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2005.03.02
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カテゴリ:私の乳がん
日記の続きです。

傷口をちらっと見た日の午後はなんにもする気になれず、ただただベッドに横になっていました。気が付くと無意識のうちに涙がでていて、感情は無なのに涙だけがつたっているその感覚が妙に不思議だったのを覚えています。

その日の午後2時半ごろ、突然病室のドアがあいて、おとうさんがお見舞いにきてくれました。主人のおとうさんですから、私にとっては義理の父です。おとうさんは昭和一桁生まれの、ずっと公務員をしてこられたかたで、とても几帳面で強面で無口で厳しいひとで、結婚10年たってもなかなか打ち解けて話をするきかいもなく、なんとなく距離の遠い近寄りがたい存在でした。そのおとうさんが一人でわざわざ地下鉄を乗り継いでお見舞いにきてくれました。正直びっくりしました。でも、とても嬉しかった・・・。一番心が弱っているときに偶然かもしれないけれど、お見舞いにきてくれて、しかも少し距離のあるおとうさんだったから、気持ちがシャンとして笑顔を作ることができました。今思えばこれが、私の両親や主人だったら、ただ泣きじゃくっていただけかもしれませんが、きっと神様が「しゃんとしなさいよ」とメッセージをくれたような気がします。
無口で強面のおとうさんが2時間もの間、ずっとおしゃべりしていてくれました。私はほとんど相槌を打つ程度で、私を元気付けようとずっとおしゃべりしていてくれました。2時間もお父さんと二人きりで顔を合わせていたのは初めてのことでしたし、なにより、おとうさんがそんなにも私に対しておしゃべりしてくれていることが、正直驚きでした。おとうさんが帰ってしまってからは寂しさというより、勇気が湧いてきました。そして、自然に、「こんな風に支えてくれている人たちが私には大勢いる。自分のため、だと思うとがんばれないけれど、そうだ、私を勇気付けようとしてくれている沢山の人たちのために、がんばろう」と思えました。すると、主人や子供たち、両親や沢山の友人たちの顔が浮かびました。いつもいつもそばにいてくれる主人と子供たち、両親。子供たちのことは心配しないで!と送り出してくれた近所のママ友達。電話の向こうで私の変わりに泣いてくれた中高校時代の友達。東京から新幹線に乗って勇気付けにきてくれた、ママ友達。京都からわざわざ手術前日に飛んできてくれた親友。私はそばにいられないからと変わりに抱きしめてね!とかわいい子犬のぬいぐるみを送ってきてくれた友達。おせんべいが食べたいよ~とわがままを言ったら即効もってきてくれたママ友達。心底心配して勇気付けてくれた英語講師のお仲間、そして先生方。たっくさんの顔が次から次へと浮かんできて、体中に暖かさが戻ってきた気がしました。そしてパパ(主人)に電話しました。

「今日夜に傷口を見たいから、そばにいてくれる?」



そして、その夜・・・。

その瞬間私は泣きませんでした。
そしてパパがこういってくれました。

「ママが一生懸命戦った勲章だよ。大切にしようね、がんばったね・・。」

私が泣かなかったかわりに、パパが泣いてくれました。あ、でも私の前でじゃなくてね。一緒に傷口をみた直後に「ちょっとたばこでもすってこようかな~」と部屋を出て行ったので、たぶん私の変わりに泣いてくれたんだと思います。






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Last updated  2005.03.04 10:10:26
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Asaちゃん@ お久しぶりです~!! セコセコまちこちゃんさん コメントあり…

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