核酸☆核酸(DNA、RNA) nucleic acid<概要> 「核酸」は肝臓でアミノ酸などから合成する方法(デノボ合成といいます) と、食物からとった「核酸」を各細胞で再利用する方法(サルベージ合成といいます)があります。 従来の栄養学はこのデノボ合成による「核酸」の体内生産に注目して、「核酸」は体内で生産されるのであえて摂取する必要は無い、と位置づけてきました。 ところが、肝機能は年齢とともに衰えていきます。特に20歳を過ぎると、デノボ合成力は急激に低下して、体内に蓄えられている「核酸」の量が慢性的に不足することになります。細胞も老化していますから新陳代謝も悪くなり、遺伝子(DNA)の修復能力も弱くなります。一般的にいえば、一日に必要な核酸量は2~2.5gといわれています。 肝臓切除や傷、あるいは免疫系に関する治療中など、急速な細胞増殖や組織の成長が進んでいる状態の下では核酸の摂取が必要であると推定されています。経口摂取した核酸(ポリヌクレオシド)は消化管内で消化され、ヌクレオシドあるいは塩基を生成します。 これらは小腸で吸収された後、主に小腸と肝臓においてサルベージ(再利用)経路という過程によりヌクレオシドさらには核酸へ合成利用されます。 DNAとRNAの複合剤は記憶力が向上するのでアルツハイマーの予防や治療に利用され、うつ病、滋養強壮、老化防止、性的機能亢進などにしようされます。 RNAはL-アルギニンとEPAとともに併用して集中治療室の患者の症状改善に利用される 近年ヌクレオシドは準必須栄養素と考えられるようになっています。 <効果> ◆記憶力の向上、うつ病の治療、アルツハイマーの予防 ◆L-アルギニン及びEPAと摂取した場合、手術または重篤な疾患の回復を早める ◆集中治療室でRNAが脂肪酸、アルギニンを含む経腸の栄養剤として利用されている ◆性機能が高まる ◆滋養強壮、肌の老化防止 <科学的根拠> 大きな手術の前後に、RNAをL-アルギニンとEPAとともに経腸または経口摂取すると、回復が早くなる。免疫反応を賦活し、創部の感染が減少し、傷の治癒が早まり、回復が早まる。 Tepaske R, Velthuis H, Oudemans-van Straaten HM, et al. Effect of preoperative oral immune-enhancing nutritional supplement on patients at high risk of infection after cardiac surgery: a randomised placebo-controlled trial. Lancet 2001;358:696-701. 火傷にDNAとRNAの経口投与では他の栄養剤と効果に差がなかった。 <安全性> DNAもRNAも食物から摂取する場合はほぼ安全 RNAは皮下注射もほぼ安全 DNA/RNAの複合剤のサプリメントについては安全性に関する十分な情報はないが安全であろう n-3脂肪酸とL-アルギニンとともに経腸栄養で使用するRNAはほぼ安全 核酸を含む乳幼児ミルクはほぼ安全 妊娠中・授乳中は安全とはいえない 経口摂取したDNAは胎盤を通過し、変異原となるといういくつかの論文があります <相互作用> 他のサプリメント、ハーブ、医薬品、食品などとの相互作用は知られていません。臨床検査へ与える影響もしられていません。 ジャンル別一覧
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