バリュー投資に騙されるな!

2021/05/18(火)19:57

投資の極意(終)

投資の極意の一つは、自らにプレッシャーを与えない事にある。 投資を続けていると、上手くいかないことがあるだろう。その時に多くの投資家は自分の手法を否定し、同じ間違いを繰り返さないように自らにルールを課すように成りがちである。 しかし、自らにルールを課して投資行動を制限するのは、自身にプレッシャーを与え、結果として自分自身の内面にトレードに対する抵抗を生む事になる。損切りラインの設定などはその最たるものである。 購入時に損切りラインを設定し、そのラインに到達したら売りたくないと思っても売却する。売却する理由がなくても売却する。何故ならそれがルールだからだ。それを守る事を自らが決定したのであるから、躊躇せずに売却するべきである、そういう考えに陥る。 徹底した投資行動こそ優れた投資家の条件である。ついそのように考えがちになる。そのように考えると、まるで一貫した投資行動を取る事を目的としたトレードを続けることになる。 しかし、一貫した投資行動を取る事はトレードの目的ではない。 貴方は機械じゃない。トレードの手法は自分に合った方法とするべきであり、また、自分に合った方法であるからこそ、一貫した投資行動を取ることが出来るのだ。自分に合っていない投資行動を取ることをルールにしても、自身に不要なプレッシャーを与え、自身に抵抗を生み、常に抑圧から解放されたいという気持ちとの戦いで疲労するだけに終わるだろう。自分に合った投資行動であれば、ルール化しなくても良い。 これは極めて重要なことなので、強調しておきたい。自分に合った投資行動であれば、ルール化しなくても良いのだ。 ルール化しないと従えないような投資行動であれば、その時点でどこか間違っている。 ※ただし、信用取引などの特殊な取引制限のある手法はこの対象外となる。 それらの取引の手法は常に様々なルールの制限下にあるので、自由な取引が出来ず常に抑圧との戦いとなる。 であるからこそ、信用取引で長期的に資産を増やし続けることが極めて難しいのだ。 ということで、長らくご愛読頂きました「バリュー投資に騙されるな」は今回で終わります。 気が付けば、投資を始めて今年でもう20年。毎日投資関係に費やした時間を合計すると、2万時間を優に超えている。もはやベテランの域に入ろうとしています。 断言しても良いですが、投資歴20年なんて大したことないです。2006年からの中期下落相場を知っているくらい。 まぁそう言っても、最近は中期下落相場がないまま10年経ちましたから、投資歴10年未満は短期下落相場しか知らない世界になっちゃいましたね。 そう思うと、この20年は実に感慨深い。僕が投資を始めたころはネット証券黎明期、松井やEトレ(現SBI証券)などがやっとネット取引を始めたくらい。新興市場は店頭取引でしたし、マーケットメイクなんてものもありました。同じ銘柄を何度も繰り返し売買するデイトレは制度上不可能でしたし、FXなんてものもありませんでした。簡単には外国企業に投資もできなかった。ネット上に情報などほぼ皆無でした。2ちゃんねるや個別掲示板で情報交換するのが主で、株式関連で個人のホームページは殆どなかった。株式ブログなんてものもなかった。後に有名になった投資家が2ちゃんねるでよく書き込みしていました。cisさんなんかは2ちゃんねるでよく馬鹿にされていました。2003年~2004年位になって、ネット証券の台頭と小型株式の暴騰が重なって、個人投資家がどんどん情報発信し始めた。ファンダメンタル投資家界隈ではバフェット流のバリュー投資家がブームになり、バリュー投資家のバリュー投資絶対主義の主張に一石を投じる目的で、このブログを開設したものです。 今からすれば、隔世の感があります。 この全世界異次元緊急緩和相場の終わりは、阿鼻叫喚の中期下落相場となる可能性がありますね。投資しているだけで儲かるなら、こんなにラクな世界はありません。そこに生産性の向上はあるのかい?投資家だけがろくに生産性を上げず未熟なまま、経済全体が生産性を上げ続け、株式市場が暴落するとすぐ金融政策で支えられ、株価はずっと右肩上がり、そういう世界が健全だとでも思うかい?実体経済を反映せず、ただ金融資本だけで支えられた株価を、いつまでも支え続けられるのかい?金融資本があふれ返ってバブルが来ると、行き過ぎた格差拡大が社会を不安定化させ、争いが常態化する世界になると思わないかい? そのうち気が向いたらまた再開します。 またどこかで会いましょう。MEANINGでした(^^)。 ※膨大なお蔵入り文章があるので、それらをいくつか消化してから終わりにします。  ここから先は消化試合。時間の無駄なので別に読まなくても良いです。

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