その4。

お題:夜の京都徘徊紀行 北→東編

       2002 kyoto momiji2

時は秋。。しかもちょうど紅葉見頃の京都。。と、くれば通常でも常時
渋滞な京都市内。。15:10、定時に京都駅前のバスターミナルを出発し
た京都市バス17系統銀閣寺行きはすぐに渋滞に捕まった(-.-;;
しかもバスは大混雑。。そのほとんどが観光客で、会話の内容を盗み聞
くとそのほとんどが同じバス停で降りるらしい。。
四条から三条にかけてじわじわ進み、真如堂に一番近い銀閣寺道バス停
に着いたのは15:50。真如堂は16時閉門となっていたので、ここから慌
ててしかも大混雑な寺に行くのなら、いっそ目的地を変えよう!と地図
をチェック。銀閣寺から哲学の道を抜けるのが一般的な観光コースだけ
ど、Sも私も哲学の道を歩いた事あり。う~む。。と悩んだ末、方向を
全く変えて今出川通を西に戻り、吉田神社に向かう。

吉田神社とは知る人ぞ知る、平安京の北東、いわゆる鬼門に位置する鎮
護の社。その創建は西暦859年清和天皇の御世。。っていうまさに由緒
正しい神社なのだ。神社マニアなので行きたい行きたいと思いつつ未だ
機会が無かった。地図を見ながら神社を目指すが、その地図とやらが
大層大雑把だったので神域の山は見えているが目的地になかなか着け
ず。ぐる~んと回ってやっと到着(-.-;;
二の鳥居の後に控えた階段を登ると幼稚園があり、子供達の声が弾け
車座になって立ち話をする母親達の笑いさざめく声が賑やか。
その向こうに、ひっそりと、吉田神社の本宮が控えていた。
本宮の前の地面にはには直径1mくらい円形に注連縄が埋め込まれ、
その中央の地面が焦げていた。周りに結界が張られている。
どうやらここは、室町時代からずっと行われている特殊神事“節分会”
の行事の一つ“火炉式”(かろしき)に関係するものらしい。
そこにいる私達だけ。すぐそこのハズの幼稚園からの声が何故だか遠
くから聞こえるような静けさ。本宮の向こうの山の斜面に不思議な具
合に縦に夕陽が差し込み、そこにある紅葉した木々を浮かび上がらせ
ている。神域である山の気配といい、古い形式の社のデザインといい、
久しぶりになんだかゾクゾクする神社だ(^-^*
ここの節分会は本当に有名で、平安時代からの由緒正しき形式を残し
ている。特に興味深いのは“追儺式”(ついなしき)。漫画『陰陽師』
でも出てきた、四ツ目のお面を被り異形のナリをした“方相氏”によ
る“鬼遣らい”という独特の形式を持つ儀式が今でも行われている。
社務所でこの方相氏の柄のついた絵馬を貰い、波乱だらけの今年を
払い、平穏な来年を迎えられますように。。と書こうと思ったら、
なんてこった!書き間違えてしまったよ。。あうう(T-T)
神社由来と略記が置いてあったのでそれも貰う。後で見たらなかなか
読み応えあって収獲収獲♪(^-^)

日が傾きかけて逢魔ヶ刻の少し前という風情。一の鳥居をくぐり今度
は京大前を通って東大路のバス停から市バス201系統に乗り、烏丸今出
川で降りて地下鉄烏丸線に乗る。京大は学祭間近で看板だらけ(笑)
これから夜間の特別拝観に行く予定。ほとんどの夜間拝観が17:30から
開始なので、その前の一休みにど~してもど~~しても今回行きたい
お店がある北山に向かう。
17時すぎ、北山で降りて北山通を西に少し歩く。ここら辺は可愛いケ
ーキショップや雑貨のお店がちらほら続く。
徒歩数分、目的地“キャピタル東洋亭本店”に到着。今回はここご自
慢の“抹茶のモンブラン”を食べに来たのだ(^-^*
私はそれにエスプレッソ、Sは季節のタルト“さつまいものタルト”
とコーヒーを注文。店内はかなり落ち着いたいい雰囲気で、クリスマス
なんかには混みそうだね~といった感じ。まだディナーには早すぎる
時間なので空いていた。
ケーキはどちらもボリュ~ムあり。抹茶のモンブランは甘すぎず、ちゃ
んと栗の味も抹茶の味もするノーブルな味わい。色は強烈な抹茶色な
んだけどね(^.^;;さつまいものタルトも丁寧な作り。
どちらも美味い!(^-^* ところで、京都のエスプレッソはどこでもカ
ップが大きくかなり量も多い。これはとても嬉しいことだ。
しかもこのお店は飲み物のお替りサービスらしく、私もSもすっかり腰
を落ち着けて2杯づついただいてしまう(^-^;
18時すぎ、駅までの途中にあった「マール・ブランシュ」という大変お
洒落な建物のケーキショップで買い物する。ここはMのお薦めのお店だ。
ここはケーキも焼き菓子もみな美人(笑)店内でいただけるらしいので、
次の機会にはきっと!と決意しつつ店を出る。

