マックス爺のエッセイ風日記

2015/02/02(月)06:59

失われたもの

ニュース・社会の動き(489)

 イスラム国に捕えられた後藤さんの命は、湯川さんに続いて奪われてしまった。多額な身代金から死刑囚との人質交換など彼らの要求は変わり、その期限も次々と変化し緊迫を伴った。その間、後藤さんの釈放を願う世界の人々は、彼が助かることを祈り続け、「I AM KENJI」の連帯の輪が広がった。だが死刑囚はヨルダンにおり、ヨルダン政府は政治的な判断に迫られた。極めて残念な結果に終わったが、誰も責めることは出来ないのではないか。心からお二人のご冥福をお祈りしたい。                 シリアへの入国は自己責任であることを、後藤さん自身が話していた。それだけ危険な行為であることは、彼も知っていたのだ。「必ず生きて帰る」。だが、その望みは叶わなかった。今回の事件で、私達はテレビを通じて湯川さんの父親の話や、後藤さんの母親の話を何度も聞いた。親としての悲痛な叫び、真剣な願いだった。かけがえのない命が失われたが、イスラムへの良き理解者をイスラム自身が奪ってしまったことにはならないか。  政府の対応について一部から非難があるようだが、それは当たらないだろう。非難されるべきはイスラム国そのものだ。彼らはイスラム教徒からも異端者と思われている。暴力で住民を脅し、高額な報酬で外国から兵士を募る狂った集団だ。それに正式な国でもないから交渉は難航したはず。ヨルダンやトルコなどへも必死に働きかけたが駄目だった。世界には彼らのようなイスラム過激派が240集団もあるそうだ。日本人の危機管理が、今後ますます問われるのではないか。                   名大生の殺人事件にも驚いた。中学生時代からの殺人願望。そして高校時代の同級生への毒薬付与と斧の収集など、異常性は極まっていたのに、悲劇が起きるまで誰も気づかないままだった。大学入学後もネットへの投稿など、異常性が見られた。化学薬品に対する知識も半端ではなかったようだ。殺人の対象は誰でも良かった。彼女は捜査陣に対してそう話していたようだ。嘆かわしいことだが、国立大学学生による犯罪も今では珍しいことではなくなった。  後藤さんも女子大生も仙台出身とのことで、両方の事件は全国版と地方版の両方で観ることになった。それだけ関心が深まったのは当然だ。そしてネットには色んなことが書かれていた。女子大生はまだ19歳だと言うのに、本名、出身高校、所属学部、所属クラブも分かった。後藤さんの方も本名、奥様の名前、出身大学と学部、修士論文のタイトル、勤務先などが分かった。恐ろしい時代になったものだ。イスラム過激派もネットを駆使し、犯罪に利用している。                   横綱白鵬のクレームも物議をかもした。大相撲初場所、優勝がかかった一戦での取り直しの一番。その審判に苦情を言ったのだ。「あれは子供でも分かる」。だが優勝回数の新記録を達成した大横綱の言とは思えない。他の力士の模範となるべき存在の者が、採るべき態度ではない。協会から親方を通じて注意があり、故大鵬親方の夫人からも忠告があり、白鵬もその後謝罪した。ただ、千秋楽の土俵上で、奥様の協力に感謝したのは素晴らしいことだったと思う。  イチローの所属が決まった。マリーンズの首脳陣が5人も揃って日本まで訪れ、イチローに背番号51が入ったユニフォームを手渡した。4番目の外野手としてマイナースタートになるようだが、異例中の異例の歓迎ぶり。彼は言う。「大リーグ3千本安打が目的ではない」と。さらに「日本人ファンに応援を頼むのではなく、その期待に応えられるような準備をしたい」と。41歳の彼には、きっと失うものなどないのだろう。頑張れ、イチロー!!

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