うたのおけいこ 短歌の領分

2024/04/21(日)18:29

松田聖子  赤いスイートピー / Red Sweet Pea  English jazz ver. ほか

J-POPパラディーゾ(1001)

松田聖子 赤いスイートピー Seiko Matsuda Red Sweet Pea English jazz version 松田聖子/松たか子 赤いスイートピー 德永英明 赤いスイートピー ミュージックビデオ(MV)ロケ地:江ノ島電鉄(江ノ電)周辺。 線路の脇のつぼみは赤いスイートピー 多少なりとも詩歌が分かる者にとって、圧倒的な一行である。 これはあれだな、志貴皇子「石ばしる垂水のうへのさわらびの 萌えいづる春になりにけるかも」(万葉集 1418)だな。 きちんと(本来の意味の)サビ(クライマックス直前)に配置されている。 そして、最後の一行でふたりは結ばれる。見事すぎる作詞術である。 作詞者・松本隆の文学性と松田聖子の聖性が同期した 言わずと知れた神曲である。 「ちょっぴり気が弱いけど素敵な人」は、(何ら根拠はないが 直感的に言えば)間違いなく、松本隆の自画像であろう。 夏目漱石『坊ちゃん』の、職員室で洋書を読んだりする 嫌味なかたき役「赤シャツ」は 漱石の自画像であるといわれている。 最後には結局「マドンナ」をかっさらっていってしまう。 優れた詩人・作家は、作中でしばしばこういうお茶目をする。 ところで、話は変わるが、もうひとつ聴いてみたい幻がある。 寡聞にして知らないのだが、作曲者ユーミンの セルフカヴァー歌唱ヴァ―ジョンはないのだろうか。 ウィキペディアによれば、やはりそれは存在しないらしい。 確かに、偉大な女傑ユーミンと、この歌の繊細な乙女心の歌詞は 柄が合わないが、ミスマッチで意外に面白いんじゃないかと思う。 いっぺんでいいから歌ってみてほしい。 けっこう昔から、そう思っていた。 僕の脳内では、すでにユーミンの声のヴァージョンが鳴っている。 * このエントリーには「恋文ペン字」という 手書きのようなフォント(書体)を用いました。 ご覧の端末によっては正確に表示されません。ご了承下さい。

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