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みあくら様の別荘

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SF

2006年09月28日
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カテゴリ:SF
バラヤー内乱

[設定/世界観]★★★☆☆
[文章/表現力]★★★★★
[総合/超主観]★★★★☆

先日シリーズ最新刊「メモリー」上下巻を読んだ際、マイルズが出てない「バラヤー内乱」は購入見合わせてたのを思い出しました。どうしても読みたくなったので慌てて書店巡りしたものの、近場はどこも在庫皆無。オンラインで注文しても在庫無しでキャンセルかかり、紀伊国屋BookWebの取り置き依頼も渋谷店でキャンセルされ、ようやく新宿本店で保護、という体たらく。
ヒューゴー賞・ローカス賞の両賞をとったこの本作さえこれですから、昨今はうかつに見送りするとあっという間に入手困難になるので侮れません・・・(-_-;

という訳で、前作「名誉のかけら」に続きマイルズ誕生前後の動乱を描く、アラール&コーデリア編です。・・・というよりむしろ、コーデリア"母は強し"編でしょうか?(^^;
何しろ全編、「ベータ女」こと先進的なベータ星出身のコーデリアが、後進的なバラヤーの悪弊と戦い、先天的・後天的問わず奇形や不具へのいわれなき偏見と戦い、誕生直前のマイルズや幼い皇太子を脅かす反逆者と戦い・・・と八面六臂の大活躍。イワン出産前後のアリス叔母さんも大きなお腹を抱えて大健闘です。そしてカリーン妃もまた幼い皇太子のために命をかけ・・・(;_;)

と言う訳で、痛快活劇を楽しみつつ、いかに女性が強く賢くタフであるか思い知らされます。(^.^
おかげでアラールさんはじめ男性陣の影が薄いこと・・・でもボサリ軍曹は「犬」モードで活躍してるので、ここに至ってようやく「戦士志願」の頃のボサリ軍曹とイメージがシンクロしました。

それにしてもシリーズ主役のマイルズ君、ここまで際どい賭けの連続を乗り越えて生まれてきたとは思ってませんでした。ラストで少しだけ顔出ししてるお子様マイルズ、既に強烈な意思力で大人達を振り回してるのも微笑ましい限りです。まさしく栴檀は双葉より何とやら・・・(^^;






最終更新日  2006年10月23日 20時46分44秒


2006年09月03日
カテゴリ:SF
メモリー(上)
メモリー(下)

[設定/世界観]★★★☆☆
[文章/表現力]★★★★★
[総合/超主観]★★★★★

かつて「戦士志願」において、徒手空拳から舌先三寸のみで"デンダリィ傭兵艦隊"をでっちあげた"ネイスミス提督"ことマイルズ・ヴォルコシガン中尉の活躍を描くシリーズの最新刊です。シリーズ自体はG.R.ディクソンの「ドルセイ!」などを思わせる、割と古典的なミリタリースペースオペラですが、ビジョルドの力強い筆致が描き出す生き生きとした人物像が読者を惹きつけてやみません。(^-^
上下巻の今回は、前作「ミラー・ダンス」で一度死亡したマイルズが、低温蘇生の副作用で重大な障害を負い、軍務を離れざるを得なくなる、という一大ターニングポイントでもあります。

軍事色の強い封建制をとる惑星バラヤーの機密保安庁に属するマイルズ・ヴォルコシガン中尉は、かつて自らの手(と詐術 ^^; )で築き上げた"デンダリィ傭兵艦隊"を率いる"ネイスミス提督"という仮の名を持ち、機密保安庁の特命を受けて正規軍を動かせない危険な軍務を遂行しています。
今回も機密保安庁の同僚を救出する人質救出作戦につきましたが、突如身体に変調を来したマイルズは人質を危うく殺しかけてしまいます。以前の作戦で一度死亡し、低温蘇生で復活したマイルズですが、その神経系には正体不明の後遺症が残っていたのでした。
母の胎内で毒ガスの悪影響を受けたため不具の肉体に生まれついたマイルズは、軍事的貴族階級であるヴォルの生まれでありながら軍務につくことは許されず、ヴォルの伝統に固執する祖父から常に失望のまなざしを向けられた過去を持ちます。前線での軍務により軍事的成功を重ねることこそが、現在のマイルズの心の支えでした。そのため後遺症があることを秘匿して機密保安庁のイリヤン長官に報告したマイルズですが、イリヤンはその虚偽を見抜き、皇帝への忠誠を蔑ろにしたマイルズに退役を強いたのです。
「軍人として勝ち続けること」をアイデンティティの核とするマイルズは打ちのめされながら屋敷に戻り、懐かしい人々と再会しながら己を見つめ直します。しかしその頃、機密保安庁ではイリヤン長官に異変が起こっていました。脳内の生体チップの暴走により錯乱したイリヤンは、代行となったハローチ将軍により拘禁され、マイルズらイリヤンと親しい人々も遠ざけられてしまいます。マイルズはイリヤンの身を案じつつ、事件の背後に破壊工作の臭いを感じ、皇帝直属の聴聞卿という特権を得て強引に事件の調査に乗り出します。
矮躯に強烈な意思力を漲らせ、従兄弟のイワンを引き連れて機密保安庁内部を絨毯爆撃するマイルズは徐々に真相に迫り、やがてついに突き止めた意外な真犯人、けれど証拠はありません。そこで聴聞卿マイルズが仕掛けた罠は・・・

