”演劇”的空間

2005/08/06(土)16:56

S高原から

演劇(73)

少し前(7月24日)のことですが、北九州芸術劇場の小劇場で平田オリザ作・演出の「S高原から」を見た。 この作品の初演は、1991年の秋。 病や死を比較的正面から扱うというコンセプトで当時20代後半だった平田オリザが創った作品である。 今回は、再々演であり、キャストも青年座の若手中堅の俳優のみであった。個人的には、始めてみる役者さんばかりであった。 私も、青年団は3作目であり、熱心な青年団ファンって訳でないが、小劇場の雰囲気を味わいたく出かけてみた。 席は、6列目の真ん中。 いつもながらに、静かなスタートだ。サナトリウム=療養所の休憩室だろうか。入院患者が二人寝ているところから始まる。入院患者が通り過ぎる。そして、次々と訪れる見舞い客。いつまだたっても、療養所から抜け出せない患者たち。そこには、死と向かい合う人がいる。療養所では、次に死ぬ人は誰か話題となっている。 見終わって、なんだか、虚しい気がした。病や死の扱う芝居に正直少し疲れたのかもしれない。もちろん、笑いはあったが、なんだか少し虚しい笑いのような気がした。まだ、こうした作品と向き合う準備が出来ていないのだろうか。

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