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これがソフトバンクGの銘柄紹介の1つ目です。 ここから順に読んで下さい。 第一弾から第九弾の銘柄紹介を読んで頂いていない読者は、先にそちらを順に読んで下さい。(お手数おかけして申し訳ありません) 過去に紹介した内容を理解されていることを前提として、今回の銘柄紹介を始めます。 銘柄紹介 第一弾 7509アイエー 銘柄紹介 第二弾 9866マルキョウ 銘柄紹介 第三弾 6060こころネット 銘柄紹介 第四弾 7865ピープル 銘柄紹介 第五弾 9994やまや 銘柄紹介 第六弾 7820ニホンフラッシュ 銘柄紹介 第七弾 9984インフォメーションクリエーティブ 銘柄紹介 第八弾 2337いちごHD 銘柄紹介 第九弾 3712情報企画 ※皆さんご存知の通りですが、この銘柄紹介は買いを推奨しているものではありません。 それぞれ毎回テーマがあり、そのテーマに適した銘柄を紹介しています。 今回のテーマは「周りのノイズに惑わされずに本質を見抜く」というものです。 賛否両論あるのを承知で、みんな大好きソフトバンクGの分析を行います。 この銘柄、とても面白い銘柄なのに、ファンダメンタル投資家でファンダメンタルについて論じている人はあまりいないですね。 きっとプライドが高いから、馬鹿にされるのが嫌なんでしょう。 詳しい人が山のようにいるので、自分の分析の浅はかさがばれるのが怖いんだと思います。自分の見解を言うと、違う見解の人から批判される可能性が高いですからね。 クソの役にも立たないプライドなんてごみ箱に捨ててしまえ! ということで、今回は色々話題の絶えないソフトバンクGについて、周りの意見と大きく違う僕の意見を、いけしゃあしゃあと述べたいと思います。 情報量が多いので、かなり乱暴に要点を書きます。細かいところで間違った表現もあります。間違った記述には自分で意図して書いているものもありますが、意図していないものもあると思います。 箇条書きにはしません。 分かり易いグラフがネット上に色々ありますので、適当に調べて不足分を各自で補完して下さい。 今回はテーマに従って、敢えて余り数字を書かないで頑張ってみます。 さて、ソフトバンクGは何をやっている企業かというと、AI関連の「ユニコーン」と呼ばれる大型ベンチャー企業に投資をしている投資会社です。 ソフトバンクビジョンファンドという超巨大ファンド、通称10兆円ファンドを運営しています。 この10兆円ファンドは、第一弾に続き、第二弾も同じ程度の規模で超大型ファンドが作られることがほぼ決まっています。 このファンドは、外からの出資の他に、自社からの出資分があります。 ファンド以外でソフトバンクGが出資することは基本的にはない、というのが方針になっています。 ファンド全体の利益のうち、出資比率の分と、成功報酬分が、ソフトバンクGの利益になります。 ソフトバンクG側でファンドの元本を保証するものではないですが、出資者によっては利回り保証があったりします。 第一弾の10兆円ファンドでは、ざっくり4割近くの出資分を優先株として、年間7%の配当を保証しています。 出資先のユニコーンは株式上場前のタイミングで出資しますので、評価額の算定が難しいです。 出資した時より評価額が上がれば、営業利益として計上します。 出資した時より評価額が下がれば、営業損失として計上します。 そのため、出資先のユニコーンの評価額が上がるか下がるか、が営業利益に大きな影響を与えます。 ユニコーンは大型ですがベンチャー企業ですので、業績変動が大きく、そのため評価額が大きく変動します。 投資会社である以上、評価額変動は重要です。しかし、一時的な評価額の変動に大きく左右される営業利益が発表される度に一喜一憂しても仕方ありません。 この類の銘柄については、発表された情報をもとに売買するようでは高いところで買って安いところで売りかねません。発表された情報をかみしめて、じっくり消化して投資判断をするようなら投資会社に投資をするのは避けた方が良いでしょう。 また、ソフトバンクG連結決算の営業利益には、当たり前ですが、連結企業の営業利益も加算されます。 連結企業は、ソフトバンクKK、スプリント、ヤフー、アーム(アームホールディングス)、などの大企業があります。 決して少なくない連結企業の営業利益の額が、ソフトバンクG連結決算の営業利益に加算されます。 これらの企業の営業利益に、ファンドの投資先の評価額変動による営業損益が加わります。 筆頭株主ではありますが、ソフトバンクGが保有しているアリババ株はアリババ全体の株式の20%程度です。 つまりアリババはソフトバンクGの連結企業ではありませんので、ソフトバンクG連結決算の営業損益にアリババの営業損益は加算されません。 これが、PERの算出元の概念。 