吉野 弘さんの詩をいただいて
50代になってからの、同級会だったと思います。一人の方が、美しいペン習字で吉野 弘さんの詩を書いてきて、皆さんに配ってくださいました。 今日は、それを記します。 二人が睦まじくいる為には愚かでいる方がいい。 立派すぎない方がいい。 立派すぎることは長持ちしないことだと気づく方がいい。 完璧なんて不自然なことだとうそぶいている方がいい。 二人のどちらかがふざけている方がいい。 ずっこけている方がいい。 互いに非難することがあっても、非難する資格が自分にあったかどうか、 あとで疑わしくなる方がいい。 正しいことを言う時は、少し控え目にする方がいい。 正しいことを言う時は、相手を傷つけ易いものだと気づいている方がいい。 立派でありたいとか、正しくありたいとかいう無理な緊張には、 色目を使わずゆったりと豊かに光を浴びている方がいい。 健康で風に吹かれながら、生きていることの懐かしさにふと胸が熱くなるが、 黙っていても二人にはわかるものであって欲しい。 私は、感動してしまって、同級会の最中に、何度もこの詩を読み返していました。すると、お隣に座っていた親友が、「 ○ ○ さんは、よく読むことができるね、私、こわくて読むことができない…。」「 ???…。 」