バリュー投資に騙されるな！

株価下落で不安になり、感情をコントロールできずに売る必要がないのについ安値で投げてしまった。
こんな経験がある人も多いのではないでしょうか。

それで、昔は感情をコントロールできなかったけど、今は上手にコントロールできるようになった。
そのように感じている人も多いのではないでしょうか。

しかし、残念ながらそういう人はコントロールできているつもりになっているだけ、です。
こういってしまうと身もフタもないですが、株式投資において感情をコントロールできるかどうかは経験ではなく性格なのです。感情のコントロールが上手になるのを待つより、その不安定な感情の波を受け入れ、その性格に合った投資手法を模索した方がずっと建設的です。

投資歴が長い有名な投資家でも感情のコントロールができておらず、非常に見苦しく意見をコロコロ変えている人がいます。そのような人はそのような性格の人だということです。その性格を巧く認識したうえで投資を行えば、優れたパフォーマンスを得ることができます。
逆にそのような性格であることを受け入れず、自分が感情をコントロールできていると思って投資をしてしまうと、何れ相場転換期などで大きな痛手をこうむることになります。

自信満々に相場を語る人は、そうならなかった時に意見を大きく変える柔軟性が必要になります。逆に言うと、この柔軟性がない人は自信満々に相場を語るべきではありません。

まぁ、自信満々に相場を語るような人は詐欺師か何れ致命的な損失を受ける人ですので、余り傾聴する必要はありません。適当に指さして笑ってやるくらいが丁度良いでしょう。

僕は自信満々に相場を語る人で、長期的に一貫した主張をしている人を知りません。
もし例外があるようなら、是非とも教えて頂きたいです。

「今は簡単な相場だ」「こうすれば良いだけ」などというようなフレーズを好んで使う投資家はコロコロ意見が変わります。正に朝令暮改です。状況が変わったとか、空気が変わったとか、なんだか良く分からない理由でそれまでの自信満々の見解を簡単に覆します。そのような一貫した主張ができないタイプの投資家しか自信満々に相場を語ることができないんですね。

自信満々に相場を語り、そしてその通りになっていると、自信のない投資家から注目を集めますから、結構簡単に有名になります。そして良い気になってまた自信満々に相場を語り、当たったらまた同じことを繰り返す。しかし外れたり都合が悪くなったら簡単に意見を覆す。自分が信じていたのがそういうタイプの投資家だと思わなかった周りの投資家は失望したと遺憾の意を述べる。
これらは今まで何十年も繰り返されてきたことでしょうが、間違いなくこれからも何十年も繰り返されることでしょう。

先の相場動向なんて誰にも分かりません。分かっていると思っているのであればそれはその人の勘違いで、他の人がその人の勘違いに付き合ってあげる必要はありません。自信満々に相場動向を語る人が経験豊富な人なら「この人は本当に信用できない人なんだなぁ」、「今まで自分が意見を覆してきたのを覚えていないのかもしれないな」と思っておけば良いでしょう。