テーマ:悪性リンパ腫(653)
カテゴリ:治療記録
主治医と、父、私、夫とでの面談。
母の病状説明と、その告知について。 きっとよくなる、必ず治ると信じている母に、ずっと病状告知をするか悩んでいた。 父は「お母さんの姿を見ていると、とても本当のことは言えない」と弱弱しく繰り返す。 「お父さんは自分の時は、正直に告知して欲しいと言うのにずるいね。 私はお母さんが尋ねなければ、こちらから話す必要はないと思ってる。 でも、問題はお母さんから尋ねられたとき、嘘をつきとおせるか自信はないよ」と私。 主治医は、母への対応は家族一致していないとよくない、 父は言えない、私は言ってしまうかもしれない、では困ると言った。 でも、どんな対応をするか決めたとしても、その場になったらわからないじゃないかと思う。 人と人とが真剣に向き合うとき、マニュアル対応はかえって邪魔になる。 「本当のことを言うことで、あなたの気持ちは楽になるかもしれませんが、お母さんの気持ちを第一に考えてあげて下さい。言われたお母さんの辛さをあなたが変わりに背負ってあげると思えませんか。」 と以前、主治医に言われ、いったんはその言葉に納得もしたけれど、言うことだって辛いし怖い。 言ってしまうことで母が嘆く姿を受け入れることが出来るかと、逃げ出したい気持ちにもなる。 言うことは、相手を受け入れる責任を自分が持つということだ。 元気になった時を考えてるときが一番楽しい、という母の気持ちを考えると、私が母の希望を奪ってしまうようで、言うのはとても辛い。 でも、告知は父の意見を尊重しようと決めた。 「お父さんの意見でいいよ、私はお父さんの意見に従う。 お父さん、他に何か言いたいことない」と尋ねると 今まであまり話さなかった父が、疲れたようにぽつりと 「お母さんね、もうすぐ退院するつもりだから、家の改修工事をしてくれとうるさくて。 だから来週、トイレを和式から洋式トイレに変える工事をするように今日業者に頼んできた。」と言った。 私はびっくりした。 母のメモ帳には元気になったとき、したいこと買いたいものがいっぱい書いてある。 今、母はそれらを少しづつ、実現させようとしている。 先日も、母に何度も何度も頼まれて、退院したら使うという調理器具を通販で購入した。例え使えなくても、それで母が満足するならと。 それが今度は家の改修工事にまで至るとは・・ でも私以上にびっくりしたのは主治医だった。 「えっ!!、そんな風にお母さん思ってらっしゃるんですか。 そういう心の状態はまずいですね。 やはりある程度、病状告知はした方がいいでしょう。 お父さん、それでいいですか。」 今までは、どちらかといえば、病状告知については反対の態度をとっていた主治医が父の話を聞いて、初めてきっぱり提言した。 私は、主治医に何度も「母は元気になるつもりでいます。先生を信頼して、先生の言うとおりにしていれば治ると信じています。」ということを伝え、その母の態度を危うく感じていたのだが、主治医にはうまく伝わっていなかったと初めて知った。 その主治医の一言で、父も承諾し母に病状告知をすることになった。 ただし厳しい告知ではなく、ソフトにとお願いして。 「退院、外泊は難しいこと、抗がん剤は効いてないこと、今後も今の状態では抗がん剤治療は行えないこと。これだけは、伝えます。」と主治医は言った。 どうなるんだろう、 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 29, 2009 01:22:31 PM
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