松田聖子 赤いスイートピー / Red Sweet Pea English jazz ver. ほか
松田聖子赤いスイートピーSeiko MatsudaRed Sweet PeaEnglish jazz version松田聖子/松たか子赤いスイートピー德永英明赤いスイートピーミュージックビデオ(MV)ロケ地:江ノ島電鉄(江ノ電)周辺。線路の脇のつぼみは赤いスイートピー多少なりとも詩歌が分かる者にとって、圧倒的な一行である。これはあれだな、志貴皇子「石ばしる垂水のうへのさわらびの萌えいづる春になりにけるかも」(万葉集 1418)だな。きちんと(本来の意味の)サビ(クライマックス直前)に配置されている。そして、最後の一行でふたりは結ばれる。見事すぎる作詞術である。作詞者・松本隆の文学性と松田聖子の聖性が同期した言わずと知れた神曲である。「ちょっぴり気が弱いけど素敵な人」は、(何ら根拠はないが直感的に言えば)間違いなく、松本隆の自画像であろう。夏目漱石『坊ちゃん』の、職員室で洋書を読んだりする嫌味なかたき役「赤シャツ」は漱石の自画像であるといわれている。最後には結局「マドンナ」をかっさらっていってしまう。優れた詩人・作家は、作中でしばしばこういうお茶目をする。ところで、話は変わるが、もうひとつ聴いてみたい幻がある。寡聞にして知らないのだが、作曲者ユーミンのセルフカヴァー歌唱ヴァ―ジョンはないのだろうか。ウィキペディアによれば、やはりそれは存在しないらしい。確かに、偉大な女傑ユーミンと、この歌の繊細な乙女心の歌詞は柄が合わないが、ミスマッチで意外に面白いんじゃないかと思う。いっぺんでいいから歌ってみてほしい。けっこう昔から、そう思っていた。僕の脳内では、すでにユーミンの声のヴァージョンが鳴っている。* このエントリーには「恋文ペン字」という手書きのようなフォント(書体)を用いました。ご覧の端末によっては正確に表示されません。ご了承下さい。