クコ◆葉、実、根いずれにも強壮効果があるため、一時期「クコ健康法」がブームにもなった。◆【薬効】 強壮/精力増強/疲労回復/動脈硬化予防 ●湿気を好む生命力旺盛な植物 ナス科の落葉低木で、1~2mの高さに成長します。 全国各地の道端、野原、浜辺など、湿気のある場所ならどんなところにも自生する、生命カの強い植物で、いけ垣に使っている家もよくあるようです。 夏に葉を虫に食いつくされて枯れ、秋にまた新芽を出します。9月ごろ花を咲かせ、やがて実をつけます。果実はグミに似ていて、熟すと赤くなります。 実、葉、根のすべてに薬効があり、野草にしては風味があるので、食べてじつにおいしいという、すばらしい植物です。 ●強壮・強精に棄を料理に使う クコは、葉を生のまま、あるいは調理して食べれば、強壮・強精に効果があるといわれます。 若葉はおひたしやあえ物、みそ汁の具にしてもおいしいもの。 葉をゆでてきざみ、ご飯にまぜたクコ飯もなかなかおつなものです。 これも薬効がある料理とされています。 ほかに、さっとゆでてふきやうどといっしょに酢の物にしたり、野菜炒めのなかへ加えたりと、いろいろな料理法があります。 野草のなかでは案外抵抗なく食べられるものですから、ふだんからいろいろなかたちでとるようにしましょう。 ●強壮剤として用いられてきたクコ 中国の古い薬学書『神農本草経』のなかには、命をやしなう薬として、このクコがとりあげられています。 中国では古代から、強壮薬、長命の薬として用いられてきました。クコ、サイカチ、アケビの葉をまぜて作った茶を飲んだ人が、200歳まで生きたという逸話があるほどです。 日本には平安時代に伝わり、文徳天皇はクコの葉を栽培する専用の庭園を持っていたといわれています。 この庭園の管理人はいつもクコをとっていたためか、120歳まで生きたといわれますから、中国でも日本でも、クコの薬効はおおいに評価されていたのでしょう。 強壮剤として用いられてきたのは、クコがもつ血液を清める作用のためです。 ●クコ茶は疲労回復に効果がある 葉は陰干しにして煎じるとクコ茶になりますし、実は「クコ子」、根は「地骨皮」という漢方薬になります。 地骨皮とは、クコの根が骨のような形をしているところから名づけられたようです。 葉はいつ摘むかが問題。 春に摘み、干して煎じた茶は、疲労回復に効果があるとされています。 一方、夏すぎの新葉で作った茶は、冷え症に効くといわれます。 しかし、摘む時期はどうであれ、クコ茶には胃腸を強化するはたらきがあるので、飲みつづけていれば体力もつき、からだのいろいろなトラブルも自然に解消するでしょう。 クコ子にはビタミンB1、B2、ルチンなどが含まれているため、これをとっていると血管がじょうぶになり、動脈硬化などの予防にもなるといわれます。地骨皮は煎じて飲むと、せきやたん、解熱に効果があるといわれています。 ●クコ酒は強壮効果のある薬酒 薬酒として有名なクコ酒は、熟した実から作ります。 これはくせがなくて飲みやすいのが特徴で、疲労回復、強壮などに効果があるため、よく飲まれています。ハチミツなどを入れて、水や湯で割って飲んでもいいでしょう。 |