[創元推理文庫]バラヤー内乱/著:ロイス・マクマスター・ビジョルド
[設定/世界観]★★★☆☆[文章/表現力]★★★★★[総合/超主観]★★★★☆先日シリーズ最新刊「メモリー」上下巻を読んだ際、マイルズが出てない「バラヤー内乱」は購入見合わせてたのを思い出しました。どうしても読みたくなったので慌てて書店巡りしたものの、近場はどこも在庫皆無。オンラインで注文しても在庫無しでキャンセルかかり、紀伊国屋BookWebの取り置き依頼も渋谷店でキャンセルされ、ようやく新宿本店で保護、という体たらく。ヒューゴー賞・ローカス賞の両賞をとったこの本作さえこれですから、昨今はうかつに見送りするとあっという間に入手困難になるので侮れません・・・(-_-;という訳で、前作「名誉のかけら」に続きマイルズ誕生前後の動乱を描く、アラール&コーデリア編です。・・・というよりむしろ、コーデリア"母は強し"編でしょうか?(^^;何しろ全編、「ベータ女」こと先進的なベータ星出身のコーデリアが、後進的なバラヤーの悪弊と戦い、先天的・後天的問わず奇形や不具へのいわれなき偏見と戦い、誕生直前のマイルズや幼い皇太子を脅かす反逆者と戦い・・・と八面六臂の大活躍。イワン出産前後のアリス叔母さんも大きなお腹を抱えて大健闘です。そしてカリーン妃もまた幼い皇太子のために命をかけ・・・(;_;)と言う訳で、痛快活劇を楽しみつつ、いかに女性が強く賢くタフであるか思い知らされます。(^.^おかげでアラールさんはじめ男性陣の影が薄いこと・・・でもボサリ軍曹は「犬」モードで活躍してるので、ここに至ってようやく「戦士志願」の頃のボサリ軍曹とイメージがシンクロしました。それにしてもシリーズ主役のマイルズ君、ここまで際どい賭けの連続を乗り越えて生まれてきたとは思ってませんでした。ラストで少しだけ顔出ししてるお子様マイルズ、既に強烈な意思力で大人達を振り回してるのも微笑ましい限りです。まさしく栴檀は双葉より何とやら・・・(^^;