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時価主義・原価主義。この話抜きには厳密なROEは語れません。統一基準のIFRS。 日本は原価主義に慣れ親しんでいましたが、バブル崩壊後の失われた10年下の金融ビックバンを経て、デフレ化でアメリカ様のルールに従い、時価主義になりました。めでたしめでたし。 当時は、時価会計が、まるでバブル崩壊後の日本の復活の為の特効薬になる、そんな洗脳が行われていたものです。 本当に時価会計が日本にとってプラスに働いたのか?というと、大きく疑問です。プラスに働いた部分も当然あるでしょうが、決して少なくない数の日本企業が当時のハゲタカ様の餌食になったのは間違いありません。アメリカ様の圧力に屈し、アメリカ様に安値で日本の資産を献上し、その後に高値で買い戻したのです。「絶対儲かりますよ」という、当時小泉政権で甚大な影響を与えた竹中大臣のお墨付きで、下がり切った日本の株価は上昇に転じました。その時一緒に儲かりまくったのが、僕達初心者投資家です。 当のアメリカ様は、その後サブプライム問題で資産価値が急落して、その後どのような行動を取ったか…? この事に対して憤慨している個人投資家を、僕は未だにほとんど知りません。 果たして日本の政治家・専門家が、この事を予見できなかったのでしょうか? 歴史上、バブル崩壊後のデフレ下で時価会計に変えた国があったのでしょうか?無知な僕は知りません。 そもそも、アメリカ様は日本が変更させられたような形の時価主義ではありません。 当たり前です。時価主義の考え方には少し無理があります。決して万能ではありません。時価会計は、景気の波を大きくします。 簿価会計から時価会計への移行に対して企業が取った自己防衛が、どれだけ日本の成長を阻害したか。 結局、期末の1日だけ会計方法を変更するという意味不明の会計となりました。 論点がずれてきたので、閑話休題。 身も蓋もないですが、僕たち中期投資家にとってROEの数値を正確に出すこと自体は余り意味がありません。 (中期投資家にとってROEは数値ではなく動きに意味がある、これは重要な事です) ただ、期中に増資をする場合や、急激に純資産が変動する場合、ROEが大きく変動してしまいます。 自分が毎回計算するのであれば、同じ計算をすれば、別にどちらでも構いません。 同条件で計算したROEを時系列で見ることに意義はあるのです。 それが嫌なら、期の初めと終わりの平均を使えば良いと思いますよ。 細かいことを気にするバリュー投資家さんには、期末の純資産が幾らになるかの皮算用してからROEを算出するのをオススメします。 期の初めか期の終わり、そのどちらか片方だけで計算する場合にどちらを取るべきかは、ROE本来の意味をどう取るか?に拠ります。 何の為にROEを知りたいのか。その数値にどんな意味があるのか。自分が知りたいのはどんな意味を持つ数値なのか。 それを考えれば、自ずと計算方法が導き出されます。 どの程度の株主資本でどの程度の利益を上げたかを知りたければ、期首の株主資本を使えば良い。
どの程度の利益を上げた後でどの程度の株主資本になったかを知りたければ、期末の株主資本を使えば良い。 何も迷うことはありません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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