マックス爺のエッセイ風日記

2019/12/05(木)00:00

旅・歴史と美を訪ねて(20)

旅、温泉(359)

~足立美術館の日本庭園~     主に山陰を巡った旅日記も20回目となった。そろそろゴールが見えて来た感があるが、最後まで油断は出来ない。さて今日は過去2回に亘って紹介した「足立美術館の日本庭園」の最終回。もう全部吐き出しての大盤振る舞いだ。     しかし、ここは凄いところだ。背後の山を借景とするため、全部買い占めて美術館所有にしたと言うのだから、その意気込みが分かろうと言うもの。つまり借景に変化が生じてはいけない。そのため借景ごと管理し、不動の景観を維持しようと言うわけだ。     足立美術館の日本庭園へ入場者が足を踏み入れることは出来ない。ほとんどの景色は館内のガラス越し、窓越しに鑑賞するのがルール。だから観客は、まるで「額縁」に入ったような庭園を観ることになる。          ほらね、これなんかがそう。でも観客が不満を持つことはない。毎日のように丹念に手入れされた庭園の美が、その欲求不満を上回るのだろう。     専属の庭師が20名以上勤務してると聞く。だから庭園にはゴミどころか枯葉一枚落ちていない。それだけ開園前の整備が厳しい証と言えようか。       良く見ると背後の山の中腹から滝が落ちているのが分かる。庭はその自然の一部。創設者はそう言いたかったに違いない。      庭の一木一石に何一つ落ち度がなく、整然と治まっているのが凄い。まさに静謐そのものだ。     私たちがここを訪れたのは10月末。山陰の平野部にも、ほんの少しだけ秋が訪れたみたい。       レストランの横に池があり、来館者はそこまで行くことが出来る。                  10月末と言うのに、スイレンの花が咲いていた。          そして良く太った鯉が悠然と泳いでいる姿は、まるで一幅の日本画を見るようだ。       敷き詰められた白砂と飛び石の配置が心憎い。                                美しいものを見ると人は誰もが寡黙になり、庭は自然の一部と化す。                    建物の外に出るのを許された場所に佇む無言の観客たち。その姿を撮る私も観客の一人だ。          名物「額縁庭園」を最後に、足立美術館日本庭園の紹介を終えることとしたい。<不定期に続く>

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