マックス爺のエッセイ風日記

2014/06/13(金)05:03

ゴールは姫神山 ~「第10回いわて銀河」完走記~ (5)

ウルトラマラソン(未)完走記(265)

≪ 薄暮の姫神山と4年ぶりのゴール ≫  最後の関門  40.5km地点の最後の関門に着いたのは、スタート後6時間35分27秒後。制限時間の4分33秒前だった。やれやれ、これでゴールまで走る権利は出来たがどうするか。先ずは43km地点までは何としても行きたい。フルマラソンの距離を超えれば、ちょうど今回が100回目のフル以上のレース完走になるからだ。  今回は体調に合わせて目標を変えた。初めは1つ目の関門突破。次に銀河高原の関門突破。さらに30km走破から40km走破へ。そしてフルマラソン越えへと。これでもう本望。今日はレースに出た甲斐があったと言うもの。私はその後も道端の花を撮り続けた。最後の関門では、係の小母ちゃんが私の手に飴を3個無理やり握らせてくれた。これも結果的に良かった。それを食べたことで、僅かな糖分が前進へのエネルギーに変わった。  間もなく左折すると目の前に登り坂。この坂は500mも続く。もう登って走る体力がないため、手を振って歩く。途中、白い花をつけた樹を発見。多分エゴノキで久しぶりの対面だ。これもカメラに収める。夕方が近いのか気温が下がって来たようだ。坂道を登り切ると43km過ぎ。このまま進めば45km地点に到達する。       45km地点    表示は「残り5km」に変わった。ここまで7時間20分45秒。もう十分、ここでリタイアして収容バスが来るのを待とう。ところが待てど暮らせどバスは来ない。制限時間内にゴールするのは無理だが、ここからさらに自分の足で走って見るか。右折してゴールに向かえば最後まで行くしかない。収容バスは直進して雫石総合運動公園に向かうことを私は知っていた。  姫神山  遥か遠くに姫神山が見えた。デジカメを出して記念撮影。標高1124mのあの山へは、2週間前に登ったばかり。いつもならここでは岩手山の雄大な景色が出迎えてくれるのだが、今年は麓まで厚い雲に覆われている。でもその代わりに姫神山が見られて嬉しい。田圃道に夕暮れが迫る。       夕景色     振り返ると西の空に残照はなく、秋田駒ケ岳らしい山が曇り空に立っていた。良くここまで来れたものだ。今日は8km付近で早くもリタイヤを考えた。それほど私の体調は最悪だった。それでも我慢して走ったり歩いたりしているうちに、きっと体がウルトラマラソンのペースを思い出したのだろう。頭と両膝に水をかけたのも正解で、痛みが出ずに済んだ。いつもなら35km付近で出る股関節痛もなく、38km付近で出た脇腹痛もほどなく消えてくれた。  雫石川に架かる橋  目の前に橋が現れる。橋の上から雫石川を眺める。前半に見た和賀川は南下した後、錦秋湖から東流して北上川に合流し、この雫石川は東に向かって大河北上川に注ぐのだ。この橋を渡れば残り2km。以前は坂の手前のASで冷えた果物の缶詰を出してくれたのだが、今回はコーラだけ。全般的に「いわて銀河」のエイドの質が落ちている。これではランナーが完走するのはきついと思う。  坂を登り切って左折。人影の消えた道を1人ゴールへと向かう。前方にスタッフ。そこから右折してグラウンドへ。ついに「後1km」の表示が見えて来る。そこからの道が実に長く感じる。もう体力の限界で、距離感が完全に狂っているのだ。スタッフが私を追い越してゴールへ走った。私の後からも2人のランナーがゴールに向かって走っているようだ。  「ゼッケンナンバー5051番は50kmの部、宮城県のAさん。時間は過ぎてますが最後まで頑張っています」。遠くから場内アナウンスが聞こえる。思わず涙が零れそうになるのを必死に堪える。両手を上げてゴールに飛び込む。スタッフが駆け寄り、私の首に完走メダルをかけてくれた。タイムは8時間09分03秒。50kmの部では初。4年ぶりのゴールだった。だがこれは時間内完走でないためリタイヤ扱いになるのだが、私の中では立派な完走だ。<続く>                         ゴール後の私   完走メダル(表)     

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