2016/10/17(月)15:34
菅原道真 このたびは幣もとりあへず手向山
小倉百人一首 二十四
菅原道真(すがわらのみちざね)
このたびは幣ぬさもとりあへず手向山たむけやま
紅葉の錦にしき神のまにまに
古今和歌集 420
この度の旅はあわただしくて
幣ぬさも手に取れずに参りました。
幣を手向けるべきこの手向山の紅葉の錦を奉納いたしますので
どうか神意のままに(ご笑納下さい)。
註
(この)たび:「度」と「旅」を掛けている。
幣ぬさ:神に捧げる供え物。また、祓(はらえ)の料とするもの。古くは麻木綿(あさゆう)などを用い、のちには織った布や紙を用いた。みてぐら。にぎて。幣帛(へいはく)。御幣(ごへい)。玉串(たまぐし)。秋の祭礼における「初穂」(その年の初めての稲の収穫を奉納するもの)もこの類い。
手向山たむけやま:手向山八幡宮。奈良市雑司町にある神社。
まにまに:随意に。意の儘に。現代語「ままに」の語源。