マックス爺のエッセイ風日記

2014/06/15(日)05:18

「いわて銀河」花街道 ~コース沿いの花々~

ウルトラマラソン(145)

 6月8日に出場した「いわて銀河」50kmの部のコース沿いに咲いていた花々を、走り、歩きながらデジカメで撮りました。花の名前はあくまでも私の推察です。その点を前もってご了解ください。   ニッコウキスゲ  「そうさのう。こびっと走ってみるか」。爺さんランナーはそうつぶやいて、走り出したんだと。          アヤメ     時は2014年6月8日日曜日、所は岩手県西和賀町。男が出たのは「第10回いわて銀河」50kmの部。   ゴールドコイン  だが走り出して間もなく男は立ち止まり、デジカメで写真を撮り始めたのさ。      ルピナス     男にはまったく焦った様子がない。なぜって、その日が引退レースと男は決めていたようなのだ。   コンフリー  男が撮ったのは、ごくありふれた岩手の景色と道端に咲く花々。    ノリウツギ      だが、わずか9km走った辺りで男は苦しみ出した。   トチの花  最近は体調が悪くてほとんど走っておらず、4kmの散歩が関の山だった男。     キバナショウブ     それでもそれなりに自分は準備をしたと、男は考えていたようだ。   オオテマリ  準備と言うのは体重が増えないよう注意し、床屋で髪を短く切っただけなんだけどね。     ツリガネスイセン    そうそう。1週間前の「みちのくラン」では、男は仲間と一緒に15kmをふうふう言いながら走ったのさ。   山藤  それで「ひょっとしたら何とか走れるかも知れない」。男はそう考えてこのレースをキャンセルしなかったんだねえ。    クレマチス     9km過ぎ。男の背後には大会審判長が乗った観察車がぴったり張り付いていたんだと。     バイカウツギ あるいはハクウンボク    男はその時点で最後尾だった。つまりビリと言う訳。それでも男は少しも慌てず、写真を撮り続けていたみたい。     シャクヤク     12km過ぎ。100kmの部とコースが合流してから、男はいくらか元気になったんだと。   エゴノキ  出逢った走友達が男を励ましてくれたからだ。T田さん、T脇さん、Kさん、そしてO川さん、本当にありがとうね。男は今でもそのことがとても嬉しかったようだ。   ハタザオギキョウ    日が暮れる前に、男はボロボロになって雫石町のゴールに辿り着いた。迎えてくれたのは、遥か彼方で優しく男を見守っていた姫神山だったんだと。   シラン  「もし風景や花々を撮らなかったら、もっと早くゴール出来たのかな」。風が男に尋ねた。    ヤマブキショウマ      「いや、それはどうだろうね。案外そのために足が休まり、結果的にゴール出来たのかも知れないよ」。そう言って男はニッコリ笑った。   ピンクのマーガレット  これが男にとって、フルマラソン以上のレースの100回目の完走だったみたい。走り始めてから35年目のことさ。     シャクヤク     「どうやらウルトラマラソンには、時々こんな「奇跡」が起きるらしいね」。花が笑った。「お爺さんはこの後もまだ走るのかなあ」。風がつぶやいた。はい、これで今日の話はお終いだよ。トンカラリ。

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る