2024/09/04(水)06:14
柿本人麻呂 鳴神の少しとよみてさし曇り雨もふらぬか君をとどめむ
柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)
鳴神なるかみの少しとよみてさし曇り
雨もふらぬか君をとどめむ
万葉集 2513
雷がちょっととどろいて曇って来たけれど
雨も降らないかなあ 君と一緒にいられるから
鳴神なるかみの少しとよみてふらずとも
我あはとどまらむ妹いもしとどめば
万葉集 2514
雷がちょっととどろいて 雨は降らなくても
僕はどこにも行かないよ 君がここにいてくれるなら
註
妹いも:恋人、妻など、親密な間柄の愛しい女性をあらわした古語。妹子(いもこ)、吾妹子(わぎもこ)。「いもうと」ではない。
(妹)し:特定の意味はない強調の助辞。「生きとし生ける」などに残る。