その3。

期間:2001.6.1(Fri)~6.7(Thr) 行先:バリ島 ウブド→サヌール
お題:嵐を呼ぶ女。。はどっちだ!? サヌール編その2。
 

ランクアップした部屋はかなり広め。スタンダードクラスの部屋はドアを出た所、
屋根付きベランダみたいな所にソファと机がある寛ぎスペースになっているの
だが、引越し先の部屋は外にそれとほぼ同じスペースがあるのに加え、ドアを入
ったすぐにベットルームとほぼ同じ広さの部屋があり、そこに椅子2ケと机等が
置いてある。荷物をほとんど外に出さず、スーツケースの中に入れたまま生活す
る私にとっては、そういう余剰スペース(笑)があるのは嬉しい限り。
すぐそばに砂浜があるので、早速海へ。地元のお土産屋の客引き達はホテルエリ
ア内に入れない鉄則があるようだが、こんなプチ・ホテルではプライベートビー
チがある筈もなく、よって海に出るとうわっと客引きね~ちゃん達が寄ってくる。
この娘達はとってもしたたか(-.-; 辟易しつつホテルのプールに戻った。夕焼け
を見て(サヌールは東側のビーチなので夕日は見れない)一旦部屋に戻り、暗くな
ってからこのホテル自慢のレストランに出向く。

頼んだのはインドネシアン・リスタフェル・フーズやガドガド、ピッツァ。一つ
一つの料理の量は少ないが、もの凄く沢山の皿が並び、ワイン片手に格闘(^-^;
レストランはホテル敷地内で一番海岸に近い所にあり、私達が陣取ったのは海側
に突き出たように造られた屋根はあるがオープンエアな離れのような所。
もりもり食べているうちに、強い湿気を帯びた風がびゅ~びゅ~吹いてきた。あま
りの強風に目を上げると、海の向こうにスゴイ雷が立て続けに落ちた。まるで映画
のようだ。。と、ぼ~っと見てたら急にスコール。。(ーー;)店員達は慌てて、屋根
の無い所に出したテーブルセットをわらわらと片付け、簾を下ろしたり大忙し。
1時間近くもその調子で降り続いた。外の、しかも木が茂った小道みたいな所を
歩かないと部屋に帰れないので、実質ここで足止め食った私達に、サービス精神
逞しいウェイターはバリコーヒーを運んできてくれたので、嵐見つつ一服(^-^)
雷が遠ざかり、雨もかなり小降りになったので部屋に戻る。

部屋に戻り、洗面所に入ったいつもはのんびり屋のSが、ちょっと緊張した声で
私に背中を向けたまま言った。
「こっち来ない方がいいよ。。あのね。。なんか貴方のダメなモノがいる。。」
ん??な。。何???
「う~んとね。。見間違えじゃなければね。。この“触覚”は。。」
と、次の瞬間、かさかさかさ~~~と、アヤシイ気配。。長い触角、黒い体。。
きゃ~~ごきぶりだ~~~~!!(゚O゚)~~~
いつものマイペース振りがウソの様に、猛然と戦うS。虫が大大大の苦手の私は
ただただ逃げ惑う。そのうちSが叫んだ。
「あ~!!もう一匹いる!!」
一通り戦った後、2匹とも討ち取ったSはフロントへ。
S「ごきぶりって何て言うの?」私「コックローチ!あの殺虫剤の。。」
こんな知識でも結構今まで役に立ってる。。ああ。悲しや(T.T)

しばらくすると、一人のホテルスタッフがやって来た。このおに~ちゃんの手に
は、今日本で探しても見つからないようなモノが握られていた。よく昔の海外の
映画かマンガで見たような、直径15cm長さ40cmくらいの円筒形のモノの先は細っ
ていて、上にはシュコシュコっと押したり引いたりする棒が付きグリップが付い
ている。いわゆる大昔の殺虫剤入れ?(-.-; それで洗面所やトイレを一通り
シュコシュコして、ナゾの白い粉末をばらまいて、に~ちゃんは笑顔と共に去っ
て行った。ん~なんだか安心できない。。と思ったのはSも私も同じ。
我に返り、恐る恐る洗面所に近づくS。微かにアヤシイ物音が。。かさかさかさ。
「あ~~~!もう一匹いる~~~!」
ぎゃ~~!と洗面所のドアから飛びのいた瞬間、ごっき~が洗面所から飛び出し
て来た。苦しいらしく部屋の中をのたうちながら逃げ回わる。んぎゃ~!(*O*)

スリッパ片手にばんばん!戦うSを捨てて、フロントにダッシュ!!
血相を変えて駆け込んだ私を見て、何も言わないうちからフロントのおじさんの
顔色が変わった。「コックローチ!?」うんうんうんうん!!と、ぶんぶん頷く
私を見て、おじさんはどこかに慌てた様子で電話をかけた。で、私に必死になっ
て部屋を変えてあげると説明している。当たり前でしょ!本当は宿を変えたい位
だ。でもあまりにも必死に説得されて、とにかく部屋に一旦戻る。
戻る途中で見覚えのあるゴミ箱を引っつかんでどこかに消えて行くスタッフの後ろ
姿が見えた。も。。もしや。。
部屋に戻ると清々しい顔のSがいた。しっかり仕留めたらしく、計3匹の半殺し
状態のごっき~を入れたゴミ箱はおに~ちゃんがいずこともなく持ち去ったそう
だ。やっぱりアレがそうだったのか。。。

結局またお引越し。「この部屋には絶対ごきぶりはいない!」と、フロントのお
じちゃんの太鼓判付きの部屋のキーには、あの最初の引越しの時に気になって気
になって仕方なかった、綺麗に彩色されたお魚のキーホルダーが。。。
部屋は最初に入った部屋の隣。スタンダードクラスに戻った(-.-;
けど、これも運命???
夜半はスゴイ雷雨。雨音・雷の音・ごっき~への恐怖で、浅い眠りの不安な一夜
を過ごす羽目になったのだ。。(続く)


 



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