ケンカ。家に帰ると夜勤明けで眠っていたパパがテレビを見ていた。"どうせなら一泊してくれば良かったのに。" なんだか嫌味に聞こえた。 その理由は私自身の中にあるのに なぜかパパに八つ当たりした。 "それって嫌味?" 言った後、すごい後悔した。 嫌味に聞こえたのは なんだかんだと理由をつけて 病院へいくことをやめたことを少し後悔していたことと 息子がガンではないだろうか。 そんな予感がすることへの恐怖があったからだ。 今日は誕生日だった。 20代最後の誕生日。 そんなことはお構いなしに 息子のあごの下は昨日よりも更に大きくなっていた。 パパは私たち家族には優しい。 会社の一部の人の間では 怖い人と思われているのが嘘と思うほど優しい。 優しすぎて優柔不断に思えるくらい。 この日はパパが仕事に行くまで ずっとお互いに喧嘩口調だった。 ホカ○カ弁当を買って帰ってきたことも気に入らないし 家族が揺れている時に 保険だなんだと言っている私が信じられないと言っていた。 確かにそうだ。 あのころの私はいったい何を思って 何をしたかったんだろう。 人は何かがキッカケで変わるんだ。 キッカケがあれば変われるんだ。 全ては経験なんだ。 今だからそう思う。 |