カテゴリ:ひたすらマカロン
( 退院延びた誰か着替え持ってきて ) 家族に一斉送信すぐに返信が来る。
明日は息子が休みが取れたので、退院の手続きや帰りの荷物持ちをしてくれるつもり だったらしい、残念着替えだけ持ってきてもらうことにする。 明日は胸の管が抜けるだろうか・・・・着替える前に風呂に入りたい しずかちゃんじゃあるまいし、昼から風呂に入りたいってほどの風呂好きではないけれど、 頭を洗いたくて仕方ない暇だと風呂を思い出すのでまたマカロン作る。 そこに賑やかに誰か入ってくる、隣のベットに入院する人が居る様子。 1人部屋終わってしまった 荷物をごそごそ出しては大声で独り言を言っている、お年寄りのようだけれど、 どこが悪くて入院したのだろう看護婦さんが2人一緒に薬の確認をしている。 カーテン越しに挨拶を交わす。 これがちょっと人生観の変る衝撃の出会いでした。 隣の患者さん 「 私2泊3日だけの入院だけど、よろしくお願いします。」 「 こちらこそよろしくお願いします、私ももうすぐ退院なんですよ。」 カーテン開けて話す。 小柄のお婆ちゃんがベットにチョコンと座っていて、腕からのびる点滴の管が一辺がA4ぐらい の四角い機械に繋がっていました。 「 何所がお悪いの。」 「 甲状腺です、パセドォー病の手術してもらったんです。」 「 私は抗がん剤の投与に来てるの。」 「 ・・・・・辛いそうですね。」 「 それが何故か私ぜんぜん平気なのよ、吐き気止めが効いてるのかしら。」 大腸がんで3ヶ月入院して半年たたずに再発してしまい、月に2回抗がん剤の投与で入院して いるのだと笑いながら話すお婆ちゃん 「 ガンなんかになる前はしょっちゅう海外旅行しててね、ハワイに行ったときに自分の肌があまりに綺麗なんで、なんて綺麗なお腹だろうと思って写真撮ったのよ、そしたらあなた大腸ガンで大きな傷が出来ちゃってあっはっはっはっは」 お歳は私より2周り上で同じ干支でした、母より少し年下。 大病してそれが再発したのにこの明るさは何なのか・・・・・性格なのかな これほど年齢の違う方と長くお喋りをしたのは始めてかもしれません。 この方とは寝ている時間以外はずっと喋っていました。 日本の医師会はダメだなんて話しから地元史まで。 副作用の無い抗がん剤が開発されたのに研究費が出ないから開発者はアメリカに行ってしまった そうで、詳しい内容をPCで調べてプリントアウトしてきたと言って読ませてくれたり。 この界隈に生まれた時からお住いだそうで、戦中戦後の町の様子を話てくれました。 悲惨な話のはずなのに間に笑い話を盛り込みつつです 幸運にも自宅は焼けず家族も皆無事だったのですが、食べる物は一切無く、 そんな頃にアメリカ兵からもらったパイナップルの缶詰は忘れられない物だそうです。 戦後のアメリカの食料支援は思惑があってのことだし、其のせいで日本の食糧自給率は下がっ たと言う説もあるけれど、実際にお腹を空かせた子供時代に食べたこともない甘い フルーツを貰った人の話はまた違いました。 あの缶詰を思い出すと、日本は占領した国の子供達になにをあげたのだろうと考えさせ られるそうです。 年寄りって昔の自分が頑張った話ばかりしたがる生き物だと思っていたけど、 このお婆ちゃんは違う PC使いこなして新しい情報を知っているし、昔の苦労話も笑い話に変えて、 今の人は幸せだなんてセリフは出てこない。 ましてや抗がん剤を投与しながら大笑いできるなんて お婆ちゃんはお喋りが一区切りつく度に有難うと言ってくれて、世代の違う相手と話す機会が ないから楽しかったと言う意味らしいのだけど、こんな強くて楽しいお婆ちゃんの話は 皆で聞くべきだと思いました。 私、あなたを目標にあと24年生きます 歳を取ることは皺と病気との闘いだって気がしてましたけど、どちらも怖くなくなりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.05.13 01:15:47
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