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すごく、すごーく好き。葉子さんは大好きな彼の子供、草子を生む。彼は彼女の前から突然いなくなる。それでも、葉子さんは彼を待ち続ける。切ないぐらいに、切実に。私には全然分からない感情や、もの凄く分かる風景や物の感じ方が、たまらなく好き。草子と言う名前も好き。たらいに足をつける感じも良く分かる。誰かを『骨ごととけるような恋』で想い続けるには、もの凄く、強くなければいけないと思った。私には出来ない。私は弱くて、その弱さを知っていて、いつからか強くみせる事に疲れてしまった。だから、なおさら、この親子が羨ましく思える。誰かを本当に好きになるのは、とても疲れる。想い出は、そのままで、それ以下にも、それ以上にもならない。それは、それで自分を守る方法なのだと思う。実はこの本はまだ読んでいる途中で、読み終わってしまうのが寂しい。本当は一日で読めてしまうのだけれど、、少しずつ、少しずつ読んでいる。そして、また、いつか読み返すと思う。子供は成長するもので、私には持てない宝物(草子)を手に入れた葉子さんはラッキーだと思う。そして『骨ごと溶けるような恋』、人生で3番目の宝物を手にしてしまった葉子さんは、とても不幸だとも思う。その宝物さえ、手にはいらなければ、もっと楽に彼を想い出にできたのに。そういう意味では私はラッキーだったのかもしれない。だって、私は強くないから。そんな宝物を手にしたら、毎日彼を想って泣いているだろう。想い出が近すぎて。この物語の最後は解釈するのが難しい。葉子さんは、本当に彼に会えたのか?それとも気が狂ってしまったのか?できれば、会えてほしいけど、彼女自身は、どちらでも幸せなのかもしれない。
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