イラン戦争終了、日経平均7万円突破
世界に混乱を招いたイラン戦争がやっと終了する公算。世界秩序を乱し、国際法を違反してまでやりたかったことは何か。そしてその目的は達せられたのか。甚だ疑問である。悪化した悪性のインフレは暫く続き、年初は利下げ実施見込みで合ったアメリカも、利下げどころか利上げをするかどうかという状況。インフレに苦しむ東アジアは、元凶のアメリカ様から、中東より質の悪い石油を高値で購入しなければならない状況。インフレは進むが、株は上がる。インフレ時に資産を守る一番手っ取り早い方法は、株式だからだ。ハイテク銘柄の暴騰につられにつられて日経平均はぐんぐん上昇し、ついに7万円を突破。好調の企業は利益もウナギ上り。今がバブルなのかどうかは弾けてみないと分からない。分からないが、巨大AI企業に資金が集中し、AI企業間で資金を回している状況に、FRBは危機感を抱いている。金(ゴールド)の話に移ろう。イラン戦争期間中、金は軟調な値動きとなった。有事の金、というにはあまりに流動性が高まりすぎた金の価格は、それまでの歴史的な大暴騰もあって、現金確保や損失の穴埋め候補に真っ先に上がるようになったためだ。しかし、それは確かに合理的な行動ではあった。実質的に価値が不変という前提の金の実質価格は、歴史的な高値となったのだ。過去の金価格推移を分かりやすく表にしたものを参照頂きたい。1980年の金パニック買い。そのピークを既に大きく超えている。名目価格ではなく、インフレを加味した実質価格で、パニック買いのど天井、すっ高値よりも高水準で推移しているのだ。超長期的に見るとこういうグラフになる。いかに1980年のパニック買いが強烈だったか、そしてそのピークを越えている今の金価格がいかに異常かがよく分かる。この要因は下記と考えている。・基軸通貨ドルの信用低下・中央銀行の強烈な金買いどちらも構造的なものだ。基軸通貨ドルの信用低下に焦っているのは、他でもないアメリカだ。アメリカは自国の通貨が基軸通貨でいられるためには、なりふり構わない。ドルが基軸通貨でなくなったとき、それは自国が覇権国家ではなくなるときだ。次の覇権国家を狙っているのは当然中国。中国は、BRICsや反米国家とともに、ドル以外の決済方法を確立しようとしている。しかし現実は、ドル決済比率、SWIFT比率、外貨準備比率、などを見ると、まだドルが圧倒的だ。そのため、ドル以外の決済方法を確立しようとすれば、価値の保証として、金(ゴールド)が必要になる。また、それ以外の国家も、ドル以外の価値の保全資産が必要になる。その流れで、中央銀行の強烈な金買いが行われている。これは、構造的なものだ。一時的な買い需要ではない。中央銀行のネット購入量(購入量-売却量)がどのような推移になっているか、それに対して金価格がどのように推移しているかを表したグラフを下記に示す。中央銀行のネット購入量と金価格には強い相関があることが分かる。中央銀行の買いが全体の買いに対してどの程度の割合なのかを表したグラフを下記に示す。2026年は1Qを年換算した。かなりの強烈な買い支え(買い上がり)となっていることが分かる。金価格は、歴史的高水準である一方、それでもなお構造的な買いが入りやすい状況となっている。いずれバブル化した金は大天井を打つだろう。今年1月の高値から28%下落して、目下調整中。数ヵ月の中調整なのか、数年続く大調整なのか、それは誰にも分からない。今年1月に大天井を打っていたのか、それとも、今回の調整は一時的なもので、これから更なる高値を更新し続けるのか、それは誰にも分からない。僕は、金はまだまだ高値を更新すると考えている。市場は、市場は金を買っているのではなく、法定通貨を売っている。実質価格では既に1980年のパニック買いを超えているが、それでもなお中央銀行は買い続けている。市場が過小評価しているのは中央銀行需要なのか、それとも市場が過小評価しているのは法定通貨への不信そのものなのか、僕にはまだ分からない。ただ、現時点では後者である可能性が高いと考えている。もちろん、この流れが5年、10年続くとは限らない。しかし少なくとも現時点では、短期的な投機需要よりも構造的な要因が支配しているように見えるからだ。