テーマ:★人生論★(325)
カテゴリ:人生論
~生き様それぞれ~
歯科の待合室で1冊の本を手に取った。『大家さんと僕』。あらら、今話題の漫画ではないか。何と言うほのぼのとした内容なのだろう。一見不器用そうだが、実際は丁寧に描いた絵。恐らく作者の実話なのだろう。作者はお笑い芸人「カラテカ」ボケ役の矢部太郎。東京学芸大学国際教育学部卒業で、父は絵本作家のやべみのりさん。この大家さんが最近亡くなったことは知っていたが、まさかの場所でこの本に出会うとは。 つい先だって亡くなられたばかりの希林さん。TV局では早速追悼番組を編成する動きがある由。ともかく話題の豊富な方で、以前の芸名「悠木千帆」を入札で売却したこともあった。また記憶に残るコマーシャル「美しい人はより美しく、そうでない方はそれなりに」。その後半部分は、撮影当日現場で彼女自身が修正したものとか。いかにも彼女らしい気遣いだ。 乳がんが全身に転移し、闘病しながらの芸能活動だった彼女。その苦しみを人に見せず、飄々と生を楽しむ風情。だが死の40日ほど前の番組で、「体重が10kg減り、身長が7cm縮んだ」と話していたのをつい最近知った。夫内田裕也は妻の訃報を知り、「急で言葉が出ない」と、人を避けていた。その彼が昨日長く別居した妻の死を悼む、とても短いコメントを出した。心の中で謝っていたのだと思う。 ついに2人は結ばれるのか。生まれた日も同じで、子供の時からずっと一緒に暮らして来た2人。それが高校卒業と同時に、別れ別れの生活へ。そしてそれぞれに人生の転機があり、お互い離婚も体験した。その2人が今は共同である事業に立ち向かっている。「そよ風のような扇風機造り」だ。ご存じ楡野鈴愛(にれの すずめ)と萩尾律(はぎお りつ)が主人公の朝ドラ、『半分、青い。』だ。 律が鈴愛にプロポーズしたことがあった。まだ若い鈴愛は断った。幼馴染としてあまりにも身近な存在だったのだろう。笛を吹けば、いつでも鈴愛の所まで飛んで来た律。転職に転職を重ねる鈴愛と、大会社を辞職し重大な決断をした律。まだ18歳の永野芽郁が高校生から40過ぎの女性を演じる凄さに驚く。ドラマは残り10回を切ったが、今後どう展開するのか最後まで目が離せない。 短歌の会を辞めて以降、一首の歌も詠んでいない。一方の俳句も、これまたさほどではない。ただ月に1度の俳句教室に提出用の句だけは準備した。今月も沖縄をテーマにした作品で行くはずが、その後思い直した。季節は秋。数ある中から選んだ季語は「月」。さて、それを一体どう用いるか。 <平山郁夫画伯 シルクロード> 6月に旅した際に訪れた、高野山の普賢院。句はそこに祀られていた仏舎利をテーマにした。 秋天や舎利東漸の旅終へり 仏舎利の旅終りけり月の秋 釈尊の骨小さくて天に月 わざわざネパールまで出向いてお釈迦様の子孫から受領し、パミール高原を経由し、三蔵法師が通った仏教伝来の道シルクロードを経由して高野山に迎えた仏舎利。その長い旅路を脳裏に思い描いて詠んだ。ここまでは以前ブログに載せたものの納得が行かず、苦悶はさらに続いていたのだ。 天に月釈尊の骨小さくて 月一ついかにも皓き釈迦の骨 *しろき 月明やあまりに皓き釈迦の骨 と来て、最後に落ち着いたのが 月明やあくまで皓き釈迦の骨 であった。「皓」は訓読みでは「しろい」だが、音は「こう」で『明眸皓歯』(めいぼうこうし)と言う美人の形容もある。歯が「しろい」だけでなく、清く輝くの意味を有し、尊い仏舎利に相応しいと感じて用いた。秋は深まり、歌や句を詠むには極めて佳い季節となった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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