2004年09月10日

第3章 2起訴時には裁判官は何も知らない

テーマ:法律(465)
カテゴリ:刑事訴訟法


どうでしょう。この題名を見て「え!?」と思った方も
おられるのではないでしょうか。
もう一度刑事裁判の構造を思い出してください。
「有罪だー」と主張する検察官と、「無罪だ-」と主張する
弁護人がやりあうのを裁判官が見ていてどちらが正しいか
判断するというものでした。
と言うことは裁判官は裁判するまでは有罪とも無罪とも
分からない状態でいてくれなくては困ります。
もし、初めから「こりゃ多分有罪だろう」と思われていたら
有罪と主張する側に有利に動いてしまいます。

そこで刑事訴訟法は裁判官が中立を保てるような制度を定めています。

まずは公平な裁判ができないと考えられる裁判官を
裁判から遠ざける制度があります。
これが除斥・忌避(きひ)です。

第二十条  
裁判官は、次に掲げる場合には、職務の執行から除斥される。
一  裁判官が被害者であるとき。
(以下略)

第二十一条
裁判官が職務の執行から除斥されるべきとき、又は不公平な裁判をする虞があるときは、
検察官又は被告人は、これを忌避することができる。
○2  弁護人は、被告人のため忌避の申立をすることができる。
但し、被告人の明示した意思に反することはできない。

次に起訴状一本主義です。
検察官は起訴するときには、裁判官に対し「この人が有罪かどうか裁判してくれ」と
言う起訴状を裁判所に提出します。
ここで、もしその起訴状に犯罪の内容が詳しく書いてあったら裁判官は起訴された人が多分有罪だろうと思って裁判してしまいます。
そこで起訴状には「○○という事件について裁判してね」と言うこと以外には何も書いてはいけないことになっています。これが「起訴状一本主義」です。
条文もあります。

第256条
○6  起訴状には、裁判官に事件につき予断を生ぜしめる虞のある書類
その他の物を添附し、又はその内容を引用してはならない。

「予断」とは思い込みや先入観のことを言います。有罪だと思い込ませたり、
先入観を持たせたりするような書類などを添付してはいけないと
いうことです。
他にもありますが、これくらいでいいでしょう。

お疲れ様でした。





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最終更新日  2004年11月17日 20時41分42秒
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