2024/11/05(火)06:32
紫式部 めぐりあひて見しやそれともわかぬ間に雲隠れにし夜半の月かな
紫式部(むらさきしきぶ)
めぐりあひて見しやそれともわかぬ間に
雲隠れにし夜半よはの月かな
新古今和歌集 1499 / 小倉百人一首 57
たまたま出会って
見たのかどうかも分からない間に
叢雲むらぐもに隠れてしまった夜更けの月だなあ。
(邂逅して、お逢いしたのかどうかも分からないうちに
いなくなってしまった、愛しいあなた。)
註
わかぬ:現代語「分かる」ではなく、古語動詞「分く」(意味は同じ)の打ち消しなので、この形になる。
上掲の結句は、百人一首を採った。新古今集(原作)では「夜半の月かげ(月光)」。百人一首の方は、撰者の巨匠・藤原定家による推敲か。
確かに、間違いなくこちらの方がいいと思われる。
『プレバト』みたいなことを、千年前の人もやっていたってことか