といった感じの展開で、後半は往年の「刑事コロンボ」を彷彿とさせました。まぁ犯人は終盤まで不明なんですけど。(^^;
今回は惑星バラヤー機密保安庁内の謎解きに終始してるので、危険な救出作戦をマイルズの機転とペテンで成功させる冒険活劇は皆無です。ただし軍務を追われたマイルズの"自分探し"の過程で、短編「喪の山」の舞台を再訪したり、グレゴール皇帝の婚約話や友人ガレーニ中尉の恋愛騒動に絡んだりと、懐かしい顔ぶれが次々登場します。しかもイリヤンの身に起きた事件を、マイルズがとんでもない方法で調査し始めるので、結局物語に引き込まれっぱなしでした。f(^^;
何より感涙モノなのは、どこまでもどん欲に勝利を求め続けてなお満たされなかったマイルズが、ついに"ヴォルとしての自分"、"ネイスミス提督としての自分"、"祖父の期待を裏切り続けた不具の少年としての自分"に折り合いを付け、「自分は自分だ」とただ静かに感じる、という一幕。思わず「戦士志願」の頃のマイルズを思い返して、泣けること泣けること・・・(;_;)
また下巻終盤では"ネイスミス提督"の公私にわたるパートナーをつとめてきたエリ・クインとの一幕で更にホロリ・・・(;_;)

後書きによると次巻では運命的な出会いが待っているそうなので、傷心のマイルズのためにも出版が待ち遠しいところです。(^^;






最終更新日  2006年09月10日 21時52分57秒
2006年05月03日
カテゴリ:SF
ダーティペアの大征服

[設定/世界観]★★★☆☆
[文章/表現力]★★★☆☆
[総合/超主観]★★★★☆

和製スペースオペラの元祖「クラッシャージョウ」シリーズと並ぶ長寿スペオペ、ダーティペアの最新刊です。てっきり終わったものと思ってたら前作「ダーティペアの大復活」で甦り、さほど間を置かずに新刊が出てきたのでちょっとビックリ。

とはいえ中身はスペオペではなく流行のファンタジー系MMO-RPG、しかもバーチャルでなく、テクノロジーの粋を極めて現実に「剣と魔法」の世界を堪能できる巨大テーマパーク「バーバリアン・エイジ」への潜入捜査というお話です。リアルでやっちゃう豪快さは流石。
捜査のためとはいえゲームシステムには従わねばならないため、ムギはお供はするものの戦力外で、女戦士ケイと魔法少女ユリは内部協力者に導かれつつひたすらレベルアップに励み、結局目的忘れかけてたりもします。f(^^;

舞台が宇宙でなくファンタジー世界で、武器もレイガンや熱線銃やブラッディカードでなく剣と魔法(呪歌等も含む)ですが、ノリはまったくいつも通りのダーティペアです。ちゃんと最後にムギの大暴れも入ってるのまでお約束。
と言っても今回は足場固め程度で潜入捜査は次回持ち越しのため、「ダーティペア」なる汚名の由来である大惨事はまだ起きてませんが・・・
まぁ高千穂先生の幻の本格ヒロイックファンタジー「美獣(ハリィデール)」が結構好きな一読者としては、今更こういうの書くのもどうなのよ、って気もしないでもないですが。でも「あぁ、書きたくなったんだな」と微笑ましく納得してしまう辺りは人徳でしょうか。(^^;

ちなみに献辞は

ロバート・E・ハワードに。
あなたがヒロイックファンタジーを完成させた。


で、作中にもキンメリア、ハイボリア、ヒルカニアなどR.E.ハワードの「コナン」シリーズへの超わかり易いオマージュがあるのも微笑ましいところ。(^.^
でも「剣と魔法」の現在形まで進化させたのは、唸る黒い魔剣を佩いた白子の「メルニボネの皇子」を生み出したM.ムアコックだと、個人的には思いますケド。






最終更新日  2006年05月05日 22時56分43秒

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