常の企業人の判断を基準として,事実の収集・認識に不注意が無かったか,収集・認識した事情に基づく行為の選択決定に誤りがなかったかという観点から,選択した行為をすることが著しく不合理と評価された場合には任務懈怠があるとされています。
ですから,先ほどの融資の例において,融資の相手方の状況が破産寸前だったとしましょう。このとき,同じ知らなかった場合でも状況によって変わります。

例えば,融資をしようとした取締役が,徹底的に調査をしたけれども融資の相手方が上手く情報隠しをしていて知らなかった場合には,事実の収集・認識に不注意があるとは言えず,任務懈怠とはいえません。しかし,特に調べなかったので知らなかったと言う場合には,事実の収集・認識に不注意があるといえ,任務懈怠となります。

このように,取締役の任務懈怠は,ちょっと特殊なものとなっています。


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会社法第9版

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最終更新日  2007年11月21日 11時43分09秒
2007年11月20日
カテゴリ:会社法


第4章 機関

3 役員の選任・解任

前回は株主総会のお話をしました。
株主総会では取締役などの,会社の役員の選任・解任が出来ますので,お話します。

まず,役員の選任は株主総会の普通決議で出来ます。

(選任)
第三百二十九条  役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。以下この節、第三百七十一条第四項及び第三百九十四条第三項において同じ。)及び会計監査人は、株主総会の決議によって選任する。

普通決議と言うのは過半数の賛成で出来るということです。世間一般で言う多数決というやつです。

選任が普通決議なら,解任も普通決議で出来ると考えるのが普通でしょうし,原則はその通りです。

(解任)
第三百三十九条  役員及び会計監査人は、いつでも、株主総会の決議によって解任することができる。


ただし,監査役だけは特別決議と言って,3分の2の賛成が無いと解任できません。監査役は,会社を監視するという役目を負っているので,地位を安定させる必要があるからです。

(株主総会の決議)
第三百九条  株主総会の決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。

2  前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。
(中略)
七  第三百三十九条第一項の株主総会(第三百四十二条第三項から第五項までの規定により選任された取締役を解任する場合又は監査役を解任する場合に限る。)
(以下省略)


また,会社にふさわしくない取締役が,多数派工作を仕掛けて解任を免れると言う場合があります。
その場合,株主総会ではもはやどうしようもありませんので,裁判所に訴え出ることが出来る場合があります。ただし,どの株主でも出来るというわけではなく,一定の条件を満たす必要があります。これは,訴訟を乱発して取締役を圧迫しないためのようです。

(株式会社の役員の解任の訴え
第八百五十四条  役員(第三百二十九条第一項に規定する役員をいう。以下この節において同じ。)の職務の執行に関し不正の行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事実があったにもかかわらず、当該役員を解任する旨の議案が株主総会において否決されたとき又は当該役員を解任する旨の株主総会の決議が第三百二十三条の規定によりその効力を生じないときは、次に掲げる株主は、当該株主総会の日から三十日以内に、訴えをもって当該役員の解任を請求することができる。
一  総株主(次に掲げる株主を除く。)の議決権の百分の三(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上の議決権を六箇月(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前から引き続き有する株主(次に掲げる株主を除く。)
(以下省略)



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最終更新日  2007年11月22日 17時32分56秒
2007年11月19日
カテゴリ:会社法


第4章 機関

2 株主総会

株主総会は,出資者たる株主の総会ですから,本来は万能の機関です。

(株主総会の権限)
第二百九十五条  株主総会は、この法律に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。


しかし,取締役会設置会社では,業務執行を取締役会に委任しているわけですから,株主総会では基本的なことを決定するにとどまります。

第二百九十五条
2  前項の規定にかかわらず、取締役会設置会社においては、株主総会は、この法律に規定する事項及び定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。


