2024/06/08(土)05:32
黒田官兵衛如水 辞世 思ひおく言の葉なくてつひにゆく道はまよはじなるにまかせて
於もひをく言能葉なくて徒井爾行 道盤満よハしな類爾ま可せて 如水(花押)
黒田官兵衛孝高 如水円清
(くろだかんべえ・よしたか じょすい・えんせい) 辞世
思ひおく言の葉なくてつひにゆく
道はまよはじなるにまかせて
真筆短冊
福岡市博物館蔵
思いを残し置く言葉など今さら何もなくて
終ついの行き先に私は行く
その道にもう迷うことはあるまい。
なるにまかせて、行き当たりばったりで。
註
戦国乱世を駈け抜け、晩年に「如水(水の如し)」と名のった人の超俗洒脱な三昧境を示し、軽妙で涼やかとさえ見える非凡な辞世の一首。