|
カテゴリ:カテゴリ未分類
こんにちは、吉田です。
今にして思えば、高校時代はつねに一触即発の“エネルギー”をため込んでいた時期でした。日常の些細なことから将来に対する展望に至るまで、ありとあらゆることでモヤモヤし、イライラを募らせていたような気がします。 バイクの免許を取ろうとして一筋縄ではいかなかったこともそうですが、何事もうまくいかない……。焦燥感と失望感がないまぜとなった、なんとも表現しようのない“苛立ち”に満ちていました。 それはハイティーン特有のものだったのかもしれません。何かがきっかけとなって、瞬時に“スイッチ”が入るという気の短さも、今で言うところの「キレる」という“現象”でしょう。一事が万事、そんな調子でした。 “雪中運動会”での一悶着にしたって、後で冷静に考えると、僕の誤解のような気もしていました。“ハイティーンブギ”の彼が自分を蹴った“犯人”と勘違いし、勝手に吠えまくっていた可能性がありました。 でも、当時の僕はそんなことをいちいち気にかけることもしませんでした。“三歩歩くと忘れる”ほどの、鳥並みのいい加減さで生きていました。ですから、後日、彼に対し謝罪もしてません。それどころか、顔も忘れてしまいました。向こうにしてみれば、校内の廊下ですれ違ったとき、僕がシカトしてるように感じたのではないでしょうか。 小さなエピソードをひとつひとつ心に留めておくには、“事件”が多すぎる日々でした。 そうして月日は流れ、僕は大学への進学決意を固めたものの現役合格は果たせず、札幌の予備校で浪人生活を送ることになりました。予備校生のための男子寮に入り、一年間は死に物狂いで受験勉強することを心に決めました。1983年春のことです。まだ桜は咲いておりませんでした。 慌ただしい毎日がスタートしました。一に勉強、二に勉強、三、四はもちろん、五も勉強……という感じで、自分でも信じられないくらい“ガリ勉”な生活リズムが刻まれつつありました。 そんなある日……。寮の食堂で食事をとっていると、何者かに背中をパァーンと叩かれ、親しげに話しかけられました。 「よぉー! 久しぶり!!」 飲み込もうとしていた味噌汁が鼻に入りそうになりました。声の主を見上げてみたら……、誰だかさっぱりわからない……。困惑する僕の表情から察したのか、彼は自ら“自己紹介”を始めました。 「俺だよ俺! 同じ高校だろ?」 はぁ!? まだよくわかりませんでした……。 「“雪中運動会”でケンカしたべや?」 “雪中運動会”でケンカ!? はて、なんのことやら……? 高校時代のケンカなんて日常茶飯事。いちいち覚えてませんから、すぐには思い出せませんでした。 漬け物をコリコリかじりながら、しばし黙考……。それを飲み込むころ、ようやく記憶がよみがえりました。 コイツ、あんときの“リーゼント野郎”かぁ。 そのときも相変わらず、彼の頭はリーゼントでした。僕があのときのことを思い出したことが余程うれしかったのか、満面に笑みをたたえていました。 「同じ寮だったんだな。これからよろしくな!」 握手を求められ、それにこたえました。 彼の名が「ユウゾー」であること、そして、CBX400Fを所有していることは、そのとき初めて知りました。 高校在学中はたった一度の“接触”しかなかったヤツと、今度は毎日顔を合わせるハメに(笑)。 窓の外では、そろそろ桜がほころび始めていました。 <つづく> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年05月05日 16時00分47秒
コメント(0) | コメントを書く |