さて,株主総会では,一株1議決権です。
つまり,出資額に応じて議決権の量が変わります。

(議決権の数)
第三百八条  株主(株式会社がその総株主の議決権の四分の一以上を有することその他の事由を通じて株式会社がその経営を実質的に支配することが可能な関係にあるものとして法務省令で定める株主を除く。)は、株主総会において、その有する株式一株につき一個の議決権を有する。ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の株式につき一個の議決権を有する


ただし書を見ていただければお分かりいただけるように,「単元株式数」が定款で定められている場合は1単元無いと議決権がありません。
例えば,1単元を100株と定められている場合には,たとえ1株を持っていても一切議決権がありません。
これは,株主管理コストを下げるためと言われています。わずかしか出資していないのに,株主総会の招集通知を発して,わずかな出資額の株主までもが入れるような会場を設営すると,意外とコストがかかり,会社によっては1人3000円かかると言います。
これでは,1株1000円で出資してもらっても赤字であり,出資してもらっても嬉しくありません。
そのため,単元株式制度制度があります。

そして,議決権は原則としては株主総会の会場で行使します。
しかし,株主総会の日にたまたま用事があった場合などは,会場にいけないこともあります。そこで,議決権を代理行使できるとされています。

(議決権の代理行使)
第三百十条  株主は、代理人によってその議決権を行使することができる。この場合においては、当該株主又は代理人は、代理権を証明する書面を株式会社に提出しなければならない。


ただし,ほとんどの会社で,代理人は会社の株主か弁護士に限定されています。誰でも代理人になれるわけではありません。
これは別に株主に嫌がらせをしているわけではなく,総会屋対策と言われています。

また,代理人すら用いず,書面投票・電子投票できる場合もあります。

(株主総会の招集の決定)
第二百九十八条  取締役(前条第四項の規定により株主が株主総会を招集する場合にあっては、当該株主。次項本文及び次条から第三百二条までにおいて同じ。)は、株主総会を招集する場合には、次に掲げる事項を定めなければならない。
一  株主総会の日時及び場所
二  株主総会の目的である事項があるときは、当該事項
三  株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
四  株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができることとするときは、その旨
五  前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
(以下省略)


なお,決議に瑕疵があれば,決議取消の訴え・決議無効確認の訴えが出来ます。

株主総会等の決議の不存在又は無効の確認の訴え
第八百三十条  株主総会若しくは種類株主総会又は創立総会若しくは種類創立総会(以下この節及び第九百三十七条第一項第一号トにおいて「株主総会等」という。)の決議については、決議が存在しないことの確認を、訴えをもって請求することができる。
2  株主総会等の決議については、決議の内容が法令に違反することを理由として、決議が無効であることの確認を、訴えをもって請求することができる。

株主総会等の決議の取消しの訴え
第八百三十一条  次の各号に掲げる場合には、株主等(当該各号の株主総会等が創立総会又は種類創立総会である場合にあっては、株主等、設立時株主、設立時取締役又は設立時監査役)は、株主総会等の決議の日から三箇月以内に、訴えをもって当該決議の取消しを請求することができる。当該決議の取消しにより取締役、監査役又は清算人(当該決議が株主総会又は種類株主総会の決議である場合にあっては第三百四十六条第一項(第四百七十九条第四項において準用する場合を含む。)の規定により取締役、監査役又は清算人としての権利義務を有する者を含み、当該決議が創立総会又は種類創立総会の決議である場合にあっては設立時取締役又は設立時監査役を含む。)となる者も、同様とする。
一  株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令若しくは定款に違反し、又は著しく不公正なとき。
二  株主総会等の決議の内容が定款に違反するとき。
三  株主総会等の決議について特別の利害関係を有する者が議決権を行使したことによって、著しく不当な決議がされたとき。
2  前項の訴えの提起があった場合において、株主総会等の招集の手続又は決議の方法が法令又は定款に違反するときであっても、裁判所は、その違反する事実が重大でなく、かつ、決議に影響を及ぼさないものであると認めるときは、同項の規定による請求を棄却することができる。




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伊藤真の商法入門第3版

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最終更新日  2007年11月19日 14時48分55秒
2007年11月18日
カテゴリ:会社法


