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マックス爺のエッセイ風日記

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2018.08.30
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カテゴリ:人生論
~新たな世界へ~

               

 真冬のある日、クリーニング店主から短歌会を紹介された。話が進み2月の例会から出席する運びに。それ以前にも短歌を詠むことはあったが、知識も語彙も乏しく、全くの自己流。それが結社に入って本格的な歌を詠む。自分にとっては予想外の展開だ。それでも家に引き籠っているよりはよほど気晴らしになるし、新たな出会いがあるかもと期待が膨らんだ。

  

 短歌会の雰囲気は良かった。他にも新人が入会して、一気に賑やかになったようだ。新鮮な感覚。毎日書いているブログでも言葉や文章は磨かれるだろうが、韻文は散文とは異なる文学で約束事もある。作歌と言う知的作業に、私はたちまち夢中になった。伴侶になりそうな相手は見当たらないが、他の人と話し、コミュニケーションするだけでも心身の健康向上につながるはず。

              

 3月、私は新たな行動に出た。市の広報に載った「俳句教室」への応募だ。結果は採用で、4月から月1回の教室へ通うことに。俳句は自己流で作った経験はあるが、「季語」など無視してのもの。不安と期待ともども、恐る恐る教室へ出向いた。指導者はとても厳格そうな男性。もらった名刺には俳句塾の他に、囲碁と居合道も掲げられていた。かなり古風で頑固そうな感じ。さて一体どうなるのだろう。

  

 座席はどこにしようかと周囲を見渡し、瞬時に場所を決めた。ある女性の隣が空いていた。表情と全体から発散される雰囲気から、これは良いぞと確信。それがヌサマイさんとの出会いだった。前年度から継続している受講生の様子では毎月1作品を提出し、講師から評価を受けるのがルールみたい。その月に彼女が出した句は、ある場所で見た初桜を詠んだものだった。一瞬、ええっと驚く。

             

 そこは歴史的には重要だが、淋しい岬へ向かう山道。滅多に人が行くような場所ではない。なぜそこへ彼女が行ったのだろう。親切にスマフォで地図を示してくれたが、私は観なくても分かっていた。今までに4回は訪れ、別れた妻との苦い思い出がある曰く付きの場所だったからだ。何と言う偶然。まさに運命的な出会い。その時、そう確信した私だった。これだから人生は不可思議。

  

 翌月から私も作品を提出し、講師から評価をもらう立場となった。5月のヌサマイさんの句は、山の情景を詠んだもの。驚いて尋ねると、彼女が本格的な登山愛好者であることが判明。私も少しだけ山の話をした。講義中なのでごく短時間で小声。それでも2人の距離がグッと縮まった感じ。こうして月1回の俳句教室が、私にとってはとても待ち遠しい存在に変わった。<続く>





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Last updated  2018.08.30 00:00:28
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