さて、ソフトバンクGの資産は何で構成されているかというと、主には、過去に出資したことで得た株式で構成されています。※膨大にあるのれんの話は割愛。 所謂持ち株会社のように色々な企業の株を持っています。 資産の比率の高い順に、アリババ、ソフトバンクKK、ヤフー、スプリント、アーム(アームホールディングス)、その他、と続きます。 資産に占める割合が非常に大きいのがアリババで、これだけでソフトバンクGの資産の半分となっています。 アリババの保有株式評価額で、ソフトバンクGの時価総額を超えている位です。 上述しましたが、ソフトバンクKK、ヤフー、スプリント、アーム(アームホールディングス)は保有している株式の割合が大きく、連結企業の扱いです。 ソフトバンクKKやスプリントは有利子負債の多い企業ですが、この有利子負債はソフトバンクG連結決算のバランスシートに反映されます。 子会社の有利子負債はソフトバンクGにとって返済義務を負わないものですが、それらを加えるとソフトバンクG連結決算の有利子負債は保有しているアリババ株の評価額を大きく超えます。 アリババ、ソフトバンクKK、ヤフー、スプリント、アーム(アームホールディングス)、その他、の評価額と単体の保有資産を加えた資産から、連結企業の有利子負債を加えたソフトバンクGの有利子負債全体を引いた額が、自己資本になります。 これが、PBRの算出元の概念。 ソフトバンクGを論じる時に、PERの概念とPBRの概念をしっかり分けて考えておらずごちゃごちゃにしている人が多いです。 頭の中で整理ができていない。 フローとストックを混同していると、正しい現状認識ができません。 投資先のユニコーンの一つ、ウィーワークが、大きく評価額を下げたことにより、ソフトバンクGの第二四半期決算は大赤字となりました。 しかし、保有しているアリババの評価額が上昇したため、全体として株主価値は上昇しました。 利益減少によりPERが上昇したが、保有株式の評価額上昇によりPBRが低下した、という内容です。 両方を混合して考えると、状況が見えなくなります。 内容としては、実にシンプルです。 ソフトバンクGは、主に、保有しているアリババ株を担保にして、銀行からお金を借りています。 この借入金を元にして、基本的にはファンドを通じて間接的に企業に出資しています。 ファンドの運営は、レバレッジをかけてベンチャー企業に投資をしている、とも言えます。 ベンチャー企業の評価額が大きく低下すれば、レバレッジをかけている分、膨大な赤字が生じることとなってしまいます。 しかし、その膨大な赤字がどれだけ自己資本を痛ませるのか?という話です。 連結企業の有利子負債は返済義務がないから株主価値算出の対象外にして差し引いて考えて欲しい、と孫社長は考えています。 ソフトバンクGの本当の株主価値は連結企業の有利子負債には影響しない、というものです。 連結企業の営業損益はソフトバンクGの営業損益に加えるが、連結企業の有利子負債は除いて株主価値を算出して欲しい、というものです。 これは詭弁で、連結企業にするならその会社の営業損益も有利子負債も加味して考えるべきで、加味したくないのであれば連結企業にするべきではありません。 ※これはあくまで会計上の話です。決算報告書をもとにしてソフトバンクGを評価するのであれば、という話です。 そこで、全部を連結企業から外して、純粋に投資会社としてファンドの運営だけを考える場合。それは、いわゆる単体決算のようなものです。すると、随分と違った景色が見えてきます。 営業損益からソフトバンクKK、ヤフー、スプリント、アーム(アームホールディングス)、などの分を差し引き、ファンドの運用分のみを残す。 この営業利益をもとに、最終利益を算出してPERを考える。 PBRは、孫社長の要望通り、孫社長の主張する株主価値をもとに算出する。 PERとPBRの概算は、非常に簡単に算出できます。最新のソフトバンクGの第2四半期決算決算動画を見た人なら10秒で概算値が算出できるはずです。 今期上期は、大赤字のためPER算出不能、PBRはざっくり大体0.4倍程度です。 厳密には違います。違いますが大体のイメージは合ってます。 絶好調の前期はどうでしょうか。利益の約半分が連結子会社の利益なので、その分を差し引くとPERは実績値の約2倍でざっくり15倍、PBRは約0.5倍、という感じでしょう。 PERは連結企業の営業損益を加えた数値で算出、企業価値は連結企業の有利子負債を加えない数値で算出、という都合の良い数値で考えて投資をしている人が多いように思います。 特にファンダメンタル投資家。ほんと、しっかりしてくれよ。 次回に続きます。
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Last updated
2019.11.09 09:30:46
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