地下鉄に乗って北山からまた烏丸今出川にて下車。ここから203系統の
バスに乗り東天王町バス停にて下車。永観堂へ向かう。
暗く曲がった道をぽてぽて歩いているとケータイにメールが入る。
なんと今年の初めに香港旅行に一緒に行ったAから、旅行以来久々の
連絡。何故か旅行中に限ってとっても久しぶりな人から連絡が入る事が
多いのはいつものことだけど、ちょっと驚いた(@.@; 
メ~ルでお返事打ちつつ進むと、だんだん人の気配が増えてきた。
そして。。永観堂前にはなが~い行列が!ただでさえ紅葉の見事さで
有名な永観堂の夜間ライトアップとあって、大混雑なのでありました。

並んで中に入る。確かに人は多いけど。。そんなことは些細な事だね、
と思えるほど、紅葉が見事見事ヽ(^o^)丿 道なりに足元に灯された
灯篭形のライトに浮かび上がる闇と真紅の、幽玄の世界。
Sは写真を取りまくる。写真嫌いの私でも、その気持ち分かる(^-^;
ゆっくりと、庭を見て歩き、紅葉を堪能する。
感動してしばし呆然としつつ外に出たのは19時すぎ。もう一箇所見な
い?とSを誘って南禅寺の横から琵琶湖疎水を横切り、岡崎を抜けて
東山方面に向かう。少し迷ったりもしたので、かなりの距離を歩くが
なかなかに風情のある道のりで結構歩けてしまう。
そして次は青蓮院へ。ここも紅葉は多いのだが、永観堂に比べれば
少ない。但し庭が綺麗だった記憶があるのでここの夜間拝観をする事
にする。時間も20時まわっていたせいか、ここは永観堂より人が少な
く、頭上の竹林を明るく、下の庭を暗めにしたライトアップが幻想的。
ただ水辺に生えた紅葉を照らすライトが時間で点いたり消えたりする
ので、その度に「あ~消えた~!」という小さな叫び声なんかも聞こ
えてついつい笑ってしまった(^-^;
空いていたので、ゆっくりゆっくり歩く。月はほぼ満月、美しい夜だ。
ある庭でTVの撮影。そういえばあちらこちらで撮影してるなぁ。。
すっかり満足して青蓮院を出、そろそろ何か食べないと!と知恩院の
前を通って丸山公園を抜け、八坂さんを見たことないというSを連れ
て八坂神社の境内を横切る。本殿前の工事も終わり、すっかり綺麗に
なっていたので、ちょっとお参りして四条に抜ける。

さて夕飯どうしよう。。昼をパスしているのでお腹はかなり空いてい
た。それに宿のお風呂が23時までなので、それまでに帰りたいけども
もう20:30近く。ど~しようか、と先斗町に紛れこむ。
なんだか空腹と疲労で何が食べたいのか分からず。Sも先斗町の雰囲
気にちょっと驚いている様子。
ちょっと見かけたメニューと店の佇まいに惹かれ、炭火焼れすとらん
ビストロとかかれた「らんまん」というお店に入る。
入った途端にふぐとオマール海老の大きな生簀があって驚くが、店内
は町家をそのまま改造したよう感じで洋風で格好いい。坪庭の横の席
に案内される。一番リーズナブルな3500円のコースを頼んで一息。。
前菜は3種。とろけるような生湯葉をマヨネーズソースで和えたよう
なもの、白身の魚(鯛?)のエスカベッシュ風、アボカドとサーモンを
クリームで和えたのを乗せたトースト。少しづつ京都らしい食材を使
って工夫してある。これにカボチャのポタージュと水菜の入ったシー
ザーサラダ。タラと白菜を使った蒸し物が出てきた。
どれもがなかなかシンプルなのに手抜き無し。味が薄味で薄ぼんやり
しているのはしょうがないとしても、なかなかの美味。
メインは炭焼き料理のチョイスで、私はトラフグのグリル香草風味を、
Sは牛ヘレ肉のグリルきのこソースを選ぶ。
トラフグのグリルは骨付きでぷりぷりな身がほどよく焼けていて、食
べずらいけど量もたくさん。本気で美味!(^-^* Sの頼んだお肉も
かなりのボリュ~ムで野菜の付け合せもたっぷり。美味し。
これにフォカッチャとバゲット、コーヒーとデザート2種盛(大変濃
厚なパンナコッタと栗がざくざく入ったアイスクリーム。幸せにな
る味♪)がついててお腹は大満足。大変リーズナブルだと思う。
これより上のコース2種はグリル料理の材料もよくなるのだが、皿
数も増えるので、女性にはちょっと多いかも。。。
でもすっかり先斗町は満喫出来た(^-^*

大満足、大充実してお店を出て時間を見ると22:20。ま、いっかと
タクシーにて宿まで戻る。宿の玄関にはスリッパが3組並んでた。
おじさんが一人帳場に座ってて、早くお風呂を使いなさいと、そん
なに急かす風でもなく言う。部屋には布団が敷いてあった。
慌てて準備しお風呂へ直行。思ったより湯船が広く、清潔なのは
いいのだが、終わり間際のひとっ風呂で洗い場がちょっと混んで
いた。でも23時すぎたからハイすぐ終わり!という気配でもない
し、ゆっくり湯船につかる。
今日はよく動いたね~~。移動距離はすごいね!でも夜のお寺と
紅葉はキレイだったね~と余韻に浸る。
ほどよく疲れて布団に入って、ほとんどすぐに眠りにつく。
天気に恵まれて良かったな。。明日も天気でありますように!

                   その5。に続く。

 




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