「株で幸運をつかむ」
この本は過去に『むぎゅ。』でも紹介しました。
中身がスッカラカンでよく200ページ超に膨らましたなと感心してしまう位ですが、なんと5位にランクインです。
この本は長期投資の心得を木を育てる庭師の心得に準えています。
色々あるけど慌てないで気長に成長するのを待ちましょう、というような内容が延々と綴られているだけです。それ以上でもそれ以下でもありません。
「何もしないで良い時に売り買いを控えないと株で成功は出来ない」と著者は言います。
曰く、「多くの投資家が感情に溺れてしまう」。
「大きな儲けがあると、楽天的で注意が散漫になる。大きな損失があると、悲観的で注意深くなりすぎる」ので「自分をコントロールできるように」努める必要がある。
書いてある内容は当たり前のことで、目新しいことは何もありません。
落ち着いて何もしないことを学ぶこと。基本に忠実にしていれば、長期的に優れたパフォーマンスを得ることはそれほど難しいことではない。そう著者は繰り返し述べています。
そんな事はみんな知っているのです。知っていてできないのです。
著者は言います。「適切な価格で優良な銘柄を購入し、売却するタイミングをどんどん遅くすることが自分の戦略だ」と。
著者は言います。「その会社に何も変化がないことをチェックしているなら、何も心配することはありません」と。
著者は言います。「何もしない、これが戦略上の強みです。何もしないことが一番有利な結果を生むのです」と。
「株式市場は貴方を幸せにするわけではありません。貴方にちょっとお金を儲けさせてくれるだけです」。
何もかもが天国にあるような収穫の秋を迎える為に、何が必要でしょうか。
それは、『自分の能力を精一杯過小評価すること』です。『自身や虚栄心を捨てること』です。『兎に角、じっと辛抱すること』です。つまり、『分からないこと、自分ではコントロールできないことに対して、謙虚な気持ちで、畏怖の念を持って望むこと』です。
どうです、簡単でしょう?
株式市場のことを良く分かっていると思い上がるのではなく、畏怖や尊敬の念を持って接することです。庭師が自然に対して畏怖や尊敬の念を持って接しているように。何もかもがうまくいっている時でも自分が知らないことが無数にあるということを知っている、より正確に言うのであれば、自分が殆ど何も知らないということを知っている、そういう賢さがあることを知ることが重要なのだとこの本は繰り返し繰り返し述べています。