うたのおけいこ 短歌の領分

2021/09/23(木)20:56

木の間より洩りくる月のかげ見れば心づくしの秋は来にけり

古今憧憬(239)

よみ人知らず 木この間まより洩もりくる月のかげ見れば         心づくしの秋は来にけり 古今和歌集 184 木々の隙間から洩れてくる月の光を見れば 物思いを尽くす秋が来たのだなあ。 註 心づくし:思いを尽くすこと。物思い、憂愁、メランコリー。現代語「心尽くし」とつながりつつも、ニュアンスはかなり違う。 かげ(影):光のこと。後世「光が作り出す形」などのニュアンスを経て、「陰、蔭」の意味が生じた。

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