[富士見ファンタジア文庫]A君(17)の戦争3 たたかいのさだめ/著:豪屋 大介
[設定/世界観]★★★★★[文章/表現力]★★★☆☆[総合/超主観]★★★★☆異世界に魔王として召喚されたA君(17)こと小野寺剛士君の洋物ファンタジー風架空戦記第3巻。追い詰められた魔王領の総反攻が始まります。戦争の契機となったセントール入植地に興味を持った剛士君、当時の魔王斉藤陛下をお忍びで訪ねますが、何故か詳しくは教えてもらえません。また帰途に暗殺者達の襲撃を受け、彼を守って血塗れの殺戮者と化したスフィアに衝撃を覚えます。そうこうする内にも、戦略的にジリ貧の現状をなんとか打破すべく、剛士君の鶴の一声で<カルネアデス>作戦が発令。現有兵力を総動員して行われた反攻作戦ですが、その戦場で遂に剛士君の手も血にまみれます。更に、スフィアとゴローズ男爵の因縁の再会も・・・戦争描写が多くなってきたせいか、独特の語り口の不自然さはあまり気にならなくなってきたかも。まぁ慣れの問題のような気もしますが・・・その一方で、スフィアを苦しめる鈴の音の呪縛やゴローズ男爵が追い求める謎との関係、剛士君とジャーナリスト・中島ワティアとの信頼の絆など、物語の描写も本格化して、読み応えが増してきました。それにしても田中魔王陛下、敵国王をやおい系同人作家さんに引きずり込んでしまうとは・・・恐るべし。(^.^;