第4章 機関

1 機関設計

会社法で複雑になったのは機関です。
昔は,全ての会社はほぼ一律の機関を置くこととされてきましたが,今では会社によって様々な機関を設置することが自由になったり,設置する義務が課されています。

まず,全ての株式会社には株主総会がおかれます。出資者たる株主の声をまとめる機関が必要だからです。
つぎに,全ての株式会社には取締役を置かねばなりません。これは以前申し上げた所有と経営の分離の現れでしょう。
株主総会と取締役さえあれば株式会社としては十分で,あとはどんな機関を置くかは自由なのが原則です。

(株主総会以外の機関の設置)
第三百二十六条  株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。
2  株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人又は委員会を置くことができる。


とりあえず,機関については以下の大雑把なイメージで十分です。
取締役=業務執行をする人(厳密に言うと、取締役会設置会社とそうでない会社では違いますが、イメージとしてはこれでいいでしょう)
取締役会=取締役の会議
会計参与=経理部の人と共に会計書類を作る人(税理士の先生など)
監査役=監視する人
監査役会=監査役の会議体
会計監査人=公認会計士の先生又は監査法人
委員会=指名委員会・監査委員会・報酬委員会

…しかし,難しいのはここからです。327条以降は,「○○と言う会社は,××と言う機関を置かねばならない(置いてはならない)」とされているので,難しいです。

まず,取締役会を置いた会社は,監査役か委員会を設置しなくてはなりません
これは取締役会を監査役か監査委員会に監視させる意味があります。

会社法三百二十七条
2  取締役会設置会社(委員会設置会社を除く。)は、監査役を置かなければならない。ただし、公開会社でない会計参与設置会社については、この限りでない。


次に,公開会社(全部譲渡制限株式ではない会社)では、取締役会が必要です。これは,株式を公開する以上,取締役の独断で会社を動かすことは許されないという意味だと思います。

(取締役会等の設置義務等)
第三百二十七条  次に掲げる株式会社は、取締役会を置かなければならない
一  公開会社
二  監査役会設置会社
三  委員会設置会社


さて,ここで問題です。
公開会社は、監査役又は委員会の設置が義務と言えるでしょうか。
言えますね。327条1項1号によると,公開会社には取締役会を置かねばなりません。そして,327条2項によると,取締役会設置会社には監査役か委員会を設置しなくてはなりません。
ということは,公開会社には監査役か委員会を設置する必要があるということになります。
(公開会社→取締役会設置会社→監査役か委員会の設置)
このように,会社法は,ドミノ式に設置すべき機関が決まるので難しいのです。

逆に,取締役会設置会社は必ず公開会社でしょうか。
違いますね。そんな条文はどこにもありません。
このように,論理問題と同じく,逆は必ずしも真でないところにご注意ください。

これだけで嫌になってきたと思います。

あとは簡単なところだけやりましょう。

まず大会社(資本金5億円以上か,負債200億円以上)では会計監査人が必要です。
大きい会社は,専門家に監査してもらうべきということでしょう。

(大会社における監査役会等の設置義務)
第三百二十八条  大会社(公開会社でないもの及び委員会設置会社を除く。)は、監査役会及び会計監査人を置かなければならない。
2  公開会社でない大会社は、会計監査人を置かなければならない。



あと,監査役と監査委員会の職務は重複するので,監査役と委員会両方を設置することは出来ません。

第三百二十七条
4  委員会設置会社は、監査役を置いてはならない



それと、どんな機関を置いても、会計参与を設置禁止する規定は存在しないことも覚えて置いてください。

とりあえずは,以上のことだけ覚えておいていただければ十分です。



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【参考本】


会社法第9版

この本は、いわゆる「基本書」に属するものですが、基本書としては薄く、大変読みやすい仕上がりになっています。
会社法を学ぶ際には是非持っておきたい本です。






最終更新日  2007年11月19日 14時39分24秒
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