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カテゴリ:惚れ薬
無事に刀の戻った樋津家では大殿さまの肝いりで四日四晩に
渡って祝賀の宴が繰り広げられました。 まず第一日めは殿さまと大殿さまだけの二人だけのもので、 そのあくる日の宴にはこの事件に直接に関わった者達が加わ りました。 棟玄坂兄弟に黒井半介、乾家老といった顔ぶれです。 そして三日めと四日めは家中の者すべてが日替わりで交替し て参加するという大宴会になりました。 家宝紛失事件に大殿さまの関与があった事を知らない家来達 ですが、家宝が無事に戻ったことは知らされています。 御家安泰の安心もあって、家来もその家族達の間にも笑い声 が起こり、冗談が絶えません。 庭先でやっている餅をつく音や、そのかけ声などが祝いの席 にまで届き、皆の気分を一層高めます。 Photo by (c)Tomo.Yun 末席にはかねてから樋津家に出入りしている商人や職人など も顔を連ねてい、その中にはこの一件で樋津一万石に食込む ことが出来た新顔の桑田屋の姿も見えます。 踊りだす者もいれば渋い喉を披露する者もいて宴たけなわ、 ほとんど無礼講と化した宴席ですが、その中で一人心ここに あらずといった様子の桐屋丑蔵、さっきから飲み食いの手を 止めています。 ・・・・・・・惚れ薬(六十七) にほんブログ村ランキング参加中 このお話し、こちらが第一話めとなっております。 途切れることなく続けてご覧になれます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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