花の画家 ルドゥーテ『美花選』展 東日本大震災111日目
コクーン歌舞伎を観る前に、Bunkamura ザ・ミュージアムへ行った。7月3日まで、「花の画家 ルドゥーテ『美花選』展」を開催してる。「花の画家 ルドゥーテ展」というタイトルで開催予定やったけど、震災の影響で予定してた出品作品を変更し、タイトルも変ってる。べラム(子牛などの皮)に描かれた水彩画を中心にした内容から、国内にある版画中心の展示になったみたいや。ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテは、ベルギー生まれで、マリー・アントワネットとナポレオン1世の妃ジョセフィーヌの両方に仕えた宮廷画家やったそうや。会場に入るとすぐに、香りの演出がある。蓬田勝之氏プロデュースのジオラマ系のバラの紅茶の香りのような「ティー」。最初のコーナーは、植物学者レリティエなどに依頼されて図版を作ってたころの作品。ボタニカル・アートとしては、このころの作品が一番好みやった。ルドゥーテは、ロンドンで学んだ点刻銅版画(スティップル・エングレーヴィング法)という輪郭線を彫らずに、針で銅板に点描する技法で表現してる。もっともルドゥーテが水彩で原画を描いて、版画師が彫るんやろうから、版画師もすごい。拡大鏡でその細かさを見ることができるコーナーもあった。専門家向けの「ユリ譜」や「バラ譜」を製作したルドゥーテが1827年67歳から6年かけて取り組んだのが、一般的な植物画を愛する人に向けて発行した「美花選」。正式名称は、Choix des plus belles fleurs prises dans diff?rentes familles du r?gne v?g?tal, et de quelques branches des plus beaux fruits group?es quelquefois et souvent anim?es par des insectes et des papillons, grav?es, imprim?es en couleur et retouch?es au pinceau avec un soin qui doit r?pondre de leur perfection. D?di? a LL. AA. RR. Les princesses Louise et Marie d'Orl?ans っていうそうや。「植物界のさまざまな種類から・・・」訳はメモしきれへんかった。専門家向けではないからか、いろんな花や葉に描かれている水滴がわざとらしく見える。「バラ図譜」の展示のそばに、別の香りでパパ・メイアン系の「ダマスクス・モダン」が。ルドゥーテが一番よう描いてはるバラは、ロサ・ケンティフォリア('Rosa centifolia')別名キャベッジローズっていうそうや。レタスローズっていうのもあった。ビーズ刺繍デザイナーの田川啓二氏のドレス3点もを特別展示されてた。バラ育種家の河本順子氏から田川啓二氏にささげられたバラ「クチュールローズ・チリア」をイメージたもの黒柳徹子氏に捧げられたバラ「トットちゃん」をあしらったドレス「エパンタイユドール」東洋が原産地の花、ツバキ、モクレン、ツツジ、アジサイ、ムクゲ、ギボウシなども「美花選」に入ってる。果実では、イチゴ、スグリ、ヨウナシ、りんご、セイヨウスモモ、アンズ、ブドウ、イチジク、ヘーゼルナッツなども。「探検航海と植物画」のコーナーでは、キャプテン・クックに同行した、植物画家のシドニー・パーキンソンが描いた原画やスケッチを元にしてルドゥーテが作成したl、ニチニチソウ、アマリリスの原種などがあった。特別出品として、「バンクス花譜」からの26点も。ジョセフ・バンクスもキャプテン・クックの大航海に同行してる。私は、こっちのほうがダイナミックで好みやった。次のスペースは、デザイナー吉谷博光氏が空間演出。皇妃ジョゼフィーヌが過ごしたマルメゾン宮殿の室内装飾にインスピレーション受けて、デサインしはったそうや。黒と白の市松模様が幾何学的に配された扇形の床に、たっぷりとドレープが入ったアイボリーのカーテン、壁紙はミントグリーン。その空間に、とっておきのルドゥーテ作品が並んでる。華やかなブーケの作品が10点、それにべラムに描かれた水彩画のブーケが5点。ベラム(Vellum)は、仔牛の皮から作られた上質な紙のような画材。インクや絵の具のしみこみが紙よりも少ないので、発色がよく鮮明な色彩になるけど、やり直しがきかないし、扱いにくいこともあって、高い技量が求められたそうや。ほんまは、こんな水彩画がメインになるはずやってんな。残念やなあ。最後に、なぜか美輪明宏氏の著書「花言葉」からの言葉が書かれたコーナーもあった。花の画家 ルドゥーテ『美花選』展会場の外には、震災を支援するグッズも販売してた。こんなプロジェクトもあるんや。「元気になる花の種」プロジェクト by「My Garden」>~「元気になる花の種」をお持ちください~皆さまのお庭で育った花の種で、東日本の「風景」と「元気」を取り戻すお手伝いをしませんか。全国の皆さまのお気持ちを「花の種」に託して東日本に届けます。「元気になる花の種」(庭で今からとれる種で結構です/種と球根の受付です)を袋に入れてしっかり封をして、以下までお送りいただくか、「花の画家 ルドゥーテ『美花選』展」会場入口でも会期中受付BOXを設置します。住所:〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町2-1 渋谷ホームズ1405TEL03-3496-7046 マルモ出版マイガーデンクラブ 担当:松田※花の名称、花の色、種の蒔き時、花の咲く時期、住所・氏名(無記名でも可)、一言メッセージを添えてください。※花の写真があれば同封してください。東日本の皆さまの目線が、足元から少し先を見られるようになったときに、全国から戴いた「元気になる花の種」を贈りたいと思います。お送りいただきました「花の種」は、届いたお知らせは出来ませんが、ご了承ください。どうぞ、宜しくお願いいたします。「元気になる花の種」を送ってください。宝島社からこんなのまで出てる。1日1回のクリックで、募金ができます♪